毎週火曜日・金曜日更新予定。理事長ブログ

飛来峰記事

1 2 3 34

地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイトルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2019年1月20日付(第1803号)に掲載した、「入院から在宅へ」の流れを考える(その9)の前半です。

医療保険の「定価」を決める診療報酬は2年に1回、介護保険の「定価」を決める介護報酬は3年に1回改定されます。介護保険の開始は2000年で、この年に診療報酬の改定がありましたから、それ以来、06年、12年、18年に医療・介護報酬の同時改定が行われました。

12年の医療・介護の同時改定は、「社会保障と税の一体改革」の一環として行われ、団塊の世代が75歳を超える2025年に向けて、医療費の抑制と医療への国の支出を抑えることを最大の狙いとしていました。

14年改定は、これをさらに進めるものとなりました。具体的には入院医療機関の病床機能を高度急性期、一般急性期、亜急性期、慢性期へと機能別に再編し、高度急性期から在宅への流れを強めることにより病床数や入院患者数の削減を狙うものとなっています。しばらく14改定の特徴をふりかえってみます。

急性期医療を担う7対1入院基本料の施設基準に「自宅や在宅復帰機能を持つ病棟、介護施設に退院した患者の比率が75%以上であること」という基準が追加されました。つまり、自宅に直接帰るのが難しい場合は、転院先から容易に自宅に帰れるような仕組みを作ったということになります。

在宅復帰機能を持つ病棟とは「回復期リハビリテーション病棟」「地域包括ケア病棟」「在宅復帰機能強化加算を届けている療養病棟」のことです。介護施設とは「居住系介護施設」と、詳細は略しますが「(一部の)介護老人保健施設」です。

いずれにしても、「川上」から「川下」へ患者の「流れ」をつくる施設体系を整備した訳です。

(次号に続く)

2月13日に開催された第408回中医協(中央社会保険医療協議会)は、10月に予定されている消費税増税に対応した、2019年10月からの診療報酬の引き上げを根本厚労相に答申しました。

初診料は282点から6点アップの288点、再診料は72点から1点アップの73点とするものです。消費税対応分は、初診料288点のうち18点(上乗せ率6.7%)、再診料73点のうち4点(上乗せ率5.8%)とされます。詳細は略しますが、入院料も引き上げになりました。

2018年11月6日付本欄(第1003回)で触れましたが、2014年4月に消費税率が5%から8%に引き上げられたときに、医療機関の消費税負担については「診療報酬の引き上げで対応した」と説明されていました。しかし、実際はきちんと対応できておらず、医療機関が消費税増税の負担をしていたことが明らかになりました。

そこで、今回、「消費税対応分」として、5%から8%に引き上げられた時の不足分を上乗せして診療報酬を引き上げたため、「5%から10%への引上げに対応する」、という意味で「消費税対応分」と説明している訳です。

しかし、医療には消費税がかからないというのが消費税法の前提なのに、消費税引き上げのたびに患者負担が増えるのは、国民目線からみて納得できるものではありません。また、医療機関にとっても医療機関だけが消費税負担を強いられるのもたまったものではありません。

診療報酬対応ではなく、仕入れにかかる消費税を還付する「消費税ゼロ税率」政策に切り替えるべきだと思います。

※消費税ゼロ税率については、下記のアドレスを参照ください。
https://hodanren.doc-net.or.jp/news/iryounews/150905_zerozeiritu.html

医療福祉生協連は、2014年6月に開催した第4回通常総会で、「医療福祉生協の2020年ビジョン」を採択しました。2020年の第10回総会で、新たなビジョンとして「医療福祉生協の2020年ビジョン」を策定するために委員会を立ち上げ、準備中です。

2月2日(土)の午前中に、「ビジョン委員会」が開催した学習会に参加しました。神奈川県生協連の石田昌美統括マネージャーを講師に、「SDGsと協同組合 ~ 私たちの活動に引き寄せて ~ 」と題するものです。

