毎週火曜日・金曜日更新予定。理事長ブログ

飛来峰記事

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地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイトルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2019年10月20日付(第1828号)に掲載した、「国民健康保険制度を考える」(その5)の前半です。

前回(第1062-1063回)は戦前の国民保険制度の黎明期について触れました。

戦前の国民健康保険制度の成立の背景について、「全国保険医新聞」17年3月25日号の記事(※)から引用します。
 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

戦前の国民健康保険法は38年に施行されました。……兵士の多くは農民であり、特に東北は陸軍から「良兵産出地帯」などと揶揄されていましたが、農村地帯は貧困かつ「無医村」であり、医療は手の届くところにはありませんでした。……政府はそれまで農民の健康状態には全く無関心でしたが、徴兵検査で全国的に甲種合格率が下がったことに危機感を持ち、農民の医療保障に初めて関心を持ったのです。
 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

戦争が終わり、46年11月3日公布、47年5月3日施行で現在の日本国憲法がスタートします。

憲法25条には「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と定められています。

憲法とは国民の守る義務を定めたものではなく、国家権力(政治家や公務員など「権力者」)を縛る規範です。

その後国保法改正が続き、48年の第3次改正で、戦前の任意設立の「国民健康保険組合」から市町村公営の原則、市町村内の世帯主または同一事業者などの従事者の「任意加入」から被用者でない住民の強制加入が定められるという変更が行われました。

57年には「国民健康保険全国普及4ヵ年計画」が発足し、58年に国保法の全面改正が行われ、被用者保険に加入していない人は全て、国民健康保険制度に加入することになり、国民皆保険制度が実施されることになりました。

これに先立ち、55年には岩手県が、戦前の医療利用組合をもとにして、健康保険の100%加入を達成しています。

※「大転換する国保―社会保障としての国民健康保険―」寺内順子(大阪社保協事務局長)

2020年は医療費の定価を示す診療報酬の改定の年です。財務省は11月1日に開催した財政制度審議会財政制度分科会の中で、「国民医療費は過去10年間で平均2.4%/年のペースで増加。このうち、高齢化等の要因による増加は平均1.1%/年であり、残りの半分程度は人口増減や高齢化の影響とは関係のない要素によるもの」とし、診療報酬の引き下げを提案しました。

しかし、一方で医療保険を支える財源として「公費については、既に国債発行に大きく依存し、将来世代につけ回しを行っている」としました。

しかし、政府・厚労省はこれまで、消費税は社会保障の充実にために使う説明してきました。消費税を8%から10%に引き上げたとたん、医療費は国債による借金で賄っているといい始めました。

これほどおかしな話はありません。社会保障財源を確保するのは憲法25条に定めた「健康で文化的な生活」を保障する国の責務です。いまこそ、社会保障の充実をの声を上げていく必要があります。

香川県保険医協会は11月28日の定例理事会で、オスプレイ飛行等の日米合同訓練に対する抗議文を採択したので紹介します。

この問題は、単に一地域の問題ではなく、国民の命と安全にかかわるものです。さまざまな団体・個人が声を上げていくことが重要です。

米軍再編に係る訓練移転に関する訓練に抗議します

2019年11月28日

11月14日、「米軍再編に係る訓練移転に関する訓練計画(日米共同訓練)」の説明が、訓練が行われる地元の坂出市で行われたと報じられました。

訓練期間は、本年12月1日から13日、場所は坂出市と高松市にまたがって広がる国分台演習場とされ、訓練ではオスプレイ(MV-22)が4機程度使用される内容となっています。香川県内にオスプレイが飛来するのは初めてで、四国内での訓練は初めてです。

一昨年(2017年)12月13日に、沖縄県名護市沿岸に墜落する大事故を起こしたオスプレイを、訓練に使用することについて、香川県をはじめ地元自治体や住民は非常に困惑し、不安を訴えています。訓練場所付近は、教育関係施設や観光施設、寺院が存在しており、また、収穫期を迎えたミカン農場が広がる場所です。本来は多くの人々が娯楽、観光、研修などに訪れる平和な場所です。

森田中国四国防衛局長は、機体の安全確認は防衛庁がしている旨の発言をしていますが、「『オスプレイにリスク』エンジン改善を勧告 米監査機関が報告書」との報道もあります。また、オスプレイは開発段階で事故が多発したことから、安全性を疑問視・憂慮する声が米国内でもあがっています。

