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飛来峰記事

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2017年7月に国連会議で採択された核兵器禁止条約が、ホンジュラスの批准により10月24日に批准国50に達し、条約の規定により90日後の来年1月22日に発効することが確定しました。

核兵器の非人道性をきびしく告発し、開発、実験、生産、保有から使用と威嚇にいたるまで全面的に禁止して違法化するもので、核兵器に「悪の烙印」を押すとともに、完全廃絶までの枠組みと道筋を明記しています。

新型コロナウイルス拡散のため1年延期され来年4月までに開催が予定されている核不拡散条約(NPT)再検討会議において、核保有国に対して、「核軍備縮小・撤廃のために誠実に交渉を行う」義務(NPT第6条)と自らが世界に約束した「核兵器の完全廃絶」(2000年NPT再検討会議)の実行を迫る大きな力になります。

唯一の戦争被爆国日本政府に核兵器禁止条約の批准を迫り、核兵器の完全廃絶への一歩としたいものです。

地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2020年9月20日付(第1860号)に掲載した、「新型コロナ感染症の医療機関への影響」(その4)の後半です

医団連(医療団体連絡会議)が、8月24日に「医療崩壊を招かないために国の十分な手立てを求める緊急会見」を行い、当時の安倍総理と加藤厚労相に「第3次緊急要請書」を提出しました。

日本医療福祉生活協同組合連合会の4~6月の会員生協調査では、回答率が85%で、事業収益は回答のあった89生協中81生協が前年割れ、29生協が前年比90%を下回り40生協が3k月連続で前年割れとなっています。

また、76生協が経常剰余赤字、34生協は3カ月連続で赤字です。

全国保険医団体連合会は、4月・5月の状況調査ですが、5割以上の病院で保険診療収入が30%以上減。医科診療所では耳鼻科、小児科の7割で保険診療収入が30%以上減。としています。

日本医療労働組合連合会は、8月中旬の調査で、職員の「一時金については……(新型コロナ感染症の)影響がで始めてから」は「軒並み一時金が削減」「冬季一時金への不安は大きい」としています。

山陽新聞は、9月13日付社説で「病院の経営悪化頑張りに応える支援急げ」と題し、次のように論じました。

「岡山県内でも影響は深刻」「真庭市の整形外科医院が7月、岡山地裁津山支部に自己破産を申請し、全国初となるコロナ関連の医療機関の倒産」「(岡山)県保険医協会が6月に行ったアンケートでは、回答した医師と歯科医師の7割が受診控えなどの長期化を心配していた」。

文字通り、「医療機関などの安定的な経営を確保する支援」が、喫緊の課題で、十分な予算措置が求められます。

地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2020年9月20日付(第1860号)に掲載した、「新型コロナ感染症の医療機関への影響」(その4)の前半です。

9月10日、加藤厚労相は、日本医師会など18医療団体とオンライン形式で意見交換を行いました。その中で、医療機関の経営問題に触れ、「新型コロナウイルスに感染した患者への医療を含め、地域の医療提供体制を維持・確保するため、医療機関などの安定的な経営を確保する支援が重要」とし「予備費の活用も含め、必要な対策に取り組んでいく」ことを表明しました。

今回も、医療機関の経営問題について取り上げます。

9月10日に日本病院会は、4~6月の経営結果と合わせ、7月の状況についてアンケートを行い、結果を公表しました。

アンケートは、日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会合同で行っています。8月21日から1週間、3団体加盟の4496病院中、四半期調査に協力した病院から抽出した222病院が対象で、有効回答数は177。

「4月に大幅に減少した病院の外来患者・入院患者数は5月にはさらに悪化、6月に入り入院・外来患者数は回復傾向となり7月も回復傾向の継続か認められた。しかしその回復は小幅にとどまり、依然として対前年では入院・外来患者数とも大幅な減少が続いていた。その結果、医業損益の大幅な赤字の継続が確認された」としています。

地方により状況は異なりますが、「6月に入り回復傾向となったがその回復は小幅にとどまった」というのは大変深刻な事態です。

6月というのは医療機関の経営上重要です。休祝日がないため、診療日数が多い。企業検診が5月の連休明け頃から増えるため、検診受診者数や検診後の精査が増える。学校検診で異常を指摘され検査や治療に訪れる学童などが来院する。自治体によっては、検診(健康診査)が開始されるなどです。

検診などが延期されたりしたことが、大きく影響していると思われます。さらに、7月に入っても新型コロナ感染症が影響している実態が見て取れます。

GO TOキャンペーンが開始されました。

早速制度の不備が露呈しました。「毎日」によれば、以下の通り

政府の観光支援策「Go Toトラベル」を巡り、大手宿泊予約サイトで割引上限額を引き下げる動きが相次いでいる。10月から東京が割引対象となったことから利用者が急増し、国から各社に配分された予算が少なくなってきたことが原因と見られる。

