毎週火曜日・金曜日更新予定。理事長ブログ

飛来峰記事

1 2 3 24

香川県保険医協会報の「社保のページ」に、診療報酬に係る内容を連載しています。2017年7月号に掲載した内容です。

2018年4月の医療・介護報酬の同時改定にあたっての、中医協(中央社会保険医療協議会)での議論を紹介します。

外来医療の2回目です。

遠隔診療や遠隔モニタリング等については、診断や在宅における療養指導・助言に加え、慢性疾患の重症化予防や健康指導・管理といった多様なサービス提供モデルが検討されており、その導入が議題に上っています。

外来医療のニーズの変化や多様性も踏まえ、外来患者の特性や病態に応じた評価や、新たなサービス提供のあり方等についても検討が始まっています。

生活習慣病は、生活習慣を改善することで重症化や合併症を予防することが可能なため、総合的な取り組みが検討されています。

特に、糖尿病が強く疑われる者の推計人数は年々増加していますが、「ほとんど治療を受けたことがない」者の割合は、約3割(2012年)で、40歳代では、未治療の割合が高いことがわかっています。

糖尿病の重症化予防の対応等について、かかりつけ医と専門医療機関との間で診療連携パスが構築・活用されています。現在、重症化予防の取組みとして、進行した糖尿病性腎症に対する運動指導の評価や人工透析患者の下肢末梢動脈疾患重症化予防の評価を行っています。

慢性腎疾患の重症化予防に関する介入研究において、かかりつけ医と腎臓専門医とが診療システムを構築し、診療ガイドラインに則った診療に加えて積極的に患者の行動変容を促すための介入を行った群では、BMIやHbA1cを改善する、受診継続率を有意に高くする、診療連携を有意に向上する、腎機能の低下を有意に遅くする等の有効性が示されています。

9月8日、健保連(健康保険組合連合会)が「平成28年度高額レセプト上位の概要」を公表しました。

それによると、1位と2位はいずれも血液疾患で、1ヶ月の医療費が1億円を超すものでした。3位から15位が3000万円超~約7000万円で、1例が心臓疾患、他はすべて血液疾患でした。

健保連によれば、「上位100位が1,600万超(前年度:1,300超)、また2,000万以上の件数が、対前年度比22件増(47%増)の69件で過去最多を更新しており、医療費の高額化傾向を示す」としています。

循環器疾患の場合、人工心臓などの医療機器が高額の場合もありますが、一つの手術で数多く使うことはありませんから、ある一定の限度があります。ところが、血液疾患の場合、必要に応じて薬剤を使用するために使っただけ医療費が増える構造になるため、高額薬剤が出現すると医療費が跳ね上がるということになります。

過去10年の「1位」の医療費の額(単位は万円。1万円未満を四捨五入)を見てみると、07年:3763、08年:2842、09年:3828、10年:4639、11年:11555、12年:8481、13年:6221、14年:2992、15年:4253、16年:10694で、2015年を除き、血液疾患の治療費になります。14年は以前と同様ですが、たまたま該当患者がいなかったためでしょう。

こう見てみると、薬剤費の高騰が医療費を引き上げていることが明らかです。救命に必要な薬剤を使用している訳ですから、治療に問題があるではなく、薬剤費に問題があるのではないでしょうか。

9月5日から7日の3日間、大阪市内で2017年度医療福祉生協連トップセミナーが開催され、事務局含め約150名が参加しました。

私は、開会あいさつを行いました。以下、大要を紹介します。

全国からお集まりの皆さん、こんにちは。開会に当たり、一言ご挨拶を申し上げます。

会場の全景です。東久保専務が基調報告を行っています

北朝鮮が、国際社会が強く自制を求める中で、8月29日のミサイル発射に続き、9月3日には、核実験を強行しました。国連安保理決議、日朝平壌宣言などにも違反するものです。また、本年7月に、国連加盟国の3分の2が賛成し成立した「核兵器禁止条約」にも反するものです。強く抗議をしたいと思います。4日に、抗議の会長声明をだしておりますので、ホームページをご覧ください。

平和の問題では、ドイツの国際平和団体「国際平和ビューロー」が、2017年のショーン・マクブライト平和賞を、辺野古の新基地建設に反対する非暴力的な取り組みが評価され、「オール沖縄会議」に授与することを決定しました。力に頼らない、平和な取り組みが今求められているのではないでしょうか。