何よりも、オスプレイは単なる輸送機ではなく、敵地に潜入して偵察や破壊活動、要人の殺害や拉致、爆撃や空挺作戦の誘導を行うなどを任務とする兵器です。今回、訓練に使用されるMV-22は海兵隊用の機材で、既に岩国基地において夜間潜入訓練を行っており、基本的な任務は同様です。

任務も、機体の安全も、また沖縄同様の事故発生の危険も併せ持った、オスプレイによる日米合同訓練に、人間の生命と健康を守る医師・歯科医師は、国民の健康と生命を脅かすオスプレイの飛行に、断固として反対します。

私たち香川県の保険医は、日本政府が日米地位協定など、日米同盟最優先の態度・方針を改めるよう求めるとともに、オスプレイを使用する合同訓練に強く抗議します。

マイナンバーカードの「普及」に向けた政府の動きを、日経新聞から引用します。

■8/13付け

政府はマイナンバーカードを健康保険証として使えるように登録した人を対象に、買い物で現金の代わりに利用できるポイントを付与する検討に入った。ポイント付与という動機づけを与えてカードの取得者増と普及を狙う。

マイナンバーカードは2021年3月から健康保険証として使えるようになる。そのための利用登録を20年春から始める。ポイント付与は21年3月の制度開始前の一定期間に登録した人を対象にする見通しだ。

■9/3付け

政府は3日、デジタル・ガバメント閣僚会議を開き、マイナンバーカードの普及に向けた具体策を示した。10月の消費税増税に伴い2020年度に導入するポイント制度は、自治体ごとではなく全国共通のしくみとし、利便性を高める。地方公務員には19年度中にカード取得を実質義務化する。

マイナンバーカードは、セキュリティ対策が万全なのか、カードを紛失した時の対応はどうか、認知症の方のカード管理をどうするかなど、国民の不安が大きいためもあってか、10数%しか普及していません。

医療保険証代わりに使えるといっても、マイナンバーに紐づければ、医療保険や介護保険の保険料の納入・利用状況、年金の納付状況や受取額など、個人情報を、国が一括管理できる訳で、率直に言って不安が隠せません。

あくまで、個人の意思に基づき申請すればよいわけで、事実上の強制につながる制度はやめるべきです。

11月24日、来日したローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇が、長崎市の爆心地公園で「核兵器についてのメッセージ」と題するスピーチを行い、大きな感動を呼びました。

・この場所は、わたしたち人間が過ちを犯しうる存在であるということを、悲しみと恐れとともに意識させてくれます

・人の心にあるもっとも深い望みの一つは、平和と安定への望みです。核兵器や大量破壊兵器を所有することは、この望みへの最良のこたえではありません

・ここは、核兵器が人道的にも環境にも悲劇的な結末をもたらすことの証人である町です。そして、軍備拡張競争に反対する声は、小さくともつねに上がっています。軍備拡張競争は、貴重な資源の無駄遣いです

・核兵器から解放された平和な世界。それは、あらゆる場所で、数え切れないほどの人が熱望していることです。この理想を実現するには、すべての人の参加が必要です。個々人、宗教団体、市民社会、核兵器保有国も、非保有国も、軍隊も民間も、国際機関もそうです。核兵器の脅威に対しては、一致団結して応じなくてはなりません

・核兵器のない世界が可能であり必要であるという確信をもって、政治をつかさどる指導者の皆さんにお願いします。核兵器は、今日の国際的また国家の、安全保障への脅威からわたしたちを守ってくれるものではない、そう心に刻んでください

フランシスコ教皇を招いた日本政府は、この声にこたえ速やかに「核兵器禁止条約」の批准を行うべきです。

バチカン市国の国境線です

11月14日防衛省は、12月に香川県で米海兵隊と陸上自衛隊による共同の実動訓練を実施すると以下の内容で発表しました。香川県・高松市・坂出市には突然の通告だったようです。

「米軍再編に係る訓練移転(回転翼機及びティルト・ローター機等の沖縄県外への訓練移転)に関する訓練計画概要について、以下のとおりとなりましたので、お知らせします。

今回の訓練移転は、平成28年9月1日付の日米合同委員会合意に基づき、沖縄県外での訓練の一層の推進を図り、訓練活動に伴う沖縄の負担を軽減するため、現在普天間飛行場に所在するティルト・ローター機等の訓練活動を沖縄県外に移転し、国内における米海兵隊との実動訓練(フォレストライト(MA))に組み込んで実施するものであり、今回で訓練移転は8回目(国内7回、グアム等1回)となります」