1人1泊当たりの割引上限額を引き下げたのは、じゃらん▽一休・com▽ヤフートラベル。従来は最大「1万4000円」の割引だったが、10月10日以降に予約した旅行からは最大「3500円」まで引き下げた。

まあ、少し考えたらわかることで、東京だけが感染の中心ではないわけで、いつまでもキャンペーンから東京だけを除くことができないことは自明の理だと思います。

何か、思い付きの「経済政策」に振り回されているだけのように見えます。そもそも、感染症の最前線の医療・介護従事者は、観光目的で他県に移動するのもはばかられるし、そもそもそんな余裕はありません。僻目ではないのですが。やはりこういった時こそ「総合的俯瞰的に」判断してほしいものです。

GO TO EATキャンペーンが開始されました。オンライン飲食予約サイト経由で予約・来店をすれば、次回以降にキャンペーン参加飲食店で利用できるポイントを付与するというもので、昼食時間帯は500円分、夕食時間帯(15:00~)は1,000円分のポイントを付与するというものだそうです。

「だそうです」というのは、医療従事者として極力外食を控えているため、あまり興味がないからです。やむを得ず外食する時も、窓越しに客の数がわかる店、つまり、あまり客が入っていない店(失礼)か、空いている時間帯のうどん屋を選んでいますから。

ところが、安さが売り物の焼き鳥チェーンで、1品327円だけを注文し、差額の673円分のポイントを得ることができると、「錬金術」と評される人が話題になっています。あまりにひどいので、対応がなされるようですが、そもそも、少し考えたら問題点がわかるような仕組みをなぜ思いついたのか。うどん県・かがわのように、ワンコイン(500円)前後で昼食を取る生活をしていない人の思い付きではないかという気がします。

GO TO トラベルキャンペーンでも、「1泊20万円の豪華客室に制度を利用すると、1泊2食でなんと5万8千円の格安価格で泊まれます」と言われても、そもそもこの価格で利用できるのは、金銭的にも時間にも相当余裕のある人だけです。

経済の活性化は重要ですが、何かポイントがずれているのではないかと思います。

地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2020年8月9日付(第1857号)に掲載した、「新型コロナ感染症の医療機関への影響」(その3)の後半です。

公立・公的病院についての全国調査はいまのところ見当たりませんが、7月20日に「朝日」が「公立病院 コロナで経営難」と題する記事を掲載しています(以下、記事より引用)。

感染症指定医療機関で、新型コロナ感染症感染者8人を受け入れた東北地方の公立病院の例。6病床を感染者用に変更し、救急外来や健康診断の受け入れを制限、感染リスクを避けるため手術も縮小した。その結果、4月~5月の外来患者は前年より約25%減少し、5月の赤字は約1億円。国の補助は軽症者受け入れで1床あたり1万6千円、病院事務長は「赤字」と回答しています。

公立病院は医師不足による人件費高騰で約6割が赤字、そこにコロナ対応が重なり資金繰りが悪化しています。

西日本唯一の特定感染症指定医療機関、地方独立行政法人りんくう総合医療センターも4月以降の赤字が10億円超え、運営を支える泉佐野市がふるさと納税で寄付を募っていると報じています。

日本医師会は7月8日に「新型コロナウイルス感染症の病院経営への影響―医師会病院の場合―」と題する調査結果を公表しました。対象72病院中58病院が回答したもの。

3月~5月期でみると、対前年同期比で、入院と外来を合わせた総件数が17.2%減、総点数が8.9%減でした。外来は、総件数が17.7%減、総実日数が17.9%減(職員の感染で休診にした影響もある)でした。初診料は36.5%減、再診料または外来診療料(※)は23.8%減でした。明らかな受診抑制が現れています。医業・介護収入は、全体で10.1%減でした。

新型コロナ感染症に直接対応していない医療機関であっても、大きな経営的打撃を受けています。速やかに直接的な支援を求めるものです。

※外来診療料とは、再診時に200床以上の病院が算定する点数です。また、内服薬の投薬は長期投薬であっても実質90日程度までとされていますから、3カ月通期でみると、より正確に外来受診実態が把握できます。

地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2020年8月9日付(第1857号)に掲載した、「新型コロナ感染症の医療機関への影響」(その3)の前半です。

7月31日、新型コロナウイルスの感染者が全国で1500人を超えました。 医療機関の経営問題がマスメディアでも、やっと取り上げられるようになりました。

独立行政法人福祉医療機構が7月9日に「病院経営動向調査」を公表しました。病院経営動向調査モニターの対象となる375施設のうち83%の311施設が回答した結果です。

