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飛来峰記事

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6月8日(金)東京都内で、医療福祉生協連第8回通常総会が開かれました。私は代表理事会長理事として開会あいさつを行いました。今回は、その後半です。

私たちの組織の最大の特徴は、ともに組合員として生協を担う地域住民と医療や福祉を担う専門職が、それぞれ主体者として協力しあうことにあり、その優位性を事業と活動の全ての場面で活かすことを大切にしてきました。そして、医療機関・介護事業所などを所有・運営し、地域のよりどころとしての居場所も増やすことを通じて、その特徴を最大限に生かしあらたな飛躍を作り出したいと思います。

戦後、憲法・平和をめぐって今ほど緊迫した情勢はありません。

極東アジア地域をはじめとするさまざまな脅威を盾に、安全保障法制やいわゆる「共謀罪法」の採決を強行し、南スーダンやイラクでの日報を「隠し続けた」自衛隊幹部と政府に多くの国民は疑問を感じています。

会場の風景です

会場の風景です

2017年10月、突然の臨時国会冒頭解散による第48回衆議院選挙で、与党は改憲発議に必要な3分の2の議席を獲得しました。国会では9条を含めた「憲法改正」に向けた議論が加速しています。立憲主義、平和主義、国民主権は、今、大変な危機に立たされています。一方、世界では、核兵器廃絶を求める声が、大きく広がっています。一人ひとりが主権者としてしっかり判断できるよう学び、対話を広げることがこれまで以上に重要になっています。

発災から7年を迎えた東日本大震災と東京電力福島第1原子力発電所事故では、震災関連死を含め2万2000人以上が犠牲になり、津波や東京電力福島第1原発事故の被害などで、いまなお約7万3000人が避難生活を余儀なくされています。

しかし、まるで何事も無かったかのように原発の再稼働が予定され、被災地への支援が打ち切られていく状況は、私たちの願いとは遠くかけ離れたものとなっています。

被災地の人たちの苦しみと悲しみに寄り添い、ひきつづき支援に力を尽くす決意を申し上げます。

6月8日(金)東京都内で、医療福祉生協連第8回通常総会が開かれました。

私は代表理事会長理事として開会あいさつを行いました。今回は、その前半です。

2017年度、私たち医療福祉生協連は、全国の組合員の力で2018年の3月に、300万組合員を達成することができました。全国の医療福祉生協で活動を見せる化し、共感をひろげ、新たなつながりを積極的に加入に結びつけてきた結果です。目標の達成をともに喜びあうとともに、新たな峰である400万組合員の実現に向けて足を踏み出したいと思います。

会長あいさつです

会長あいさつです

2017年度を通して、私たちは「医療福祉生協の地域包括ケア」の実践を着実につみ重ね、力を蓄えてきました。必要な人が必要なサービスを受けられるように制度の充実を求めながら、制度がカバーできない幅広い生活要求に対しては、地域のさまざまな組織・住民の「ともに」の助け合いによって、地域に安心のネットワークを作ってきました。

私たちは、まちづくりの将来設計図を描くために、「3つの戦略」づくりをすすめてきました。また、3つの「つくろうチャレンジ」のとりくみを通じて、多くの医療福祉生協が「健康チャレンジ」「すこしお生活」「フレイル予防」にとりくみ、多世代型の健康づくりとして新たな広がりをつくってきました。そして、地域組合員と職員組合員の連携の仕組みづくりがすすみ、在宅カンファアレンスや退院患者訪問等への地域組合員参加や、「私と地域の困った」へのとりくみなど、「くらしを支える視点」での広範な実践が全国の医療福祉生協で取り組まれました。

社会保障と税の一体改革がすすめられ、国や自治体の公的責任が後退しています。社会保障すべての分野で給付が制限され、国民の負担が増加し、国民の健康度に影響を及ぼすと心配されます。2017年度上半期経営概況調査では、会員生協の過半数が赤字であり、この4月より実施されている医療・介護の制度改訂と、診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬の改定は、会員生協の経営に深刻に影響を及ぼします。

