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飛来峰記事

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朝日新聞が、「全国の国立大病院42カ所で」「消費税を診療費に十分転嫁できず、2014 ~ 18年の5年間に計969億円を病院側が負担していることがわかった」と報じました。

記事によると「税率が8%になった14~18年の5年間で計969億円に上った。私大の付属病院などでも同様の傾向と見られる」としました。

本欄第743回(2015年8月25日)付け(※)で、「消費税が8%になり、多くの医療機関が経営が苦しくなっているのは事実であり、このまま10%増税には到底耐えられないという声が大きい」と指摘しました。

消費税増税は行うべきではありません。

※下記のアドレスを参照ください
https://hiraihou.t-heiwa.com/?p=941

地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイトルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2019年7月21日付(第1819号)に掲載した、「国民健康保険制度を考える」(その2)の後半です。

その一方で、自治体が関与することにより、住民自治によりうまくコントロールできる可能性があるという点もあります。

「行政」といっても最初から誰かが権力を持っている訳ではありません。地域の実情に応じて様々なやり方があり、「住民自治」で、住民本位の運営が可能になる可能性を秘めている訳です。

その典型例が、岩手県の豪雪地帯にある沢内村の実践です。

「厚生の指標」第56巻第8号(2009年8月)に掲載された「生命行政の検証-岩手県旧沢内村(現西和賀町)の老人医療費無料化が村におよぼした影響-」(※2)によれば、「沢内村は昭和35年12月から65歳以上,昭和36年4月から60歳以上と乳児の医療費無料化を実施した。しかし,昭和34年に国民健康保険法の実施に伴い特定地域の10割給付について県および行政機関から沢内の医療費無料化策は攻撃された」。

当時の深沢村長は「国民健康保険法に違反するかもしれない……憲法違反にはなりませんよ。国民の命を守るのは国ですよ。国がやらないのであれば私がやりましょう。国は必ず後からついて来ますよ」と反論したそうです。

また、同時に豪雪に対してはブルドーザーによる除雪などに力を入れ、積極的な保健師の採用や乳児健診を展開しました。

つまり、国民健康保険制度の仕組みの根幹には民主主義があるということです。

「社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的」とするという面で考えれば、住民自治が機能して、国保を中心に保健行政を住民本位に変革することができたら、住民の健康・福祉が大きく前進するということを実証した典型例だと思います。

※2鈴木るり子岩手看護短期大学専攻科地域看護学専攻教授

地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイトルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2019年7月21日付(第1819号)に掲載した、「国民健康保険制度を考える」(その2)の前半です。

さて、しばらく「国民健康保険制度」(以下、国保)について、考えていきたいと思います。

社会保険庁(※)は廃止される直前まで発行していた、「社会保険の手引き」の中で、日本の社会保険の特徴は5つあると説明しています。

①勤労国民の相互扶助を目的とする

②勤労者の福祉に対する企業主の責任を果たす

③国が責任をもって運営する

④法律で加入を義務付ける

⑤所得に応じて保険料を負担し、必要に応じて給付を受ける。

これは明らかに生命保険会社や損害保険会社が提供する私的保険とは異なります。

勤労者も負担し、企業も負担し、国も負担するという形になっており、国保の場合は、国民も負担し、自治体も負担することになります。

58年に施行された「国民健康保険法」は、(この法律の目的)として、第一条で「この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もつて社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする」としています。

「事業の健全な運営を確保」できれば問題はありませんが、確保できない、つまり自治体が大赤字になったら住民負担が際限なく増えてくるという構図になる訳です。
 
 ※社会保険庁は、年金未納や年金記録消失など不祥事が発覚したため、2009年(平成21年)末に廃止され、特殊法人の日本年金機構と全国健康保険協会(協会けんぽ)に業務が移管されました。

就職情報サイト「リクナビ」を運営するリクルートキャリアが、サイトを利用していた就活学生の「内定辞退率」を、人工知能(AI)をもとに予測し、38社に有償で提供していたことがわかりました。

利用者のサイト閲覧内容を、企業に有償で、つまりリクルートキャリア社の金もうけの道具として利用することがあるということは、同意を得ていません。このことは、IT時代の危うさを示すと同時に、金で情報を買っていた38社の企業倫理にも大きな疑問を持つ問題です。

医療福祉生協は、「医療福祉生協のいのちの章典」で、<自己情報のコントロールに関する権利>として、「私たちは、個人情報が保護されると同時に、本人の同意のもとに適切に利用することができるようにします」としました。

