日本医療福祉生活協同組合連合会の10周年記念誌に私が執筆した部分の後半を紹介します。タイトルは「医療福祉生協の理念」と「いのちの章典」をつくる、です。
全国的な討議を呼びかけるため、11年6月から「患者の権利章典のこれまでとこれから」と題するブックレットを2冊刊行し、全国で学習と討議を呼びかけました。東日本大震災のため議論が一時中断しましたが、11年7月からは委員を補充し、理念策定小委員会として議論を進めました。12年1月には「『医療福祉生協のいのちをまもり健康をはぐくむ章典』(仮称)の検討・制定を進めます」と題した、意見集約のためのはがき付きのパンフレットを発行しました。
しかし、全国での討議状況や東西2か所で行った集会で出た意見、専務会議の意見等を受け、13年6月総会で「医療福祉生協の理念」(以下、「理念」)とともに採択を目指しさらに検討を進めることになりました。そのため、ブックレットをさらに2冊、連合会設立以前のものを含めると計6冊発行しました。
12年6月の総会で、「医療福祉生協のいのちの章典」(案)を提案し、「権利章典」と「介護」を発展させた文書として1年間全国討議を行い、13年の総会で「理念」と共に決定することを明確にしました。具体的な文案を明確にしたパンフレットを発行し、意見集約を行いました。12年10月には、「紙芝居」で「いのちの章典」(案)の普及を行い、外部の意見も聞くために、13年3月には「いのちの章典・理念シンポジウム」を開催し、「世界の先進」「議論も大事だが実践を」の声をいただきました。この間、71生協1万5千人以上が討議に参加しました。私自身も12年の総会で提案してから1年間で地元香川の分を含め24回講演を行っています。「権利章典」制定時の討議に比べ、参加人数の面でも、地域組合員の参加数の面でも大きな前進であったと思います。
13年6月総会で、「いのちの章典」と「医療福祉生協の理念」を決定しました。「健康をつくる。平和をつくる。いのち輝く社会をつくる。」これに続く文章をふくめた文章全体が「理念」ですが、この最初のフレーズは、医療部会時代に作ったTシャツやブルゾンの背に書かれていた、「健康をつくる。平和をつくる。」がベースになっています。日本国憲法が規定した、健康で文化的に生きる権利、平和にくらす権利を表したものです。また、「設立趣意書」記された「人権の尊重と社会保障の充実をめざして行動します。いのちと健康を脅かす戦争に反対して行動します。そして健康で平和な日本社会の実現をめざします」を反映したものです。
「いのちの章典」も「理念」も、憲法9条・13条・25条の内容を具体化したものです。医療福祉生協がさらに前進するために、さらなる実践が求められているのではないでしょうか。