6月7日(木)東京都内で、医療福祉生協連第8回通常総会方針学習会が開かれ、200人近い参加がありました。

今回の学習会のテーマは「組合員参加が事業の質を高める―医療福祉生協の総合力を活かす―」で、大阪大学大学院人間科学研究科の斉藤弥生教授に講演をしていただきました。各地の報告として、名古屋市の南医療生協の川津副理事長が、「おたがいさまの家いっぷく」づくりから「住民主体型サポート事業所ちゃっと」づくりへ、と題した報告が、高知医療生協の高橋組織部長が、住民団体としての連携がつくりだす活動の変化と題する報告が行われました。

いずれも、医療福祉生協の地域包括ケアを進めるうえで重要な指摘や、先進的な取り組みを報告して頂き、有意義な学習会でした。

国土交通省は6月1日から、バスやトラック、タクシーの運転手を対象に、運行管理者が運転手に対して乗務前に「睡眠不足」のチェックをすることを追加しました。

これまでも「疾病」や「疲労」の状況を確認することが義務付けられていましたが、「睡眠不足」の場合もドライバーを乗務させてはならないとしました。国土交通省の石井大臣は「働き方改革を進める視点からも重要」としています。

ヨーロッパでは(すべての国が同じかどうかは知りませんが)、労働時間規制が厳しく、1日の終わりにホテルまでバスで送ってくれなくて、いったんホテルに寄ってスーツケースを下してから観光地に移動しバス乗車は終了、あとは歩いてホテルに移動ということもあります(まあそれほど長距離ではありませんが)。また、運転手の休憩時間を確保するためにトイレ休憩が45分というのもあります。

今回の国土交通省の対策は、運転手の自主規制、会社まかせの側面が強く、乗客と運転手の安全の確保ができるかどうかは疑問です。「働き方改革」というなら、労働時間の制限、勤務と勤務の間のインターバル時間の確保など、もっと根本的な対策が必要ではないでしょうか

地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイトルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2018年5月20日(第1779号)に掲載した、「入院から在宅へ」の流れを考える(その1)の後半部分です。

これまで、入院した時から「次の病院や施設を早く探しておくように」と言われていたことを考えると(今でもよくありますが)、転院・入所等を促進する仕組みを作ること自体は改善と言えるかもしれません。しかし、問題点も多いと思います。今号から、しばらく、入院医療をめぐる医療制度の流れを歴史的に考えてみます。

1983年2月に老人保健法が施行されました。それに伴い、年齢に関係なく同一であった診療報酬が、「70歳以上の者及び65歳以上の寝たきり老人」のみに適応される「老人診療報酬点数表」が創設され、包括点数(いわゆるマルメ)の導入や在宅医療を推進する「高齢者の心身の特性に着目した評価」が行われるようになりました。

しかし、「年齢により医療費が異なる制度」は世界にも類例がなく、国会でも、差別医療制度と問題になったことがあります。

この問題に対して、08年4月から「高齢者医療制度の創設が予定」されていたこともあり、06年4月の診療報酬改定では、「簡素化の観点から老人診療報酬点数にのみ存在する診療報酬項目や、同一の診療行為に対する評価が老人診療報酬点数表と医科診療報酬点数表で異なる診療報酬の項目については」、基本的に統一されました。

地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイトルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2018年5月20日(第1779号)に掲載した、「入院から在宅へ」の流れを考える(その1)の前半部分です。

厚労省は、医療費削減を目的として「入院から在宅へ」の仕組みづくりに力を入れています。今回の診療報酬改定で、入院日数を短くするための仕組みの「退院支援」を「入退院支援」と変更しました。入院する前から対策をとろうという訳です。その理由と背景について考えてみます。

17年12月8日に開催された第377回中医協(中央社会保険医療協議会)総会に提出された資料によれば、「従来の退院支援については、入院前の外来・在宅~入院中~退院後の外来・在宅まで、切れ目のない支援が重要であることから、『入退院支援』との呼称に改め」る。「入院前の支援の例として、入院生活の説明、持参薬の確認、入院前に利用していたサービス等の確認などが想定される」としています。