10月28~29日に沖縄で開催される第31回日本高齢者大会に、私は中央実行委員長として参加をいたしますが、「平和をつくる。」運動を、さらに大きく広げていきたいと思います。

さて、2018年4月は、医療の診療報酬、介護報酬、そして障害福祉サービスの、トリプル同時改定が行われます。私たちの事業に大きな影響を及ぼすものですが、しっかり準備を行っていく必要があります。制度変更に対する受け身の対応ではなく、医療福祉生協ならではの、安心して地域で暮らし続けることのできる、「医療福祉生協の地域包括ケア」の実践を広げていこうではありませんか。

6月の総会方針学習会で学んだ「フレイル予防」は、医療福祉生協のこれまでの実践に自信と確信を持てたのではないでしょうか。人生100年の時代、50歳を過ぎたら、後半の人生、という提起もありました。となれば、私は後半の人生の義務教育がちょうど終わるころでありますけれど、「健康をつくる。平和をつくる。いのち輝く社会をつくる。」という理念を改めて広めていきたいと思います。

通信教育が始まっていますが、連合会の事業にも結集頂き、片手にcomcom、片手にブックレットを持って、全国の経験を学び、学習し、事業と運動を広げていきましょう。

最後に、この秋、生協強化月間の中で、ぜひ300万組合員を達成し、次の私のあいさつでは、必ずその報告ができるように、切にお願い申し上げまして、開会あいさつといたします。

地方政治新聞「民主香川」に、「社会保障はどうなるか」というタイトルで、社会保障改悪の内容の連載をしています。2017年6月18日号(第1746号)に掲載した、「18年の診療報酬・介護報酬の動向について(1)」の後半部分です。

(承前)

2018年の診療報酬改定の議論の中で取り上げられている、「かかりつけ医」を普及するためとされる「受診時定額負担の導入」があります。

これは、「かかりつけ医」(いわゆる「主治医」)を決めて、「かかりつけ医」の紹介状を持って他の医師を受診する仕組みづくりのことです。

現在は、ふだんは高血圧や糖尿病で近くの内科の診療所にかかっていても、自分の判断で、膝の痛みがひどいので整形外科、眼が痛いので眼科、頭痛がひどいので脳外科にかかる、といった風に自由に医療機関を選ぶことができます。これが、フリー・アクセスです。

「受診時定額負担の導入」とは、「かかりつけ医」の紹介状を持たずに他の医療機関を受診すると、一定額の余分な負担がかかるというものです。患者が医療機関に受診しにくくなるため、1回500円の負担なら医療費が約7千億円減少するともいわれています。

しかし、この「定額負担」は、明らかに法律に違反しています。2002年改正健康保険法附則第2条に「医療保険各法に規定する被保険者及び被扶養者の医療に係る給付の割合については、将来にわたり百分の七十を維持するものとする」とされています。

この問題について、2016年10月6日の参院予算委員会で塩崎恭久厚労相は、「法律に書いてあるとおり、『将来にわたり百分の七十を維持するものとする。』ということでありますから、当然、厚生労働省はこの法律を守っていくことが基本であるというふうに思います」と答弁しています。

明らかに法違反である、「受診時定額負担の導入」はやめるべきです。

さらに、日医総研(日本医師会総合政策研究機構)の調査(2013年7月)によれば、「病気や健康状態について相談でき、診療してくれる身近なかかりつけ医」について、「40歳以上の男女の65.1%がかかりつけ医がいると回答」しています。

無理やり「主治医制度」を導入する必要はないのではないでしょうか。

北朝鮮は、8月29日、国際社会が強く自制を求めているもとで今年13回目の弾道ミサイルの発射をおこない、9月3日には世界と地域の平和と安定にとっての重大な脅威である核実験を強行しました。これは国連安保理決議、6カ国協議の共同声明、日朝平壌宣言に違反するものです。

今年7月、国連加盟国の3分の2により「核兵器禁止条約」は法的拘束力を持つ核軍縮関連の条約として採択・成立し、核兵器廃絶に向けて具体的な取組みが動きはじめようとしています。

