毎週火曜日・金曜日更新予定。理事長ブログ

飛来峰記事

1 2 3 33

11月24日マレーシア・クアラルンプール市郊外のホテルで、第20回APHCO(アジア太平洋地域保健協同組合協議会)の理事会が開催され、APHCO会長として参加しました。日本以外の参加は、デシュムクAPHCO副会長(インド・シュシュリュシャ市民協同病院)と、この理事会の準備を周到にしていただいた、マレーシア医師協同組合(KDM)のザイードAPHCO副会長でした。

私は会長として、はじめに、理事会を準備して頂いたマレーシア医師協同組合(Koperasi Doktor Malaysia Berhad :KDM))の皆様への感謝を述べました。

そして、ケララ州をはじめとしたインド各地で発生した大規模な豪雨、7月の西日本豪雨、9月初めの北海道胆振地方の地震、インドネシアでの9月下旬の地震と津波による被害に対し、黙とうを行いました。

その後、あいさつをおこないました。

昨年11月17日のICA総会はここクアラルンプール・サンウェイリゾートホテルで開かれました。新しい会長にはアルゼンチンのアリエル・グアルコ氏が選任されました。

総会テーマは「開発の中心に人々をおく」でした。グローバル経済の影響から世界中で所得の格差が拡大しています。また、所得格差が健康格差に関係することが明らかになっています。協同組合はジェンダー・社会・政治・宗教の別を問わず無差別に組織の一員として保証される、多様性のある協同組合原則を持っています。ユネスコの無形文化遺産に登録された、「協同組合の思想と実践」は先達が積み重ねてきたかけがえのない財産です。協同組合は地域で平等が保障されるよう、誰も取り残さない社会の実現を通したSDGsの体現を期待されています。

世界で医療保健協同組合の連帯の輪が広がっています。昨年のIHCO総会で、コロンビアの「Cooperativa Médica del Valle, Coomeva」と、フィリピンの「1 -Coop –Health」 の2か国2団体がIHCOに加盟しました。このうちフィリピンの「1- Coop -Health」は、国内で8000人以上の会員にサービスを提供しており、134の病院、189の診療所、53の歯科医院が医療機関として認定されています。なおAPHCOへの加盟についてもご案内をしているところですが、加盟には至っておりません。

連帯のひろがりは、各々の協同組合が各国、各地で事業、事業外を通じ、多くの社会的役割を担い果たしていることでもあります。理事会でもこの間の各国、各協同組合での活動振り返りと次の総会までの活動とともに、各協同組合がどのような社会的役割を発揮しているか、また地域で社会的役割を発揮するためにどのようなことを実践すべきか、意見交換を行いたいと思います。

11月22日、四国こどもとおとなの医療センターの4Fこもれびホールで、第13回地域連携懇談会(四国こどもとおとなの医療センター、香川医療生協善通寺診療所・訪問看護ステーションほがらか・訪問ヘルパーステーションほがらか共催)が開催され、28の事業所から87名が参加し、熱心な討議が行われました。

今回はこどもとおとなの医療センターからの報告で、梶川愛一郎特命副院長(地域医療連携室長)が、「地域包括ケアシステムにおける急性期病院の役割 ~ 地域との連携の強化 ~ 」と題して、医師体制の弱体化の中で、香川県で最も救急車の受け入れ件数が多い、中讃地域の中核病院の活動内容を報告しました。

急性期の疾患を受け入れても、スムーズに退院先を見つけ適切な療養環境を提供しなければ、「地域包括ケアシステム」が機能しない、そのためにも「システム」だけではなく、「ネットワーク」の構築が重要であると強調しました。

この地域連携懇談会のような、フラットな人間関係、顔の見える関係が重要であると感じました。

懇談会の様子です。
奥にみえるのが講演中の梶川先生です

地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイトルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2018年10月21日付(第1794号)に掲載した、「入院から在宅へ」の流れを考える(その6)の後半です。