在宅医療を推進することを意味する「川上から川下へ」という言葉もよく使われます。

13年8月6日、「社会保障制度改革国民会議報告書」が出され、以下のように、入院医療が取り上げられています。

Ⅱ 医療・介護分野の改革

1 改革が求められる背景と社会保障制度改革国民会議の使命

(3)改革の方向性

② 機能分化とネットワークの構築
の項の中で

・「病院完結型」の医療から「地域完結型」の医療への転換が成功すると、これまで1 つの病院に居続けることのできた患者は、病状に見合った医療施設、介護施設、さらには在宅へと移動を求められることになる。

・居場所の移動を伴いながら利用者のQOLを維持し家族の不安を緩和していくためには、提供側が移動先への紹介を準備するシステムの確立が求められる。ゆえに、高度急性期から在宅介護までの一連の流れ、容態急変時に逆流することさえある流れにおいて、川上に位置する病床の機能分化という政策の展開は、退院患者の受入れ体制の整備という川下の政策と同時に行われるべきものであり、川上から川下までの提供者間のネットワーク化は新しい医療・介護制度の下では必要不可欠となる。

・そして、こうしたネットワークの中で、患者の移動が円滑に行われるよう、医療機関側だけでなく、患者側にもインセンティブが働くシステムとなることが望ましい。

地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイトルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2018年4月15日(第1776号)に掲載した、「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」の後半部分です。一部修正しています。

(承前)

これまでのガイドラインでは、
・医師等の医療従事者から適切な情報提供と説明がなされ、それに基づいて患者が医療従事者と話し合いを行った上で、患者本人による決定を基本とする
・人生の最終段階における医療及びケアの方針を決定する際には、医師の独断ではなく、医療・ケアチームによって慎重に判断する

こと、となっていましたが、今回の改定では、病院における延命治療への対応を想定した内容だけではなく、在宅医療・介護の現場で活用できるように見直されました。
・医療・ケアチームの対象に介護従事者が含まれる
・心身の状態の変化等に応じて、本人の意思は変化しうるものであり、医療・ケアの方針や、どのような生き方を望むか等を、日頃から繰り返し話し合う(=ACPの取組)
・本人が自らの意思を伝えられない状態になる前に、本人の意思を推定する者について、家族等の信頼できる者を前もって定めておくことの重要性を記載
・今後、単身世帯が増えることを踏まえ、上記の「信頼できる者」の対象を、家族から家族等 (親しい友人等)に拡大
・繰り返し話し合った内容をその都度文書にまとめておき、本人、家族等と医療・ケアチームで共有することの重要性について記載すること

とされました。

診療報酬の中では、訪問診療料の「在宅ターミナルケア加算」、訪問看護の「ターミナルケア加算」などの算定要件、療養病棟入院料と地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料1,3の施設基準について、同ガイドラインに基づく「看取りに関する指針」を定めることが追加されました。

また、療養病床の在宅患者支援療養病床初期加算、地域包括ケア病棟入院料・入院借り料の在宅患者支援病床初期加算について、同ガイドラインを踏まえ、入院時に治療方針に関する意思決定支援を行うことが算定要件とされました。

患者・利用者の「自己決定」を尊重するという点では、重要なことだと思います。

ただ、「改革工程表」の中では「Advance Care Planning(ACP)の普及を図る」と位置付けられており、あらかじめ明示された本人の意思に反した医療・介護が、制限されるなど問題になる可能性もあるため注意が必要です。

地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイトルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2018年4月15日(第1776号)に掲載した、「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」の前半部分です。

今回の改定の特徴は、各種ガイドラインに基づいて実施する項目が増えたことです。

具体的には「情報通信機器を用いた診療に係る指針」「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」「抗微生物薬適正使用の手引き」などです。

今回は、「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」について触れます。

このガイドラインは、改定が発表された後の18年3月に「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」と、「医療」の後に「ケア」という言葉が追加され、改訂版が公表されました。