講演のあと、4つのグループに分かれグループワークを行いました。

医療福祉生協(あるいは生活協同組合)の活動が、SDGsの実践そのものであることを実感しました。

※以下のアドレスを参照ください(私も写っています)。

http://www.kanaken.or.jp/news/2019/190203_02.html

会場の様子です

少し古い話題になりますが、1月13日に高松市内で、香川県地域包括ケアシステム学会設立記念大会が開催され、参加しました。医師会・行政・大学・各種団体などが発起人となって設立されたもので、県内の地域包括ケアシステムに携わる人や団体が顔の見える関係を作ることを目的にしています。

記念講演として、東京大学高齢社会総合研究機構の秋山教授の「長寿社会のまちづくり」と、医療法人社団鉄祐会の武藤理事長の「地域包括ケア及びかかりつけ医機能を推進する医療ICT化の現状と未来」と題する講演が行われました。

人生100年時代にどう生きていくか、また、ICTを用いてこれから医療がどう変わっていくか、示唆に富む講演でずいぶん勉強になりました。

1月24日 ~26日の3日間大阪市内で、医療福祉生協連の2018年度看護主任研修会(後期)が開催されています。前期は、昨年の9月27日 ~ 29日の3日間、福島県郡山市で開催され、東京電力原発事故の実態の見学などを含めた研修会でした。

後期は、28生協50人の参加で行われ、私は1日目に講師として参加しました。私は、学習講演として、「権利章典」から「いのちの章典」へ ~ 実践の中でのふりかえり ~ 、と題して話をしました。

今回強調したのは、「自己決定」が何より大事で、そのためには患者自身の努力も大事、ある患者さんの言葉として「患者力」を磨くことが必要で、そのために専門家である医療従事者の役割が重要と強調しました。

後半は第2部としてこの間のAPHCO(アジア太平洋地域保健協同組合協議会)の活動の報告を行いました。途中で紹介した、一昨年のムンバイでの交流会でのインドの踊りのビデオが結構受けていました(笑)。

人の顔が映らないようにするとこんな写真になりました。

1月15日に、都内のホテルで、日本生協連・コープ共済連・医療福祉生協連、3生協連共催の賀詞交歓会が開かれました。来賓として根本匠・厚生労働大臣、日本協同組合連携機構(JCA)の中家 徹・代表理事会長、斎藤十朗・全国社会福祉協議会会長が挨拶しました。

主催者を代表して、本田英一・日本生協連代表理事会長の挨拶ののち、日本生協連虹の会会長の川村和夫・明治ホールディングス株式会社代表取締役社長の音頭で、鏡開きを行い、閣僚・政党代表を含む多くの国会議員、各団体代表、研究者、取引先など1,200人近い出席者と交流しました。

インフルエンザが大流行する中、出席予定者の中で欠席する方や、この会の後インフルエンザで公務を休む方もいたようです(この会合のせいではありませんが)。

年々盛会になっていき、うれしく感じました。

左より、コープ共済連・佐藤利昭代表理事理事長、日本生協連・本田英一代表理事会長、私です

地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイトルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2018年12月16日付(第1800号)に掲載した、「入院から在宅へ」の流れを考える(その8)の後半です。

(前号より続く)

「退院調整加算2」は30日以内なら800点、31日以上90日以内なら600点(以下略)で、こちらは医療機関へ転院した場合には算定できませんから、何が何でも施設を含む自宅へ退院を迫るものとなっています。

さらに、前回触れた「地域連携診療計画」と同様の内容の計画を作成し、他院後の診療や訪問看護等について文書で患者・家族に説明し、在宅医療を担う医療機関と共有した場合、「地域連携計画加算」300点が算定できます。

また、高齢者などの身体機能の評価を行う「総合評価加算」の点数引上げや、これまで一般病棟等が算定対象だったのを療養病棟にも広げ、細やかな計画を策定できるように変更が行われました。