九条の会・香川県医療者の会 共同代表の太田展生医師(香川県保険医協会理事長)と、核兵器廃絶をめざす香川県医師歯科医師の会 共同代表の私の連名で、11月19日に、以下の抗議声明を発出しました。

なお、香川民医連会長と香川医療生協理事長の連名での抗議声明は【声明】欄に掲載しています。

11月14日、米軍再編に係る訓練移転に関する訓練計画(日米共同訓練)の説明が、訓練の行われる地元の坂出市で行われたと報じられた。

訓練期間は本年12月1日から13日、坂出市と高松市に所存する国分台演習場とされ、訓練ではオスプレイ(MV-22)が4機程度使用される内容となっている。香川県内にオスプレイが飛来するのは初めてである。

一昨年(2017年)12月13日に、沖縄県名護市沿岸に墜落する大事故を起こしたオスプレイを、訓練に使用することについて香川県も困惑している。森田中国四国防衛局長は、機体の安全確認は防衛庁がしている旨の発言をしているが、「『オスプレイにリスク』エンジン改善を勧告 米監査機関が報告書」との報道もある。また、オスプレイは開発段階で事故が多発したことから安全性を疑問視する声が米国内でもある。

何よりもオスプレイのCV-22は単なる輸送機ではなく、敵地に潜入して偵察や破壊活動、要人の殺害や拉致、爆撃や空挺作戦の誘導を行うなどを任務としている。今回訓練に使用される予定のMV-22は海兵隊用の機材であるものの、既に岩国基地に来て夜間潜入訓練を行っており、基本的な任務は同様といえる。

任務も、機体の安全も、また沖縄同様の事故発生の危険も併せ持った、オスプレイによる日米合同訓練に、人間の生命と健康を守る医師・歯科医師は、国民の健康と生命を脅かすオスプレイの飛行に断固として反対する。日本政府は日米同盟最優先の態度、方針を改めるよう強く求め抗議する。

11月12日に香川県のアスベスト対策について、香川民医連と香川アスベスト被害者を守る友の会で、県の環境森林部環境管理課の方と懇談を行いました。

私は香川アスベスト被害者を守る友の会の会長の立場から、40年近いアスベスト問題に対する活動をかいつまんで紹介しました。事前に民医連医療2006年5月号に私が書いた「香川民医連におけるじん肺・アスベスト問題に対する取り組み」を渡ししておき、これまでの取り組みを理解していただいたので話し合いはスムーズに進みました。

アスベスト対策は地方自治体の取り組みが中心となりますが、都道府県レベルで地方独自に条例を定めているのは10都府県(2015年時点)で、香川県もその一つです。

アスベストは飛散のしやすさについてレベルを設定し、吹き付け石綿などの飛散しやすいものをレベル1、屋根瓦として用いられる「スレート」、外壁材となっている「サイディング」、断熱材への使用などがレベル3で、日常生活において飛散の心配はありませんが、大震災、この夏の水害などで被災した建物を処分する際には、飛散する可能性があります。したがって、規制はレベル3まで決めておかないと東南海地震や水害など、香川県でも問題が発生する可能性があります。

2015年現在で、都道府県レベルでレベル3まで対応した条例を作っているのは、大阪府、兵庫県、鳥取県の3府県です。

条例を作っていることは大きく評価しながら、レベル3対応の条例を作るべきであることを強調しておきました。

県の取り組みをいろいろ伺うこともでき有意義な懇談になりました。引き続き自治体との懇談など積極的な提案を行う活動をすすめていきたいと思います。

県庁の会議室をお借りして懇談しました

11月14日、四国こどもとおとなの医療センターの4Fこもれびホールで、第15回地域連携懇談会(香川県看護協会第6支部、四国こどもとおとなの医療センター、香川医療生協善通寺診療所・訪問看護ステーションほがらか・訪問ヘルパーステーションほがらか共催)が開催され、21の事業所から82名が参加し、熱心な討議が行われました。

開会あいさつは、四国こどもとおとなの医療センターの地域医療連携室の東野恒作先生が行い、「病院と地域の医療・介護事業者が連携できる、顔の見える関係を作ろう」と呼びかけました。