こうした中、北朝鮮の行動は、他の核兵器保有国や核兵器保有願望国の核開発を加速させ、世界の平和と安定の構築を損ねることになりかねません。

北朝鮮による一連のミサイル開発につづく核実験の実施は、地球環境や生態系を破壊するばかりでなく、人類の生存をも脅かす事態を招くことになり、容認することはできません。

日本国憲法に基づく「理念」と「いのちの章典」を持つ医療福祉生協は、北朝鮮による今回のミサイルの発射と核実験の強行に強く抗議します。北朝鮮は、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現を願う世界中の人々の思いを真摯に受け止め、核実験はもとより、今後一切の核開発を放棄することを強く求めます。

2017年9月4日
日本医療福祉生活協同組合連合会
代表理事会長理事 藤原高明

地方政治新聞「民主香川」に、「社会保障はどうなるか」というタイトルで、社会保障改悪の内容の連載をしています。2017年6月18日号(第1746号)に掲載した、「18年の診療報酬・介護報酬の動向について(1)」の前半部分です。

「経済・財政再生計画」は、患者負担の増加、医療・介護提供体制の再編を進めるのが目的です。

「経済・財政再生アクション・プログラム2016年」(2016年12月21日 経済財政諮問会議)によれば、「社会保障分野では、医療・介護提供体制の適正化、インセンティブ改革、公的サービスの産業化、負担能力に応じた公平な負担、給付の適正化等を引き続き行う。2016年末までに検討を行うこととされていた事項や高額薬剤の価格見直し等については、検討の結果に基づき着実に実施していく」としています。

つまり、本欄889回(5月30日付)で述べた通り、「(2017年予算で見送りになった)他の項目は2018年以降の実現をめざし、引き続き議論が行われるもので、決して中止になったのでは」ないということです。

その内容は

  • 「かかりつけ医」を普及することを名目にした、受診時定額負担の導入
  • 市販薬類似薬の保険外し
  • 75歳以上の患者負担を原則2割にする

です。

これ以外にも、これまでに議論されてきた内容として、

  • 地域医療構想や医療費適正化計画を使い、医療費の地域差半減をすすめる
  • 都道府県単位の診療報酬の設定を検討する
  • 民間病院の病床削減を命令できるよう、都道府県の権限強化(現行は、手上げ方式で民間病院が自ら選ぶことになっている)
  • 保険医の配置・定数の設定など国や都道府県の権限強化

などが、あげられます。

(次号に続く)

2017年7月7日、122か国・地域の賛成多数により「核兵器の開発、実験、製造、備蓄、移譲、使用及び威嚇としての使用の禁止ならびにその廃絶に関する条約」(核兵器禁止条約)が国連で採択されました。史上初めて核兵器に「悪の烙印」が押されることになりました。

条約は以下のように指摘しています。

「核兵器の使用によって引き起こされる破局的な人道上の結末を深く懸念し、そのような兵器全廃の重大な必要性を認識、全廃こそがいかなる状況においても核兵器が二度と使われないことを保証する唯一の方法である」

長崎平和宣言は、以下のように述べています。

「核兵器のない世界を目指してリーダーシップをとり、核兵器を持つ国々と持たない国々の橋渡し役を務めると明言しているにも関わらず、核兵器禁止条約の交渉会議にさえ参加しない姿勢を、被爆地は到底理解できません。唯一の戦争被爆国として、核兵器禁止条約への一日も早い参加を目指し、核の傘に依存する政策の見直しを進めてください。日本の参加を国際社会は待っています」

核兵器が悪であることを世界の世論とするための運動を広めていきたいと思います。

香川県保険医協会報の「社保のページ」に、診療報酬に係る内容を連載しています。2017年5月号に掲載した内容です。

2018年4月に、医療報酬・介護報酬の同時改定が行われます。中医協(中央社会保険医療協議会)での議論を紹介していくことにします。

まず、外来です。

外来レセプト一枚当たりの受診日数は減少傾向ですが、主な傷病別の推計外来患者数では、高血圧性疾患、糖尿病、高脂血症といった生活習慣病が多く、10年前と比較して若干増加しています。

65歳~84歳では、高齢になるほど平均傷病数および外来受診率(在宅を含む)は増加し、複数の医療機関を受診した患者の割合も多い傾向にあります。高齢になるほど、一件当たりの薬剤種類数や薬剤点数が高い患者の割合は増加しています。