この事件を予測したわけではありませんが、個人の様々な情報(自己情報)を利用することは個人の同意のもとに行うべきであるという、私たちのスタンスを明確にしたものです。

こういう事件が起きた今、「いのちの章典」の内容を多くの人たちに知ってもらう必要があるのではないか、金で情報のやり取りをする企業倫理、今回でいえばリクルートキャリア社、情報を買った38社の倫理上の問題を問うていく必要があると思います。

7月28日に神戸市長田区で、「いのちの章典」と「理念」――「ガイドライン」を活用し実践しよう、題すると講演を行いました。地域の組員さんを中心に136名の方に参加していただきました。

内容は、協同組合と生活協同組合について、「医療生協の患者の権利章典」と「医療生協の介護」が果たした役割、「医療福祉生協のいのちの章典」の果たす役割、「いのちの章典実践ガイドライン」のもつ意味、何より実践が重要であることなどを、全国各地の実践を交えて講演しました。

講演後のアンケートでは、

・色々考え、研究し調べられてつくられたことがわかり、内容をかみしめ実践しないといけないと思いました。

・カルテ開示(知る権利)、自己決定権 の重要性を再認識した。

・「協同組合の思想と実践」はユネスコの「無形文化遺産」 初めて聞いた、感動!!

・「組合員は応援団ではなく、主体者である」→「組合に入ってくれるだけでいい」ではいけない。おしつけでなく、組合員が興味をもち動き始めるイベント、班活動等必要。

などの感想が寄せられました。

香川県保険医協会報2019年7月20日号(No.416)の「主張」欄に、「社会保障改善の取り組みに力を入れましょう」という文章を書いたので、転載します。

この文章は参院選投票日直前に書いたので、選挙情勢については殆ど触れていません。

今後の社会保障について考えてみたいと思います。

10月からの消費税増税は「骨太方針2019」に明記されました。安倍首相は参院選で、「税収は今年、過去最高」「バブル時代も超えた」と演説しました。一般会計の総税収は1990年に比べ60.1兆円から60.4兆円に伸びましたが、法人税は33%減、所得税は23%減少、消費税は284%増で、3.8倍になったことが主因です。

消費税は「社会保障に対する安定的な財源を確保する」ためといいますが、第2次安倍内閣以来の7年間、社会保障費は4兆円余り削減され、この先も社会保障の給付抑制、負担増を実施する計画が目白押しです。

「骨太方針2018」では、「後期高齢者の窓口負担の在り方について検討する。介護のケアプラン作成、多床室室料、介護の軽度者への生活援助サービスについて、給付の在り方を検討する」とし、具体的には、75歳以上の医療費の窓口負担の原則2割化、受診時定額負担、薬剤負担の見直しなどが本格化されます。

5月に成立した医療保険制度等の改革法では、マイナンバーカードを、保険証利用時の本人確認と資格確認に利用することを強制しかねない仕組みが作られました。

介護保険では、要介護1・2の利用者の生活援助の保険外し(総合事業への移行)や、利用料2割負担化が検討され、19年末には結論を得るとされています。

国民健康保険制度の都道府県統一化が行われましたが、法定外繰入等の解消が求められ、今でも高すぎる保険料負担がさらに増えていくことが懸念されます。

参院選直前に争点となった年金の問題もあります。年金受給開始の時期については、70歳以降も選択できるよう範囲を拡大する。年金もマクロ経済スライドの実施で給付を抑制し、2043年の基礎年金給付額が7兆円の削減となることが明らかになっています。

消費税増税をこのまま許すのか、社会保障分野での改悪を許すのかが大きな問題になります。この秋、国民的な運動を広げていく必要があります。

善通寺市が発行する「広報ぜんつうじ」7月号の、ドクターからのアドバイス欄に「口の健康について」という文章を寄稿しましたので紹介します。善通寺医師会員が順番に寄稿するもので、2 ~ 3年に1回の割で回ってくるものです。

高齢化に伴い、徐々に体が弱り始めます。しかし、ある日突然介護が必要になるわけではありません。自立と、介護が必要となるまでの、中間的な状態があります。これを、「虚弱」状態を意味する英語のフレイルティから、「フレイル」と呼びます。

フレイル状態になるのを予防する取り組みでは、社会性が大事だといわれます。一人で運動するより、家族や仲間と運動するほうが効果的です。一人で食事するよりも、誰かと一緒に食事する方が効果があります。

栄養も大事ですが、とりわけ「口の健康」が重要です。「人は口から衰える」という言葉があります。高齢者が肺炎で入院すると、食事が誤って気管に入る(誤嚥)のを防ぐために入れ歯が外されます。これが長く続くと、口元がたるむ、口腔内(※)が乾燥する、舌も動きにくくなる、ますます呑み込みができにくくなります。

