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飛来峰記事

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菅義偉首相は19日、新型コロナウイルスワクチンに関し、米製薬大手ファイザー社のブーラ最高経営責任者(CEO)と行った電話会談を踏まえ、「(国内の全対象者分が)9月までに供給されるめどが立った」と明言した、と報道されています。しかし、17日にブーラ氏と電話会談し、「CEOからは協議を迅速に進めたいという話があった」というもので、ファイザー社は協議に同意したにすぎません。内閣府のHPに掲載されている、医療従事者に対するワクチン接種者の数は、16日の17時時点で、1回目が119.8万人、2回打ち終えた方が71.8万人で、医療従事者数の15%程度です。

ワクチンを打っていない医師や看護師が高齢者ワクチン接種業務に従事するはどうか、という意見も出ています。

19日のNHKニュースは、高齢者施設で働く医師の「施設で働く医師や看護師はすでにワクチン接種を済ませていると多くの人が思っていると思いますが、現実は違います。毎日ひやひやしながら職場に来ていて、もう少し早く接種を受けられるよう対応してもらいたいです」という声を報じています。

速やかに医療従事者へのワクチン接種を進めるべきではないでしょうか。

デジタル庁創設や個人情報保護法改正を盛り込む「デジタル改革関連法案」が4月6日、衆院本会議で自民、公明、日本維新の会、国民民主党の賛成多数で可決されました。5法案63本を一括して扱いながら、審議時間は約27時間で、15年の「安全保障関連法」117時間と比べても大幅に審議時間をカット、28項目の付帯決議が付くなど、とてもまともな審議であったとは思えません。

個人情報保護法の目的に「個人情報の取り扱いについて自ら決定する権利の保障」を明記することを否定するなど、「自己情報コントロール権」を真っ向から否定する内容となっています。

参院での徹底審議と、速やかな廃案を求めるものです。

75歳以上の後期高齢者の医療費窓口負担を2倍にする、「高齢者医療費2倍化法案」が衆院本会議で審議入りしました。

「2倍化法案」は、現在原則1割の75歳以上の医療費窓口負担を2割にするもので、単身世帯で年収200万円以上、夫婦世帯で同320万円以上を対象にし、約370万人が負担増になります。すでに「現役並み」所得で3割負担の人を合わせると75歳以上の高齢者の3人に1人が2割以上の負担になります。

年金は下げられる一方で、医療機関にかかる回数も多いので影響は深刻です。厚労省の試算によれば、「高血圧症で定期的に通院する患者は年2.9万円から5.7万円に倍増」「膝の痛みなど関節症なら年3.2万円が6.4万円になる」(「日経」)ことを明らかにしました。

菅政権は、「現役世代」の保険料負担軽減といいますが、現役世代の負担が減るのは年間720億円、1人当たりに換算すれば月30円程度で、最も削減されるのは国・自治体の公費980億円です。

この法案の廃案を強く求めるものです。

地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2021年3月21日付(第1877号)に掲載した、「オンライン診療の問題点(その5)」の後半です。

患者の側も、顔写真付きの身分証明書の提示が必要になります。しかし、高齢で運転免許証を返納した、パスポートは持っていないということもあります。

1対1の診療になっているかどうか、対面であればお互い名を名乗って診察室内にいる人間を確認できますが、患者側のカメラの周囲に他人がいる可能性もあります。

オンライン診療の動画をSNSなどに無断でアップされるなど、医師のプライバシーが侵害される可能性もあります。実際に、女性医師が動画をアップされた被害も報告されています。

オンラインシステムの導入にあたっても、新たなシステムや機器の導入が必要です。すべての医師が情報システムに精通している訳ではありませんし、まっとうな業者だけではありません。高額なサービスや不要な過剰なサービスの契約に追い込まれる可能性もあります。

世代によりますが、IT操作に不慣れな医師もいます。

患者のなりすましによる薬剤の不正入手、健康保険の不正使用なども懸念されます。

2月12日の第140回社会保障審議会医療保険部会で、健康保険組合連合会副会長の佐野雅宏さんは、オンライン資格確認の準備が進んでいない現状について、「医療機関における導入状況、また、マイナンバーカードの保険証の申込み状況等を考える」と「(健保組合)加入者に対しては、当面は既存の保険証を利用することが最も確実な方法ですということを、その旨を周知せざるを得ないと思っております」と述べています。

問題点が山積する中での拙速な導入は中止すべきです。

地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2021年3月21日付(第1877号)に掲載した、「オンライン診療の問題点(その5)」の前半です。

オンライン診療の問題点をまとめてみます。

まず、保険証をどう確認するかです。政府はマイナンバーカードに保険証情報を紐づけする仕組みの導入を急いでいます。カードリーダーで読み込む仕組みですが、オンラインではどのように確認するのか。顔認証も、コンピュータやスマートフォンの画面では印象が異なります。高齢者やカードに慣れていない方がパスワードを記憶しているとは限りません。

