毎週火曜日・金曜日更新予定。理事長ブログ

Monthly Archives: 12月 2020

12月21日、日本医師会など四師会と全日本病院協会など四病協(※)、東京都医師会の9団体が合同で「医療緊急事態宣言」を発出しました。

全文を紹介します。

新型コロナウイルスの感染拡大はとどまることを知らず、このままでは、新型コロナウイルス感染症のみならず、国民が通常の医療を受けられなくなり、全国で必要なすべての医療提供が立ち行かなくなります。

医療崩壊を防ぐために最も重要なのは、新たな感染者を増やさないことです。国民ひとりひとりの粘り強い行動が感染拡大から収束へと反転する突破口になります。このクリスマスや年末年始が、今後の日本を左右するといっても過言ではありません。

医療従事者を含めたすべての日本国民が一致団結し、新型コロナウイルス感染症を打破する意を決するときは今しかありません。

皆様に安心して新年を迎えていただくために、以下を宣言します。

一.私たちは、国や地方自治体に国民への啓発並びに医療現場の支援のための適切な施策を要請します。
一.私たちは、国民の生命と健康を守るため、地域の医療及び介護提供体制を何としても守り抜きます。
一.私たちは、国民の皆様に対し、引き続き徹底した感染防止対策をお願いします。

※四師会とは、日本医師会・日本歯科医師会・日本薬剤師会・日本看護協会。四病協とは、日本病院会・全日本病院協会・日本医療法人協会・日本精神科病院協会です。

建設アスベスト訴訟で、最高裁第1小法廷は、国の上告を退ける決定を行ったことが16日に明らかになりました。

アスベストの輸入は、戦後の経済復興と共に増加し、72年にWHOがアスベストの発がん性を明確にし、86年にILOが、危険性の高い青石綿などを使用禁止する石綿条約162号を採択した後も90年初頭まで大量輸入し、使い続けて来ました。

今回の決定は、国が本来果たすべき役割をはたしていなかったことを明らかにしただけでなく、「一人親方」の被害も認めたことが重要です。これまでは、一人親方は、「労働者」ではないという判断で、労災認定を受ける権利を認められていませんでした。

明らかに下請けとして働く労働者であっても、一人親方だという理由だけで労災認定を何度も却下されてきましたから、個人的にも一歩前進したという思いです。

まだまだ、救済されていない患者はたくさんいます。引き続きアスベスト労災の取り組みを続けなければと感じた判決でした。

日本看護管理学会が、12月10日に、国民に向け「ナースはコロナウイルス感染患者の最後の砦です」と題するメッセージを出しました。

その中で「私たちは自分の仕事を全うするだけですので、感謝の言葉は要りません。ただ看護に専念させて欲しいのです。差別や偏見はナースに対してフェアな態度でしょうか?なぜナースたちは、看護していることを社会の中で隠し、テレビに出るときにはモザイクをかけなければならないのでしょう」と呼びかけました。

そして、国民へのお願いとして、以下の3点を強調しました。

・皆さまには、ご自分の健康と医療現場を守るため、なお一層の慎重な活動をしていただきたい。

・医療専門職として、感染予防には留意しております。私たちを偏見の目で見ることはやめていただきたい。

・また、もしも一旦仕事から離れている私たちの仲間が、看護の仕事に戻ってこようと思うときには、周囲の方にはぜひご理解いただき、この窮状を救う意志のあるナースを温かく送り出していただきたい。

 全文は、下記のアドレスを参照ください。
janap_20201210.pdf

12月10日20時付けの「朝日新聞オンライン」は、以下のように報じました。

「新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めようと、政府が『勝負の3週間』を呼びかけて以降も感染拡大が収まらない。繁華街を抱える都市の人出も一部を除いて大きな減少は見られず、東京都では10日、過去最多となる602人の感染が確認された」

香川県でも小豆島でのクラスターの影響により、直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数が、10日現在で4.29と、これまで香川県が移動を控えるように呼び掛けてきた「感染拡大地域(直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数が5人以上)」に近づいてきました。

これが、菅政権が強引に推し進めるGO TO キャンペーンによるものだとは言いませんが、全国的な感染の拡大が、菅政権による政策により、全国的に人が移動するGO TO トラベル、会食を促進するGO TO EATに関連することには間違いありません。GO TO キャンペーンを一時的に止めない限り「勝負の3週間」どころか「勝負の3カ月」「勝負の3年」になりかねません。

日本医師会の中川会長は10日の記者会見で、政府の観光支援事業「Go To トラベル」に関して「今でなければならないのか」と呼びかけました。東京都医師会の尾崎会長は8日の記者会見で、「国には是非お願いしたいことは、やはりGo To(キャンペーン)をはじめとした人の動きを是非止めていただきたい。一時でも止めていただきたい」と述べました。

医療人の一人として、GO TO キャンペーンの一時中止を強く求めるものです。

香川県保険医協会報2020年7月号の「主張」欄に、「すべての医療機関に減収補填を求めます」と題する文章を掲載しました。少し古い話題ですが、内容は今も通用するものなので、掲載します。

メディアでは「アフターコロナ」「ポストコロナ」など、あたかも新型コロナ感染症の終息の目途がたったかのようなキャンペーンが行われています、しかし、実際は新型コロナ感染症患者数が再び増加しています。最近も、香川県内で2例目、岡山県では初めてのクラスター感染が起きています。

これまでPCR検査が十分行われていなかったため数が増えている側面もありますが、これまできちんと必要なPCR検査を行っていたら、今と同じくらいの感染者があったのではないかという疑念も持ちます。

香川県保険医協会は、マスク不足問題を中心に会員FAXアンケートを行いメディアに公表し、大きな反響を得ました。5月度の保険医療収入についてのアンケート結果では、「病院は100%が減収、医科では9割以上、歯科では7割以上、合計して8割以上の医療機関で減収となり、3割近い減収」として、香川県知事宛に「すべての医療機関の減収補填に関する要望書」を提出しました。

日本医師会も各都道府県 10~20 の医療機関の抽出調査で、外来ではマイナス17%と公表しています。保団連が加盟する医療団体連絡会議の記者発表で、住江憲勇保団連会長は、感染への恐れから医療機関の受診を控える患者が増えていることを指摘。「収入が2~3割減り、運転資金の不足を起こしかねない状況。減収分を国庫で補填すべき」と語りました。

いま、多くの医療機関で、外来患者の減収で経営危機に瀕しています。この状態は医療機関の独自の努力で解決するものではありません。予測される第2波の感染爆発時に第一線医療がその役割を果たさなければ、国民の健康を守る医療機関の本来の役割を果たすことはできません。

まあ、感染患者に対応する市中病院をはじめ、基幹病院も役割を果たすことはできないでしょう。公立病院の多くも独立行政法人化により、簡単には公賓の投入ができないような仕組みになっています。

すべての医療機関に減収補填を行い、第2波・第3波に備える必要があります。