毎週火曜日・金曜日更新予定。理事長ブログ

Monthly Archives: 5月 2019

6月1日、善通寺診療所は50周年を迎えます。

そこで、記念Tシャツを作ってみました。シャツの色は青とピンク、マークは医療福祉生協連のマークですが、色の種類の制限があり、本物とは色が違いますがそこはご愛敬ということにしました。

しばらく、これを着て診療です。

地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイトルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2019年5月19日付(第1814号)に掲載した、「入院から在宅へ」の流れを考える(その13)の後半です。

「生活困窮者」とは何かというと、18年3月30日発出の「疑義解釈資料の送付について(その1)」によれば、「生活困窮者とは、生活困窮者自立支援法第2条第1項(※)の生活困窮者(現に経済的に困窮し、最低限度の生活を維持することができなくなるおそれのある者)をいうが、具体的な判断は、個々の患者の状況に応じて対応されたい」となっています。

施設基準では、「入院前支援を行う担当者を病床規模に応じた必要数、入退院支援部門に配置すること」が求められます。

従来の退院支援加算では、要件の厳しい退院支援加算1の場合、入院後3日以内に退院困難な要因を有する患者を抽出し、7日以内に患者・家族と面談し、カンファレンスを実施することになっていました。

今回改定では、入院の予定が決まった患者に対し、入院中の治療や入院生活に係る計画に備え、入院前に必要な支援を行い、入院中の看護や栄養管理等に係る療養支援の計画を立て、患者及び関係者と共有すること、になり、入院時支援加算が算定できます。

緊急入院の場合は、入退院支援加算は算定できるが、入院時支援加算は、当然ながら算定できません。

入院前の必要な支援とは、①身体的・社会的・精神的背景を含めた患者情報、②褥瘡に関する危険因子の評価、③栄養状態の評価、④持参薬の確認、⑤入院中に行われる治療・検査の説明、⑥入院生活の説明、⑦退院困難な要因の有無の評価です。

また、退院時共同指導についても、医師、看護職員以外の医療従事者が共同指導する場合も評価対象とする、と変更され、「地域において当該患者の退院後の在宅療養を担う保険医療機関の保険医又は当該保険医の指示を受けた看護師等、薬剤師、管理栄養士、理学療法士等若しくは社会福祉士が、患者の同意を得て、退院後の在宅での療養上必要な説明及び指導を、入院中の保険医療機関の保険医、看護師等、薬剤師、管理栄養士、理学療法士等又は社会福祉士と共同して行った上で」と変更になり、これまでより利用しやすくなりました。


※生活困窮者自立支援法の第3条1項の誤りです
ちなみに第3条1項は、この法律において「生活困窮者」とは、就労の状況、心身の状況、地域社会との関係性その他の事情により、現に経済的に困窮し、最低限度の生活を維持することができなくなるおそれのある者をいう、となっています。

5月23日、四国こどもとおとなの医療センターの4Fこもれびホールで、第14回地域連携懇談会(四国こどもとおとなの医療センター、香川医療生協善通寺診療所・訪問看護ステーションほがらか・訪問ヘルパーステーションほがらか共催)が開催され、24の事業所から89名が参加し、熱心な討議が行われました。

今回は少し視点を変えて、しょうがい者生活支援センターふらっとの冨田相談支援員が、「障がい者福祉サービス利用の方のショートステイ利用事例」と題して、障害者総合支援法に基づく事業と取り組みについて報告しました。

医療・福祉事業を行っていると、事業を利用する方が対象になりますが、障害をもった方の家族が入院する場合、その期間、障害者を誰が見るのかということが問題になります。今回の報告は、診療所、病院、しょうがい者生活支援センター等の連携がうまくいったケースの報告でした。

もう1本は、高松平和病院の服部MSWが「香川医療生協における無料低額診療事業」と題して、「無差別・平等」の理念の実践の取り組みを報告しました。

無料低額診療事業についてはあまり知られていないため、新鮮な受け止めがあったようです。

この懇談会は開始してから8年目に入ります。さらに取り組みを広げ、機会があれば報告していきたいと思います。

こもれびホールをお借りしました

広い、こもれびホールをお借りしました

地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイトルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2019年5月19日付(第1814号)に掲載した、「入院から在宅へ」の流れを考える(その13)の前半です。

2018年5月から、「入院から在宅へ」の流れを考えると題し、診療報酬の18改定で、入院日数を短くするための仕組みの「退院支援」が「入退院支援」と変更されたと書き、その理由や背景について考えてきました。過去の経緯も含めて振り返っていたら、この内容での連載が一年経過しました。今回は18改定の狙いについて触れます。

18年3月5日に開催された18改定の説明会で、厚生労働省保険局医療課長は、「病気になり入院しても住み慣れた地域で継続して生活できるよう、また、入院前から関係者との連携を推進するために、入院前からの支援の強化や退院時の地域の関係者との連携を推進するなど、切れ目のない支援となるよう評価を見直す」ことになったと説明しました。

そのため、①退院支援加算は、入院早期から退院後までの切れ目のない支援を評価していることから、加算の名称を「入退院支援加算」に見直す。②入院を予定している患者が入院生活や入院後にどのような治療過程を経るのかをイメージでき、安心して入院医療を受けられるような、より優しく丁寧な医療を推進する観点から、外来において、入院中に行われる治療の説明、入院生活に関するオリエンテーション、持参薬の確認、褥瘡・栄養スクリーニング等を実施し、支援を行った場合の評価を新設する。としました。