通院患者でも保険証の有効期限の問題がありますからどう確認するのか、技術的にも難しいでしょう。

医師のなりすまし、という問題もあります。そもそも、画面に映った人物が医師資格を持った人物であるかどうかをどう確認するのかということ(※)です。対面であれば、医療機関の建物があるし、そこの掲示物を見れば正規の医療機関であることが確認でき、信頼感があるでしょう。オンラインの場合、本当に医療機関の正規のアドレスに接続しているのかどうかわからないということもあります。

実際、画面上の人物が医師を装った無資格者であったという報告もあります。

患者のなりすましもあります。もちろん対面でも起きうることですが、レントゲン写真を撮る、採血をするなど「痛い目」には会う訳で、なりすましにも限度があるでしょう。ある病院で、友人の保険証を借りて受診したら入院することになり、友人の名前を呼ばれて返事をしないといけないし、検査など受けているうちに、「実は」と正直に打ち明けたという事例を聞いたことがあります。

日本医師会では、医師資格証として、顔写真付きのHPKI(保健医療福祉分野の公開鍵基盤)カードを普及していますが、一般の方にはその存在は知られていません。ま医師会に加入していない医師もいます。

新型コロナウイルスワクチンの接種が進みません。2月12日に最初のワクチン、最大38万回分(最大とは1瓶あたり6回採取する計算。以下同じ)が日本に届いてから、2月21日に最大45万回分、3月1日からは毎週月曜日に届いており、3月22日までの合計で最大406万回分届いています。3月26日時点で1回目の接種が終わった人は約78.2万人、480万人と言われる医療従事者の16.3%に過ぎません。上述の406万回分がすべて医療従事者に使用されても、最大42.3%です(1バイアルで5人しかとれない注射器ならもっとこの数値は下がります)。

ある市では、診療所であれ病院であれ、公平を期すため1医療機関あたり1バイアルで、4月19日から配布するといいます。3月29日に最大141万回分が届きますが、高齢者へのワクチン接種も同時に始まることになるので、医療従事者への接種が終了するのはいったいいつのことになるのかと思います。国内にワクチンがない以上、接種しようがないのですが。

このような状態で、東京オリンピック・パラリンピックを本当に開催するのか。いま一度考え直すべきではないのでしょうか

地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2021年2月21日付(第1874号)に掲載した、「医療ひっ迫原因は民間医療機関の問題ではありません」の後半です。

菅首相は1月13日の記者会見で、コロナ患者受け入れを、民間にもより広げる必要性に触れ、「民間病院に一定数を出してほしいと働きかけをずっと行ってきている」と述べました。

厚労省の示したデータによれば、救急や重症患者を治療する急性期病院のうちコロナ患者の受け入れが可能な病院は公立73%、公的84%に対し、民間は30%にとどまる、としています。

しかし、日本の病院の8割が民間病院で、その多くは200床未満の中小病院です。

また、急性期病床を持つ約4,300病院のうち、民間病院で200床未満は約2千です。

新型コロナ患者の受け入れ状況は100床未満でみると、公的・公立が40に対して、民間は113です。100床以上200床未満では公的・公立が134に対し民間は256で、受け入れ率でみれば低くても、病院数では民間の方が多いのが実態です。

民間病院では、公的病院のように自治体等からの繰入金はありません。もともと医師・看護師等の人員にも余裕はありません。構造的にも一般患者とコロナ疑い患者の動線を完全に分けるのも難しいのが実態です。

コロナ患者を受け入れるためにベッドを空けておくと減収になります。2人部屋を個室に、4人部屋を2人にしても減収になります。

減収補填はしない、人員の補充は「自己責任」というのでは、受け入れようがないというのが正直なところです。

民間医療機関の受け入れが問題、というのは、「民間医療機関バッシング」といえるのではないでしょうか。

公的・公立病院の病床削減政策の転換、社会保障の充実が求められています。

地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2021年2月21日付(第1874号)に掲載した、「医療ひっ迫原因は民間医療機関の問題ではありません」の前半です。

感染症法やコロナ特措法の改正法が成立。問題が多く含まれているため、オンライン診療に関する連載の途中ですが触れておきたいと思います。

いわゆるコロナ特措法の正式名称は「新型インフルエンザ等対策特別措置法」です。もともとは新型インフルエンザに対する法律に、2020年に新型コロナウイルス感染症を追加したものです。

「改正特措法」では、「まん延防止等重点措置」が新たに設置されます。緊急事態宣言発令前の段階でも、都道府県知事は営業時間の変更などの措置が取れます。

「まん延防止等重点措置」では、都道府県が飲食店などの店舗や施設に対し
・従業員への検査勧奨
・発熱者等の入場禁止
・感染防止のための措置を行わない人の入場禁止などができます。