全国に緊急事態宣言が発令された4月は一般病院の74.3%が減収、5月は一般病院の8割強で減収、2割強の病院では減収幅が30%を超える見込みとしています。

「病院経営にとって想定をはるかに超える影響」で、1割減収が3カ月続けば「およそ25%の病院で資金繰りが苦しくなる」とし、「収益がすぐに改善するという見通しはたてにくく」「融資を含めた各種対応」を望んでいます。

医学部のある大学と病院でつくる全国医学部長病院長会議は、7月20日に、新型コロナ感染症の影響による経営実態を公表しました。それによると、4月と5月合わせて313億円の損失が出ています。

診療に伴う収入が前年同月比で、4月は収入が10.1%減、費用が0.2%増で191億円の赤字。5月は、収入が16.1%減、費用は4.2%減で122億円の赤字となりました。

外来患者は4月が21%減、5月が27%減、ベッドの利用率は、4月が11.6%減、5月が16.4%減となっています。手術件数の減少も4月は1万8千件(19%)、5月は2万8千件(31%)で経営的に大きな打撃になっています。

新型コロナ感染症にかかった患者さんや、家族、同僚、勤務先への嫌がらせや偏見・差別の例が絶えません。対応している医療機関やその職員、家族に対しても偏見・差別が絶えることなく、許せないことです。

本欄でも、4月14日(1109回)17日(1110回)8月28日(1137回)で、この問題を取り上げてきました。

日本看護協会の福井トシ子会長は4月22日、オンラインでの記者会見で、看護師やその家族に対する偏見や差別の現状を説明し、看護師への危険手当や、公費によるPCR検査の充実などを訴えました。

その中で、「感染者を受け入れる病棟が限られる中で、対応する看護師も単身者等の条件で選抜され、自らの感染・家族への感染が不安で精神的につらい」「妊娠を継続しながら医療機関で勤務しており、家族からは『出勤するな』と言われ、苦しい」などの声を紹介しました。

差別や偏見も、「患者を受け入れている医療機関の看護職の子供が、保育園の登園の自粛を求められた」「業務終了後、タクシーに乗車しようとした際、看護職という理由で乗車を拒否された」「夫が勤務先より休むよう言われた」「子供がいじめにあった」など、家族に対する差別や偏見の例も挙げられました。(以上、4月22日「読売」より)

9月14日の浜田知事の定例記者会見で、県内で発生した医療機関内での感染について、「昨日、医療従事者に関して、今回の感染をもって中傷が生じないようにお願いしたいという旨発言があった」がと問われ、「医師、看護師の皆さまが、医療従事者の皆さまが、このコロナの対応に当たっていただいている、また、コロナ以外についても、いろいろな影響が出ている中で、日夜対応していただいていることに、改めて感謝申し上げたいと思います」と回答しました。

行政のトップが、偏見や差別を行わないように県民に訴えるというのは大変大事なことだと思います。

前回、社会保険診療報酬支払基金のデータを紹介しました。全国保険医新聞の9月15日号に、支払基金と国保中央会のデータを合算した数字が掲載されています。これで、日本全体の医療の状況がほぼ100%近く把握できます。

それによると、医療費については、以下の通りです

入院 入院外 歯科
4月 -6.5% -14.0% -15.6%
5月 -10.1% -15.8% -15.7%

入院外とは外来と同じです。前回は「件数」つまり、外来患者数データでしたが、今回は収入そのものです。

どこの業界でも15%減というのは経営が続くどうかという致命的な影響を示す数値です。

このまま、医療機関の経営に直接的な支援がなければ、まさに「地域医療の崩壊」になりかねません。

これまで本欄に何度か、新型コロナ感染症のまん延が医療機関の経営に打撃を与えていることに触れてきました。今回は、日本全体でどうだったのか、という話題です。

社会保険診療報酬支払基金が、9月1日に「令和2年6月診療分の件数が前年同月比で13.6%減少」と6月の日本全体の医療のデータについて公表しました。このデータは協会けんぽや健保組合などの「勤め人」に関わる診療データです(これ以外に「国民保険」等のデータもあるのですが)。

前年同月比で、4月以降大幅な減少が続いていましたが、6月分は減少幅は縮小しています。とはいっても、総計で前年6月に比し件数は13.6%減、金額では3.9%減になっています。ただし、曜日の並びの関係で、土曜を含む平日が今年の方が昨年より多い、土曜は昨年の方が多い、ということですから、土曜が休日でも診療日でも、外来は今年の方が昨年より診療日数が多いわけで、それでも昨年より減っているということになります。

2月診療分でみると、インフルエンザの流行時期の関係で、今年は昨年より件数は3.0%増加していました。それが、3月は12.0%減、4月は22.9%減、5月は24.2%減、6月は13.6%減、ということになります。

このまま、医療機関の経営に直接的な支援がなければ、まさに「地域医療の崩壊」になりかねません。

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