第1197回:アジア太平洋地域保健協同組合協議会20周年のあゆみを記録する冊子を紹介します(その1)

APHCO(アジア太平洋地域保健協同組合協議会)は、1997年に結成されました。成り立ちについては、下記のアドレスを参照ください。

理事長のページ“飛来峰”第455回 インドで開催されたAPHCO(アジア・ 太平洋地域保健協同組合協議会)総会に参加しました(その1) (kagawa.coop)

2017年に20周年になりましたが、これまでの活動の記録を冊子にまとめることになりました。しかし、資料の収集などに手間取り、最終的には1997年~2019年の記録になりました。さらに、スリランカのテロ事件、新型コロナ感染症のまん延などで、対面によるAPHCOの理事会や総会も開けず、海外への郵送もままならない状態が続いています。

この冊子に私が寄稿した、「10年間の会長職で得た財産を活かし、更なる発展を目指す」と題する文章の原文(冊子には英語訳が掲載されています)を紹介します。前半部分です。

私が初めてAPHCO(アジア太平洋地域保健協同組合協議会)に参加したのは2011年10月にインド共和国ケララ州テリチェリで開催された、第8回総会でした。十分な準備の元に開催され、懇親の時にはお祭りの踊りを準備していただき、インドの文化の一端に触れることができました。

2011年は日本の東北沖に大地震と大津波が発生し、大変大きな被害を被った年です。APHCO加盟国をはじめ、アジアや世界から激励の言葉や支援をいただきました。総会では特別報告を行い、支援のお礼も述べました。

組織問題では、国際協同組合同盟(ICA)の専門組織である国際保健協同組合協議会(IHCO)の下部組織から独立した存在でありつつ、アジア・太平洋地域の保健協同組合として活動していくことが決定されました。また、会長が髙橋泰行医師から私に交代になりました。

2012年9月にスリランカのコロンボで理事会が開催されました。この年は国際協同組合年で、国連が定めた「協同組合がよりよい社会を築きます」のスローガンを意識して意見交流が行われました。また、それまで韓国からは医療生協「連帯」という組織が加盟していましたが、韓国医療生協連合会(現・韓国医療福祉社会的協同組合連合会)が設立されたため、引き続きAPHCOへの加盟を確認しました。

2013年10月にマレーシアのクアラルンプールで、総会が開催されました。2012年10月にカナダのケベックで開催された第4回国際保健協同組合・社会ケアフォーラムで、ヘルスプロモーション活動の重要性を確認し、「東京宣言」を引き継ぎ発展させた「ケベック宣言」を元に活動することになりました。

2014年10月に、日本の大阪市で理事会が開催されました。台風が近づく中で開催され、日本の活動報告について医学生などに広く呼びかけましたが、公共交通機関が運休したため理事会参加者のみの聴講となり残念でした。

2015年10月に、韓国のソウル市で総会が開催されました。4月にネパールで巨大地震が起き、広範囲にわたり市民生活に大きな影響を与え、フェクト・ネパール(phect-NEPAL)の施設をはじめ歴史的建造物も倒壊するなどしました。APHCOは加盟団体に支援を呼びかけ、IHCOにも情報提供を行い世界の保健協同組合が募金などの支援に取り組みました。APHCOの加盟国がまだ少なく、多くの国のAPHCOへの参加を呼びかけ、国際協力について検討が必要との認識が生まれました。

また、2014年にはエボラ出血熱が、2015年にはMERS(中東呼吸器症候群)が流行し、感染症の予防が世界の保健協同組合が果たすべき役割の一つであると確認されました。

総会後には「高齢化時代に備えた健康なまちづくりの推進戦略」と題するシンポジウムが開催され、どこの国でも高齢化が進行し、それに対する取り組みを交流することができました。

冊子の表紙です