「改正感染症法」では、指定感染症の場合、入院を拒否したり、入院先から逃げたりした感染者に対しては、50万円以下の過料が科されます。刑事罰である罰金刑と異なり、行政罰で前科がつくわけではありませんが、最高50万円の支払いが命じられる厳しい罰です。

しかし、入院希望者がすべて入院できる状況にはありません。

清水忠史衆院議員(共産)は12月27日に発熱、大阪市保健所に連絡したらPCR検査は10日後になると言われ、熱が下がらないため4日後の31日に発熱外来のある医療機関を受診、抗原検査で陽性でした。しかし、保健所から「あなたの症状では入院できない」といわれました(※)。これが現状です。

今回の改正で厚労相や知事が医療機関に必要な協力を求めることができるとし、正当な理由なく応じなかった場合には勧告したうえで従わなかった場合は医療機関名を公表できる規定も盛り込まれました。

※しんぶん赤旗1月24・25日付

香川県保険医協会報2021年2月号の「主張」欄に、「3次補正予算の問題点を考える」と題する文章を掲載しました。紹介します。

1月7日に首都圏を中心に発出された緊急事態宣言は、その後対象地域を広げ期間延長を行うなどし、10都府県で継続されています。その中で1月28日に19兆円規模の第3次補正予算が成立しました。

外来の小児診療等の評価やコロナ感染患者の転院支援など、評価すべき点もありますが、ここでは問題点を中心にみていきたいと思います。

感染拡大防止策については4分の1の4.4兆円に過ぎません。当初は「雇用調整助成金」の特例措置や、「持続化給付金」「家賃支援給付金」の打ち切りが予定されていましたが、世論の反発により、特例措置の延長や「給付金」の申請期限が延長されましたが、十分なものとは言えません。

とりわけ、減収により経営的に困難状況に陥っている医療機関に対する減収補填ではなく、「緊急包括支援交付金」(病院100万円・診療所50万円)などの形で、新たに購入したものに対する補助となっています。しかし、多くの医療機関では収入そのものが減少していることが問題なので、あくまで直接的な支援が必要だと思います。

厚労省の予算(案)を見ても、ワクチン接種体制の整備や、雇用調整助成金関連など必要と思われるものもありますが、「デジタル改革の実現」と称して、デジタル化・データ連携の推進、保育分野のICT導入支援、ゲノム解析、介護分野等へのロボット等導入など、緊急性にかけるものも多々あります。

とりわけ問題と思われるのは、国土交通省関係の内容です。ポストコロナに向けた経済構造の転換などに1.4兆円、国土強靭化推進に1.8兆円などです。GO TO トラベル事業に1兆円を投入するなど、緊急事態宣言を延長せざるをえない状況のなかでは、まさに不要不急の事業です。国土強靭化では、「流域治水」等の推進、南海トラフ地震や首都直下地震対策、官公庁施設の耐災害性強化など、重要な内容であったとしても、補正予算で対応する必要はありません。

予算が成立しても、不要な内容は執行させない運動が重要です。

※2月11日時点での情報に基づいたものです。

地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2021年1月17日付(第1872号)に掲載した、「オンライン診療の問題点」(その4)の後半で、第1176回(3月2日付)の続きです。

「過去に受診歴のないケース」について、かかりつけ医・地元の病院等から患者情報が共有できるようになればよい、という意見もあるようですが、例えば旅行中・仕事で出張中などが想定されますが、それなら、元々の主治医に電話で相談すればよいわけです。

第3波が来ているような状況であるし、特例措置の当面継続を決めた状況で、恒久化を図る内容を決定することに疑問を感じている。

オンライン診療では、すぐさま処置や治療を行わないといけない症例や、症状が遷延しており重大な疾病が隠れている症例においては、十分な対応ができない、という意見も出されています。

その他、
・急性腹症(※)は、触診しないと分からない。
・喉の痛みは難しい。スマホの映像で喉が赤いのを診るところまでは難しかった。
・これまでかかった病気や、内服薬、体温や血圧等、患者さんに関する情報があらかじめ必要。
・オンライン診療に関する説明・同意を行うことが前提で同意をとった記録をどうするかなど検討が必要。
・諸外国の例でも、初診ではオンライン診療に不適切な症状・状態を除外している場合がある。

◇  ◇  ◇

菅政権肝いりの「デジタル化の推進」をするために、恒久化に前のめりになってきた検討会ですが、少しトーンダウンしています。第13回の「今後のスケージュール」では、21年6月頃に恒久化に向けたまとめが予定されており、問題点をさらに明らかにする必要があります。

今後検討が必要な事項に「受診歴のない患者に対し……必要な健康情報について(診療情報ネットワーク等の技術の発展を踏まえて検討)」とあり、マイナンバーカードの保険証との一体化、健康情報の集積とも関連しており、問題点をさらに明らかにしていく必要があります。

※急に発症する腹痛で手術など迅速な対応が必要なもの。

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