少し極端な例をだしましたが、口の健康、口腔機能は、健康で長生きするためには大変重要なことです。この口腔機能の低下を、オーラルフレイル、と呼びます。

オーラルフレイルに対する取り組みで最近話題になっているのが、「あいうべ体操」です。福岡市の今井医師が提唱したもので、大きく口を開けて「あ」「い」「う」といって、最後に「べ」と舌を前に突き出します。声に出す必要はありませんが、みんなで声を出す体操も楽しいかもしれません。

口の周りの筋肉や舌の運動を行うのが目的ですから「体操」と呼びます。これを1回10セット、1日3回行うと効果があります。小学校で実践したら、インフルエンザによる学級閉鎖が減ったという報告もあります(手洗いやうがいは当然ですが)。

※「口腔」の読みは正しくは「こうこう」ですが、医学の世界では「こうくう」と言います。

前回の文章は以下のアドレスを参照ください。
https://hiraihou.t-heiwa.com/?p=1815

7月17日に名古屋市の北医療生協、すまいるハートビルの2階で、「いのちの章典」と「理念」――「ガイドライン」を活用し実践しよう、題すると講演を行いました。北医療生協の職員教育の一環で「キラキラ集会」と題したもので、67名の参加で行われました。

内容は、協同組合と生活協同組合について、「医療生協の患者の権利章典」と「医療生協の介護」が果たした役割、「医療福祉生協のいのちの章典」の果たす役割、「いのちの章典実践ガイドライン」のもつ意味、何より実践が重要であることなどを、全国各地の実践を交えて講演しました。

・今後の業務にいのちの章典のこの部分だなと思いながら仕事をしたい

・具体的な話を聞くことができた

・自分たちが普段やっていることが、いのちの章典に繋がっていることもあるんだと思いました

・実際に行っていること、当たり前のことがいのちの章典に繋がるのは、改めて実感しました

などの感想が寄せられました。

7月6日に香川医療生協研修室で、「香川アスベスト被害者を守る友の会」の第8回総会が開かれました。記念講演として、立命館大学政策科学部の森裕之教授の「自然災害とアスベスト被害」と題する講演が行われ、20人余りが参加しました。

立命館大学・森裕之教授の記念講演です

森先生は、2018年9月に開催された、医療福祉生協連の2018年度トップセミナーで、「縮小社会政策と今後の取り組み」と題する講演をいただいたことがあり、アスベスト被害の研究者でもあることから、今回講演をお願いすることにしました。

アスベストの7 ~ 8割が建設関係に使用されたことから、日常的に建築物の解体や改修時にはアスベストを含む粉塵が飛散しやすいこと、阪神・淡路大震災や東日本大震災などではこういった問題が広範囲に起きる危険性を指摘しました。

法律などが整備されてきているが、法律は大まかな枠組みを決めるだけなので、市町村レベルでの細かな条例などを整備する必要がある。これからは自治体に対して、実効ある対策を求めていく必要がある。今後も大震災や・洪水などの自然災害、人口減少に伴う公共施設の統廃合に伴う建物の解体や撤去、空き家の増加、水道施設の老朽化に伴う対応など、アスベストに関する問題は大きくなる。しかし、アスベスト問題は大きく取り上げられることはあまりなくなった。引き続き取り上げていく必要がある、と結びました。

大変示唆に富む内容で、これからの私たちの運動に有用な講演でした。

6月23日に高松市内で、香川県保険医協会の第38回定期総会が開催されました。その席上で採択された「決議」の個別要求項目を紹介します。

一 医療・介護・年金等の社会保障の抑制・削減方針を転換し充実させること

一 75歳以上の窓口負担2割化など新たな患者負担増計画は止めること

一 よりよい歯科医療を実現するため、保険のきく歯科治療を増やすこと

一 消費税10%への増税は中止し、医療への消費税課税には「ゼロ税率」を適用すること

一 不合理点数を是正し、適切な医療・介護体制が提供できるよう診療報酬・介護報酬を大幅に引き上げること

一 審査、指導、監査等は、保険医の人権と患者の療養権が確保されるよう改善すること

一 国民生活を守るため、憲法9条・25条を始め日本国憲法を守ること

一 すべての原発を廃炉にし、原発に依存しないエネルギー政策に転換すること

一 憲法違反の「安保法制」「共謀罪」法は廃止すること

以上、決議する

2019年6月23日 香川県保険医協会 第38回定期総会

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