また、08年から、後期高齢者や療養病棟・病床に入院中の患者等を対象に、「退院調整加算」が新設されます。退院困難な要因を有する入院中の後期高齢者で在宅での療養を希望するものや、療養病棟等に入院する患者で在宅療養を希望するものが対象とされます。

病院では、入院患者の退院に係る調整・支援に関する部門が設置されており、専従の看護師又は社会福祉士が1名以上配置されていること等が条件で、

(1) 入院早期に、退院に関する支援の必要性の評価を行っていること

(2) 支援の必要性が高い患者について、具体的な支援計画を作成すること

(3) 支援計画に基づいて患者又は家族に支援を行うこと

などが求められます。

また、06年には後期高齢者に対する「総合評価加算」が新設され、「病状の安定が見込まれた後できるだけ早期に、患者の基本的な日常生活能力、認知機能、意欲等について総合的な評価を行った場合に入院中1回に限り」50点を加算するというものです。

総合的な機能評価を踏まえ、退院困難な要因があるとされたものに対して、その要因の解消等を含めた退院支援計画を策定し退院調整を行うことを評価するために、先述の退院調整加算が設定されています。

高齢者の総合評価は、具体的に明記はされていませんが(こういったところが現場に混乱をもたらす原因なのですが)一般的には、「高齢者総合的機能評価(CGA)」が用いられています。

具体的には、以下の通りです。

1)日常生活活動度(歩行、排泄など)

2)家庭での生活手段の自立(料理など)

3)物忘れ、認知症の程度

4)精神行動異常の程度

5)抑うつなど気分障害、意欲

6)家族の介護能力、介護負担

7)在宅環境・社会サービス利用

これらを総合的に評価し、個人の生活や個別性を重視した医療・ケアを選択するという手法です。

地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイトルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2018年10月21日付(第1794号)に掲載した、「入院から在宅へ」の流れを考える(その6)の前半です。

06年改定では医療機関の連携の推進を目的に、地域連携診療計画管理料 地域連携診療計画管理料退院指導料が創設されました。

重複になりますが、06年の改定では、入院から速やかに在宅に移るための仕組みとして、大腿骨頚部骨折患者で骨接合術や人工骨頭置換術等を実施している患者を対象に「地域連携診療計画管理料(入院時)」1500点と、「地域連携診療計画退院時指導料(退院時)」1500点が新設されました。

入院時に算定するための条件は、平均在院日数17日以内の急性期病院で、退院後の連携を持つ病院は複数でないといけない、など限られた特定の医療機関同士での患者のやり取りは認めない、という縛りがあります。つまり、幅広く多くの地域の医療機関との連携をしなさいという訳です。

また、退院時に算定するためには、連携医療機関間で、地域連携パスに係る情報交換ための会合を定期的に開催、診療情報の共有が適切に行われているなどの条件があります。日常的に地域の医療機関同士で連携を持つことが必要だということです。

全国調査でも、該当病院では、大腿頸部骨折で入院した患者の泥亀在院日数は、05年度が38.2 日、06年度は33.0 日と5.2 日短縮されていました。この方式に効果があったということでしょう。08年からは対象疾患として脳卒中が追加されますが、対象患者が大幅に増えると予想されることから、点数は、入院時の計画料が1500点から900点に、退院時の指導料が1500点から600点に、大幅に引き下げられました。

脳卒中が対象に加えられるとともに、医療法第30条の4に基づく「医療計画」に記載されている病院または有床診療所と条件が付けられました。

「医療計画」とは、1985年の第一次医療法改正時に導入されたもので、都道府県が医療提供体制の確保を図るために定める行政計画のことです。この計画制度は、1985年の第一次医療法改正によってはじめて導入されたもので、18年度からは第7次医療計画がスタートしています。

消費税増税をこのまま許すのか、ということが大きな問題となっています。医療は非課税ということになっており、医療機関が医療に係る仕入れ(薬剤など)は、診療報酬で補てんされているということになっています。