入院早期からでは対応が遅くなるので、可能な場合は入院前から対策しようというわけです。

入退院支援の対象となる患者は、①悪性腫瘍、認知症又は誤嚥性肺炎等の急性呼吸器感染症のいずれか、②緊急入院、③要介護認定が未申請、④虐待を受けている又はその疑いがある、⑤生活困窮者、⑥入院前に比べADLが低下し、退院後の生活様式の再編が必要・排泄に介助を要する、⑦同居者の有無に関わらず、必要な養育又は介護を十分に提供できる状況にない、⑧退院後に医療処置が必要・入退院を繰り返している、であり、今回から④と⑤が追加になりました。

(次回に続く)

5/13「毎日」は、以下のように報じました。

内閣府が13日公表した3月の景気動向指数(CI、速報値)は、景気の現状を示す一致指数(2015年=100)が99.6と、前月から0.9ポイント下落し、景気の基調判断をこれまでの「下方への局面変化」から「悪化」に引き下げた。基調判断が「悪化」になるのは13年1月以来、6年2カ月ぶり。……この表現は景気が後退局面にある可能性が高いことを示す。

このまま景気が後退する中で、10月から消費税増税を強行すれば景気はさらに悪化し、国民生活に大きな影響をもたらします。

消費税増税は中止すべきです。

地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイトルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2019年4月21日付(第1811号)に掲載した、「入院から在宅へ」の流れを考える(その12)の後半です。

FIM(機能的自立度評価法)の評価項目は、運動項目と認知項目の計18項目があり、各項目を1点〜7点の7段階で評価します。「一定の水準」を評価するのにはFIMの運動項目が用いられ、13項目あるので「満点」なら13×7で、91点になります。

もともとADLが高いもの(76点以上)、低いもの(20点以下)、高齢者(80歳以上)、認知機能の障害が大きいもの(FIM 認知項目24点以下)は除外できます。1回の入院あたりのFIMの運動項目の得点を入院時と退院時に計算し、その変化で評価するものです。計算式はややこしいので省略しますが、いずれにしても、効果が見込める患者をセレクトする危険性は否めません。

16改定の結果がどうであったか、17年10月25日に開催された第365回中央社会保険医療協議会で報告された内容から見ると、回リハ病棟に入院する患者の約7割が75歳以上、最も点数の高い「入院料1」では脳梗塞が一番多く、ついで脊髄損傷を除く骨折・外傷などでした。認知症高齢者の日常生活自立度では、「Ⅲ以上」(※)が2割を占めていました。

高齢で、リハビリ効果がすぐに出るとは限らない疾病が多く、認知症も少なくないという中でのリハビリに「実績」を求めるのは、かなり無理のある制度ではないかと思います。

医療機関としては、制度改変に合わせた「対応」を行いますから、17年は15年に比べ、重症患者で退院時の日常生活機能評価が入院時より改善した患者が多い、平均在院日数も短い、在宅復帰率も高い、など「成果」はでていると思います。しかし、これらは入院時の患者のセレクトがなかったのかどうか、患者の満足度はどうかなど、多面的に検討する必要があると思います。

その他、16改定では、摂食機能療法の経口摂取加算、ニコチン依存症管理料でも「成果主義」と言える評価が導入されました。


※認知症高齢者の日常生活自立度

Ⅰは認知症があっても日常生活がほぼ自立している。

Ⅲは日常生活に支障があり介護が必要、です。

地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイトルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2019年4月21日付(第1811号)に掲載した、「入院から在宅へ」の流れを考える(その12)の前半です。

16改定では、改定の基本的視点の2番目に、「患者にとって安心・安全で納得できる効果的・効率的で質が高い医療を実現する視点」があげられました。具体的には、「患者にとって、医療の安心・安全が確保されていることは当然のことであるが」「第三者による評価やアウトカム評価など客観的な評価を進めながら、適切な情報に基づき、患者自身が納得して主体的に医療を選択できるようにすることや、病気を治すだけでなく、『生活の質』を高める『治し、支える医療』を実現することが重要である」としています。

「質の高いリハビリテーションの評価等、患者の早期の機能回復の推進・質の高いリハビリテーションの評価など、アウトカムにも着目した評価を進め、患者の早期の機能回復を推進」する目的で、診療報酬に「成果主義」が持ち込まれました。

「アウトカム」とは、成果を意味しますが、診療報酬の点数項目に最初に取り入れられたのは08年で、回復期リハビリテーション(以下、回リハ)入院料に対して、重症患者の受け入れ割合とADL(日常生活動作)の改善度、在宅復帰率を対象として試行的に導入されたのが最初です。

16改定では、回リハ入院料に対して、リハビリテーション(以下、リハ)の効果に係る水準が一定に達しない医療機関は、保険で請求できる上限額が決まってしまう制度が導入されました。

リハビリの実績(効果)が一定の水準を下回る場合、1日6単位以上の疾患別リハビリ料は回リハ病棟の入院料に含められるというもので、要するに6単以上はいくらやっても保険請求できないということになります。

今回、このリハの実績の評価基準に、FIMが用いられることになりました。FIMとは、「Functional Independence Measure」の略語で、「機能的自立度評価法」のことです。実際の日常生活動作等を評価するため、変化を確認するのに最適とされています。

(次回に続く)