16年の診療報酬改定では、小児かかりつけ医や認知症の主治医機能の評価、また、向精神薬の適切な処方の推進等の評価を行い、外来医療のニーズの変化や多様性も踏まえた適切な外来医療が提供できるような評価、新たなサービス提供のあり方等について検討が行われています。

糖尿病と高血圧など複数疾患を持つハイリスク者に対する指導では、医療機関との連携が必要で、生活習慣病の重症化予防と医学管理では、診療ガイドラインに基づき、個別に治療内容を調整するとともに、コントロールが不良な患者については、専門医療機関と連携して、治療方針の変更等を行うこととされています。

主治医機能の評価、医療連携の在り方などが重視されているようです。

地方政治新聞「民主香川」に、「社会保障はどうなるか」というタイトルで、社会保障改悪の内容の連載をしています。2017年5月21日号(第1743号)に掲載した、「経済・財政再生計画」にみる患者利用者負担増(3)、の後半を再掲します。

(承前)

3割負担になるのは、昨年2割負担に引き上げられた45万人のうち一定の所得のある12万人が2018年8月より対象となります。2015年8月に2割負担に引き上げられ、負担に耐えられず、特別養護老人ホームを退所したり、サービス利用を控えたりする事態が続出しています。こうした実態や「介護離職」「介護難民」が社会問題化する中で、「制度の持続可能性」を追求するために、さらに利用者や家族に一層の負担を迫るのは本末転倒な施策です。

また、全市町村が介護の「自立支援・重度化防止」にとりくむことを制度化し、介護費用を抑制した市町村に対しては国の財政支援を手厚くすることは、介護保険からの無理な「卒業」や「門前払い」を加速させ、当時者や家族の負担増につながる懸念があります。

さらに、「地域共生社会」の名の下、高齢者、障害者(児)などへの施策をひとくくりにして行う「我が事・丸ごと」地域共生の社会づくりでは、社会福祉法に「福祉サービスを必要とする人たちが孤立しないよう、地域住民が支援する」条文を新設しました。地域住民に対して「自助・互助」の役割を求めており、国と地方自治体の公的責任の後退は明らかです。

地域福祉・地域医療のありかたを大きく変える法案を当事者の声や地方自治体、国民の意見を聞く機会も設けないまま、わずかな審議時間で強行採決したことは許されません。

地方政治新聞「民主香川」に、「社会保障はどうなるか」というタイトルで、社会保障改悪の内容の連載をしています。2017年5月21日号(第1743号)に掲載した、「経済・財政再生計画」にみる患者利用者負担増(3)、の前半を再掲します。

第904回(7月21日付)まで、15年12月の経済財政諮問会議で決定された「経済・財政再生計画 改革工程表」に基づく、17年度予算について医療分野を中心に触れました。

今回は、介護分野を中心にした内容ですが、18年以降に関連したものです。

18年からの介護保険改定に関連する法案は、「地域包括ケアシステム強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案」(以下、介護保険「改正」法案)です。この法律は、介護保険法だけでなく、健康保険法、児童福祉法、医療法、社会福祉法、老人福祉法、高齢者の医療の確保に関する法律、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律など31もの法律を一括して「改正」するものです。

さらに、法案の最後には「その他所要の改正を行うこと」と書いており、細かい点は政令等で定められることになっています。そのため、詳細な内容は明らかになっておらず、十分な審議時間を必要とする法律です。

4月12日の衆議院の厚生労働委員会で、民進党議員が「森友学園問題」を取り上げたため、「この重要な介護の法案と全く関係のない話をされたということが、十分な質疑が行われたことの証拠ではないか」(田村憲久前厚労相)として、採決を強行しました。与野党はもともと、4月14日まで議論を続ける日程を協議していた訳ですから、わずか20時間の審議での強行採決は許されません。

さらに、本会議ではわずか2時間の審議で、政府与党は、4月18日の衆議院本会議で介護保険「改正」法案の採決を強行しました。
介護保険「改正」法案は、

①一定所得のある人の自己負担割合を3割に引き上げる

②保険料の「総報酬割」の導入

③「我が事・丸ごと」地域共生の社会づくりに向け、高齢者、障害者(児)などの施策に対する公的責任を後退させる仕組みづくりを狙ったものです。

(次回に続く)

1 2 3 24