今回から、香川県看護協会第6支部(善通寺市、丸亀市綾歌町、綾川町、琴平町、まんのう町)との共催に変わりました。看護協会の活動を紹介したもらうために、今年の6月総会で新たに会長に就任した、安藤幸代さんから講演をいただきました。

看護協会の19年度重点課題は、以下の4点です。

Ⅰ.地域包括ケアにおける看護の機能強化

Ⅱ.看護職の働き方改革の推進

Ⅲ.少子超高齢社会で活躍する人材育成

Ⅳ.看護政策について熟知し、政策実現活動に参画

この4本柱に合わせて講演して頂きました。

そのあと、12のグループにわかれグループワークを行い、交流を深めました。詳細は、後日報告しますが、閉会あいさつで、私は以下のように述べました。

・この取り組みも8年目に入った。継続は力なりだと感じている

・厚労省の書いた地域包括ケアシステムの図には、病院や診療所の関係を実線でつないでいるが、実態はそうではなく点線になっているではないか

・病院は患者を退院させたらそれでいったん終了。診療所は入院になったらそれで終わり、となっているのが実態

・この「点線」を「実線」に変えていくために、顔の見える連携を進めよう

次回は、2020年4月23日の予定です。

会場の様子です

11月1日に開催された財政制度等審議会財政制度分科会について、増田寛也分科会会長代理(東京大学公共政策大学院客員教授元・岩手県知事・総務大臣)は、記者会見で委員の意見を公表しました。(m3.com より引用)

  • 受診時定額負担には賛成。
  • 後期高齢者の窓口負担は能力に応じた負担とすることが必要。
  • 新たに75歳になる人の自己負担割合を2割で維持することは、2022年から団塊の世代が後期高齢者になることを踏まえると、先送りはできない。
  • 全世代型社会保障の改革ということで議論が進められているが、若い世代の負担の抑制が鍵になるのではないか。新たに75歳になる患者の2割負担を維持することと、現役並み所得の判断基準の見直しは重要性が高く、早期に実行するべきだ。
  • 高額医療の在り方について、費用対効果をよく見て選定していく必要がある。
  • 保険制度のリスクをカバーしていくためのものとして、受診時定額負担をぜひ導入するべきだ。診療報酬は本体部分の抑制に手をつけるべきだ。
  • 薬剤の保険給付範囲の見直しは、給付の中身を適正化する観点から進めるべきだ。

など、負担増の議論になっています。議論はこれからですから、現場の声を出していく必要があります。

10月20日に開催された、第12回APHCO(アジア太平洋地域保健協同組合協議会)総会の日本からの報告(大要)を紹介します。報告者は髙橋淳APHCO理事(医療福祉生協連代表理事会長理事)です。

日本では7月に参議院選挙が行われた。安倍政権は憲法9条に自衛隊を明記する改正案を発議しようとしているが、改正に賛成する議員の議席を3分の2以上獲得することができなかった。医療福祉生協連は憲法改正により自衛隊の無制限な海外の武力行使につながることに反対の立場を表明してきた。あらゆる武力行使に反対する立場に変わりはない。

医療福祉生協連は2030年のありたい姿、ビジョンを作成中である。テーマは「誰もが健康でくらせるまちへの挑戦」である。提案は4つの項目にまとめられている。

1番目は「地域に人と人のつながる場があふれ、誰もが人生を明るく、楽しく生きるための健康づくり、まちづくりをすすめています」

2番目は「安全・安心で満足できる事業を地域の組合員と職員の協同で創り出し、多くの人が利用しています」

3番目は「組合員や地域の健康とくらしを支えるために必要な利益をうみだす経営を実現しています。人がつどい、ともに学びあい、発展し続ける組織を目指します」

4番目は「人権・信条・ジェンダー・世代・社会的経済的背景の異なる人々が、互いに尊重し合う平和な社会をつくるため、積極的な役割をはたしています」

日本は世界で最もすすんだ高齢社会と少子化に直面している。認知症や障がいをもつ人の比率がどんどん上昇している。社会経済的な格差が拡大し、貧困の世代間連鎖が将来の国の基盤をゆるがしている。

医療福祉生協連は日本国憲法の精神にもとづき、政府や自治体が適切な税収と所得再分配政策を採用すべきと考えている。同時に住民が主体となりまちづくりをしていくこともきわめて重要であり、私たちの活動が日本社会に大きく貢献することを望んでいる。

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