これまで、医療機関が負担する消費税が診療報酬で十分補てんされていないのではないかという主張に対して、厚労省は診療報酬で補てんされていると説明してきました。

15年12月2日に開催された第316回中医協(中央社会保険医療協議会)で、「消費税率8%への引上げに伴う 補てん状況の把握結果について」という報告が行われました。内容は

・医療機関等全体で見た補てん差額は+54億円、補てん率は102.07%であった。

・病院、一般診療所、歯科診療所の補てん率は100%を上回った一方で、保険薬局の補てん率は100%を下回った。

・病院全体としての補てん率は100%を上回った一方で、特定機能病院やこども病院の補てん率は100%を下回った。

というものでした。

しかし、18年7月25日に開催された、中医協専門組織の「医療機関等における消費税負担に関する分科会」で、この報告が誤りであったことが明らかとなり、9月26日に開催された第399回中医協総会で報告されました。

誤りの原因は「DPC病院の包括部分の補てん状況の把握に不正確な点があった」「DPCレセプトでは、月跨ぎの入院について、該当月以前の入院日数も記録されるため」入院日数を過剰に計算したため、と説明しました。

その結果、再度調査をしたところ、病院では補てん率は85.0%など、診療報酬では正確には補てんされていないことが明らかとなりました。

消費税を引き上げた際に診療報酬を引き上げることは、患者に負担を強いることになります。消費税増税を中止するとともに、医療機関が被っている過剰な負担を解決すべきです。

安倍首相は10月15日午後の臨時閣議で、19年10月に消費税率を予定通り8%から10%へ引き上げると表明、「あらゆる政策を総動員し、経済に影響を及ぼさないよう全力で対応する」と述べました。駆け込み需要と反動減を抑えるための経済対策をまとめるよう関係閣僚に指示したとされます

クレジットカードや電子マネーを使用したらポイントで還元する、低所得者向けにプレミアム付きの商品券を配布する、などが伝えられていますが、増税分を次々と還元するなら、何のための消費税増税か、ということになります。

消費税増税で「経済対策」が必要になるのなら、消費税増税を中止するのが、最大で最も簡単な方法だと言えます。

香川県保険医協会報2018年10月号の「主張」欄に、「誰一人取り残さない社会をめざして――憲法9条と社会保障を考える」という文章を掲載しました。転載します。

7月20日、厚労省は「17年の日本人の平均寿命は女性が87.26歳、男性が81.09歳で、ともに過去最高を更新した」と発表しました。

5年に1回公表される完全生命表によれば、1947年度は、男性が50.1歳、女性が54.0歳、1955年度は、男性が63.6歳、女性が67.8歳で、戦後8年間で13 ~ 14歳延びています。国民皆保険制度ができる前で、戦争が終わり経済復興前夜であることを考えると、平和であること、環境や食の状況が改善したことが主因だったのではないでしょうか。

WHO(世界保健機関)が08年に出した「健康の社会的決定要因に関する委員会」報告書によれば、生まれる前からの栄養状況、健康な場所でこそ人々は健康になる、公正な雇用と適切な労働、ライフコースを通じた社会保護、国民皆健康保険、すべての政策・システム・事業において健康の公平性を考慮するなどがあげられています。

12年のILO(国際労働機関)総会では、社会的保護(日本でいえば社会保障)が提起され、「適度の食糧、住宅、水、衛生、教育、健康のために十分な収入を得、文化的な生活に参加し、自由に自己表現ができ、考えや知識を共有できること」が重要な権利であるとされました。

12年12月の国連総会では、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)デーが制定され、「誰もが、どこでも、お金に困ることなく、必要な質のよい保健・医療サービスを受けられる状態を国際社会共通の目標とすること」が決議され、16年5月の「G7伊勢志摩首脳宣言」にも記載されました。