12改定のもう一つの特徴は、訪問看護ステーションが大きく位置づけられたことです。

先述した、「地域連携計画加算」への位置づけのほか、本誌6月号でふれた、「退院時共同指導」について、従来は、「在宅療養を担う医療機関等との共同指導(訪問看護ステーションとの連携では算定不可)」(※)とされていたものが、医療機関と訪問看護ステーションとの連携について評価を行うとして、「訪問看護ステーションと行った場合にも」算定が可能になりました。

入院患者の試験外泊時における訪問看護も評価されるようになりました。

訪問看護は週3回までという縛りがありますが、終末期や病状の急性増悪時に医師が「特別指示」を行えば、医療保険で週4回以上の訪問看護が可能ですが、その要件に「退院直後」が追加されました。つまり、病状が不安定な状態で退院した時にも対応が可能になる訳です。

介護認定を受けている方が訪問看護を利用する場合は、介護保険が優先しますが、医療保険の中でも訪問看護ステーションが大きく位置づけられた改定になっています。

※訪問看護ステーションが、病院に行って共同で指導した場合、「退院時共同指導加算」が算定できましたが、これはあくまで介護保険内での評価でした。

地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイトルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2018年12月16日付(第1800号)に掲載した、「入院から在宅へ」の流れを考える(その8)の前半です。

前回(12月18日付・第1008回と12月25日付・第1009回)は10改定で新設や変更された主要な内容について触れました。

今回は12改定の内容について触れます。

11年2月2日に開催された第186回中央社会保険医療協議会(中医協)では、医療介護が連携した退院調整が議題にあげられました。

その中で、11年2月時点では、入院している医療機関と在宅(自宅や施設)を担う医療機関等が、「症状の安定が見込まれた時期」からの退院調整を行っている。これからは、「入院早期から退院後の生活支援を見越した退院支援を行う」と、「役割の拡大・関わりの早期化」を強化することが提起されました。

要するに、退院間近では遅すぎるので、入院患者には入院直後から退院後の調整、慢性期病院か自宅か施設かなどの退院先を早めに調整しよう、ということです。これは、在宅医療を担う医療機関にとっても、患者の抱える問題点をあらかじめ把握できる、家屋の状況や家族関係などについて知っておけるなど有用性が高いものです。

そこで、12年改定では従来の「急性期病棟等退院調整加算」「慢性期病棟等退院調整加算」が統合され、主として急性期医療を担う一般病棟では「退院調整加算1」慢性期医療を担う療養病棟では「退院調整加算2」が新設されました。

入院後7日以内に判断する必要があり、対象となる患者は「退院困難な要因を有する患者」で具体的には、悪性腫瘍、認知症、誤嚥性肺炎等の呼吸器感染症を指します。スムーズに退院が可能なになるような対応が評価されたものです。

「退院調整加算1」の場合は、他の保険医療機関に転院した場合にも算定できます。退院時に1回だけ算定できますが、14日以内なら340点(1点10円です)、15日以上30日以内なら150点、31日以上なら50点ですから、より早く退院させた方が病院の収入が増える仕組みになっています。

(次回に続く)

新年あけましておめでとうございます。昨年の後半は仕事の関係でアップ率が落ちましたが、今年は気を取り直して(?)頑張ってアップしていきたいと思います。

医療福祉生協連の会長としての挨拶を紹介します。

協同の力で、いのち輝く社会をつくりましょう

日本医療福祉生活協同組合連合会
代表理事会長理事  藤原 高明

あけましておめでとうございます。謹んで新年のお慶びを申し上げます。

2018年は、地震、台風、豪雪、豪雨と全国各地で自然災害が多数発生した年でした。お亡くなりになられた皆様に哀悼の意を表するとともに、被害に遭われた皆様にお見舞い申し上げ、一日も早く元の生活に戻れるよう力を尽くして参ります。

