第1161回:アスベスト訴訟で国の責任が確定し、一人親方の救済にも道が開けました

建設アスベスト訴訟で、最高裁第1小法廷は、国の上告を退ける決定を行ったことが16日に明らかになりました。

アスベストの輸入は、戦後の経済復興と共に増加し、72年にWHOがアスベストの発がん性を明確にし、86年にILOが、危険性の高い青石綿などを使用禁止する石綿条約162号を採択した後も90年初頭まで大量輸入し、使い続けて来ました。

今回の決定は、国が本来果たすべき役割をはたしていなかったことを明らかにしただけでなく、「一人親方」の被害も認めたことが重要です。これまでは、一人親方は、「労働者」ではないという判断で、労災認定を受ける権利を認められていませんでした。

明らかに下請けとして働く労働者であっても、一人親方だという理由だけで労災認定を何度も却下されてきましたから、個人的にも一歩前進したという思いです。

まだまだ、救済されていない患者はたくさんいます。引き続きアスベスト労災の取り組みを続けなければと感じた判決でした。