「誰一人取り残さないとの原則に基づき……保健システムを強化し,より強じん,費用負担可能,持続可能,かつ,公平なものとする。全ての個人の生涯を通じて健康を守り,改善するためのサービスの提供を必要とする」ことが、日本をはじめとする先進国で確認されているのです。

これらの決議にすべて賛成した日本国政府は、国際公約をいまこそ守るべきです。

憲法9条を守り、平和な国であってこそ健康が守れると思います。そして、社会保障(社会的保護)が国際社会の共通目標であることを、国民共通の合意とする運動を広げていく必要があります。

1000回記念号です(パチパチ)。といっても、何も記念号のアイディアはないのですが。

飛来峰は、2006年9月から始めました。ブログのタイトルは高松平和病院の屋上から見下ろせる(5階の緩和ケア病棟からもよく見えます)、栗林公園から名づけようと考え、公園内の2つの峰、芙蓉峰、飛来峰から選ぶことにしました。

下から見上げると、芙蓉峰はきれいですが、上に立って見下ろすと飛来峰から見た方がきれいに見えます。ですから、栗林公園のホームページの写真は、飛来峰から見下ろしたものです。

医療・福祉の話題を中心に、医療福祉生協の理念である「健康をつくる。平和をつくる。いのち輝く社会をつくる。」を念頭に様々な話題を取り上げてきました。一度分類をしょうかと思いましたが、あまりに多いのであきらめました。老後の楽しみにとっておきます。

75歳以上の後期高齢者医療自己負担原則2割化に反対します(声明)

2018年10月16日

日本医療福祉生活協同組合連合会
代表理事会長理事 藤原 高明

経済財政諮問会議は2018年6月5日に骨太方針(原案)を提示しました。その内容は財政制度等審議会の建議を承認するものであり、社会保障分野の基本方針は給付の増加を抑制することが、経済成長につながるというものでした。

その分野に挙げられている重点課題の一つとして、後期高齢者医療費の自己負担を原則1割から2割に上げる審議がされています。社会保障審議会においても審議が開始され、遅くとも来年の通常国会には改正法案が提出されることが考えられます。

高齢者の多くは年間所得100万円未満であり、いまでも厳しい生活状況です。生活を支える唯一の公的年金は減り続け、年金収入が生活保護基準を下回る世帯は3割に迫っています。さらに10月15日の臨時閣議では来年10月1日からの消費税10%への引き上げが表明され、実施されると厳しい生活に一層の拍車がかかります。

こうした経済状況の中で、後期高齢者医療費の自己負担を2割にすることは、経済的理由で受診できない高齢者を増やす可能性が高くなります。

わたしたちは、安心して医療機関に受診できるよう自己負担を軽減することが、重篤化を防ぎ結果的には医療費を減らすことにつながると考えます。

医療福祉生協連は、高齢者のいのちと健康をおびやかす75歳以上の後期高齢者医療自己負担の原則2割化に反対します。

以上

10月7日、スポーツ庁が行った体力・運動能力の調査結果で、70代の男女の成績が過去最高になったとマスコミ各紙が報じました。

測定項目は、握力(筋力),上体起こし(筋力・筋持久力),長座体前屈(柔軟性)の3項目は6歳から79歳までの測定を行っています。

前年の調査と比較すると、65歳以上の男女の成績は握力や上体起こしなど、ほとんどの種目で前の年より上昇傾向にあり、70歳から79歳の男女では全6種目の合計点が過去最高となったそうです。

確かに、外来通院している患者さんを診ていても、自分で歩いてくる方、自転車で来る方もいます。自転車は年齢によっては危険なのでやめるようにお話をしますが、確かに元気な高齢者が増えていることを実感します。

これまで、65歳以上の方を「肩車の上に乗る」支えられる世代と決めつけていましたが、年齢に関わらず社会の中での役割で考えていく必要があるのではないでしょうか。

1 2 3 33