私たちは昨年1年間、医療福祉生協の「総合力」でくらしを支える事業と地域の活動にとりくみました。自治体が行う協議体や総合事業などへの地域組合員参加を広めました。これまで継続してとりくんできた班会や居場所づくり・子ども食堂での「つながり」を通じて、みんなで食べてみんなで動いて、みんなでおしゃべりができる場として、新たな連携の中で社会とのつながりづくりがすすみました。

2019年は、2020年ビジョン達成にむけた最後の年であり新しいビジョンづくりの年です。医療福祉生協の地域包括ケアの実現に向け、300万組合員の力を発揮し、暮らしと健康に「価値ある存在」「身近な存在」にしたいと願っています。

平和・憲法・民主主義をめぐっては様々なことが予想されます。私たち医療福祉生協は理念に「健康をつくる。平和をつくる。いのち輝く社会をつくる」を掲げています。この理念を実現に向け、多くの人と手を取りあい活動を進めて参ります。

国連は、誰ひとり取り残さない持続可能な社会をめざす「持続可能な開発目標(SDGs)を掲げ世界に呼びかけています。私たちもその取り組みを一層推進するために、医療福祉生協の総合力と連携をいかし実現にむけて力を発揮して参りたいと考えます。

医療福祉生協に対する皆さまの一層のご理解と、更なるご指導・ご鞭撻をお願い申し上げるとともに、本年が皆さまにとって幸せな一年となりますよう心から祈念申し上げます。

田村神社の神池です。

田村神社の神池です。
昨年も使いましたが、今年撮った写真です(笑)。

地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイトルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2018年11月11日付(第1797号)に掲載した、「入院から在宅へ」の流れを考える(その7)の後半です。

08年4月に後期高齢者医療制度が発足、それに伴い診療報酬でも「後期高齢者」を冠する項目ができました。一般病棟に入院中の後期高齢者を対象に「後期高齢者退院調整加算」などです。08年には、療養病棟等に入院している患者等を対象に「退院調整加算」も新設されました。

後期高齢者医療制度は、ネーミングや保険料の問題など、国民の大きな批判を浴びたこともあり、10年改定では「後期高齢者」を冠する項目は廃止されたり、対象を広げ名称を変更するなどが行われました。

 08年改定時に「後期高齢者退院調整加算」が新設され、長期入院になりがちな高齢者や等を対象に、入院初期から退院に向けた流れを作りました。10年改定では、急性期病院からの退院について、65 歳以上の患者または40 歳以上の介護保険の特定疾病の患者(注3)を対象に「急性期病棟等退院調整加算」が新設されました。年齢と対象をひろげ、適切な退院先や介護サービスの導入に係る退院調整を行うことを評価したものです。

また、NICU(注4) からの在宅復帰支援・調整に「新生児特定集中治療退院調整加算」が新設されました。集中治療室に長期入院患者が増えると、時には満床状態になり新規受け入れが困難となることがあるため、適切な病院に転院したり、必要な社会福祉サービスを調整し在宅へ移行できるようにするために、社会福祉士等の配置を義務づけたものです。

08年改定で創設された、療養病棟等に入院中の患者を対象にする「退院調整加算」は、10年改定で「慢性期病棟等退院調整加算」と名称が変更になり、転院・退院がスムーズに行えるような体制の整備が義務付けられ、社会福祉士の配置を施設基準に求めるようになりました。

注3:40歳以上の介護保険の特定疾病の患者
介護保険は、65歳以上は疾病に関わらず対象になるが、40歳以上65歳未満では、がん(末期)、関節リウマチ、脳血管疾患など16の疾病が対象となる。なお、この「加算」の対象になるのは特定疾病に該当するかどうかであり、介護保険の認定や利用はなくてもよい。

注4:NICU
新生児集中治療室のこと。低出生体重児や重篤な疾病をもつ新生児の集中治療を行う。

1 2 3 34