このガイドラインを作る契機になったのは、06年3月に富山県射水市における人工呼吸器取り外し事件です。07年に「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」が策定され、15年3月に「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」に名称変更が行われ、今回「医療」から「医療・ケア」にタイトルが一部変更されたものです。

これまでは、得てして、救急医療現場での「気管挿管するかどうか」「人工呼吸器を装着するかどうか」「心臓マッサージは行うのか」など、医療現場での判断に関わる内容など「終末期医療の決定」に関するものが話題になることが多かったのが実態です。

今回、在宅医療の中での判断や、そもそも人生の最終段階をどう生きるのかという内容の一つとして「医療・ケア」の問題が取り上げられてきたと言えます。

(次号に続く)

5月10日、四国こどもとおとなの医療センターの4Fこもれびホールで、第12回地域連携懇談会(四国こどもとおとなの医療センター、香川医療生協善通寺診療所・訪問看護ステーションほがらか・訪問ヘルパーステーションほがらか共催)が開催され、23の事業所から80名近い方が参加し、熱心な討議が行われました。

今回はこどもとおとなの医療センターからの報告で、地域医療連携室の西川副看護師長が、重症心身障がい児(者)短期入所利用について、地域医療連携室の松尾SWが、地域包括ケア病棟の運用実態について報告が行われました。

心身障がいを持つ子供も、医療の進歩に伴い成人になりやがて高齢化していきます。また、親も当然ながら高齢化していきます。

こどもとおとなの医療センターでは、重症心身障がいの子供や成人に対して、家族のレスパイトや、冠婚葬祭や入院などに伴い医療が必要な場合に、一時的に預かる「短期入所」制度をもっています。その現状についての報告でした。

こういった制度については知らない人も多いため、大変重要な報告でした。

会議の全景です

香川県保険医協会報2018年4月号の「主張」欄に、18改定に関する内容を掲載しました。転載します。

18改定が実施されました。今回は、医科の入院医療について取り上げます。

入院点数は、一般病棟入院基本料、療養病棟入院基本料、地域包括ケア病棟入院料、回復期リハビリテーション病棟入院料が、看護体制等による基本部分と、看護必要度等の「実績部分」を組み合わせた評価体系に再編・統合されました。

一般病棟は、10対1看護配置を基本とし、重症度、医療・看護必要度、患者割合による7段階の報酬区分とする「急性期一般入院基本料」と、15対1看護配置を基本とし、看護配置や看護必要度の測定実績による3段階の報酬区分とする「地域一般入院基本料」が設定されます。

療養病棟は、20対1配置が基本とされ、重症度の高い医療区分2・3の割合8割以上が入院料1、5割以上が入院料2となります。25対1配置は医療区分2・3の割合5割以上でも現行点数の10%減額とされ、5割未満なら現行点数の20%減額とされます。

重症度が高く処置の多い患者を受け入れ、一定数の看護配置があれば、点数が高くなる仕組みになっています。

一般病棟も療養病棟も看護必要度等の指標が評価の大きなウエイトを占め、「実績」を出すための運営が迫られます。

「実績」や「結果」に結びつかないと判断された患者の選別が起こらないかが危惧され、このような評価体系の大幅な見直しは、拙速に行うべきではありません。

回復期リハビリテーション病棟は、「アウトカム評価」をさらに推進、リハビリテーションの実績指数が組み入れられます。

15対1看護配置の基本報酬は10点引き下げられ、実績指数、重症割合、回復割合、自宅等退院割合、看護や療法士配置によって6段階に細分化されます。

地域包括ケア病棟入院料の基本報酬も、現行より20点引き下げられ、看護必要度、在宅復帰率、室面積、看護や療法士等配置によって4段階の報酬区分とされますが、アウトカム評価や在宅復帰率などの要件は患者の選別に繋がりかねません。

こういった急速な改変は現場に混乱をもたらす可能性が高く、速やかな見直しを強く求めるものです。

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