毎週火曜日・金曜日更新予定。理事長ブログ

Monthly Archives: 11月 2019

11月12日に香川県のアスベスト対策について、香川民医連と香川アスベスト被害者を守る友の会で、県の環境森林部環境管理課の方と懇談を行いました。

私は香川アスベスト被害者を守る友の会の会長の立場から、40年近いアスベスト問題に対する活動をかいつまんで紹介しました。事前に民医連医療2006年5月号に私が書いた「香川民医連におけるじん肺・アスベスト問題に対する取り組み」を渡ししておき、これまでの取り組みを理解していただいたので話し合いはスムーズに進みました。

アスベスト対策は地方自治体の取り組みが中心となりますが、都道府県レベルで地方独自に条例を定めているのは10都府県(2015年時点)で、香川県もその一つです。

アスベストは飛散のしやすさについてレベルを設定し、吹き付け石綿などの飛散しやすいものをレベル1、屋根瓦として用いられる「スレート」、外壁材となっている「サイディング」、断熱材への使用などがレベル3で、日常生活において飛散の心配はありませんが、大震災、この夏の水害などで被災した建物を処分する際には、飛散する可能性があります。したがって、規制はレベル3まで決めておかないと東南海地震や水害など、香川県でも問題が発生する可能性があります。

2015年現在で、都道府県レベルでレベル3まで対応した条例を作っているのは、大阪府、兵庫県、鳥取県の3府県です。

条例を作っていることは大きく評価しながら、レベル3対応の条例を作るべきであることを強調しておきました。

県の取り組みをいろいろ伺うこともでき有意義な懇談になりました。引き続き自治体との懇談など積極的な提案を行う活動をすすめていきたいと思います。

県庁の会議室をお借りして懇談しました

11月14日、四国こどもとおとなの医療センターの4Fこもれびホールで、第15回地域連携懇談会(香川県看護協会第6支部、四国こどもとおとなの医療センター、香川医療生協善通寺診療所・訪問看護ステーションほがらか・訪問ヘルパーステーションほがらか共催)が開催され、21の事業所から82名が参加し、熱心な討議が行われました。

開会あいさつは、四国こどもとおとなの医療センターの地域医療連携室の東野恒作先生が行い、「病院と地域の医療・介護事業者が連携できる、顔の見える関係を作ろう」と呼びかけました。

今回から、香川県看護協会第6支部(善通寺市、丸亀市綾歌町、綾川町、琴平町、まんのう町)との共催に変わりました。看護協会の活動を紹介したもらうために、今年の6月総会で新たに会長に就任した、安藤幸代さんから講演をいただきました。

看護協会の19年度重点課題は、以下の4点です。

Ⅰ.地域包括ケアにおける看護の機能強化

Ⅱ.看護職の働き方改革の推進

Ⅲ.少子超高齢社会で活躍する人材育成

Ⅳ.看護政策について熟知し、政策実現活動に参画

この4本柱に合わせて講演して頂きました。

そのあと、12のグループにわかれグループワークを行い、交流を深めました。詳細は、後日報告しますが、閉会あいさつで、私は以下のように述べました。

・この取り組みも8年目に入った。継続は力なりだと感じている

・厚労省の書いた地域包括ケアシステムの図には、病院や診療所の関係を実線でつないでいるが、実態はそうではなく点線になっているではないか

・病院は患者を退院させたらそれでいったん終了。診療所は入院になったらそれで終わり、となっているのが実態

・この「点線」を「実線」に変えていくために、顔の見える連携を進めよう

次回は、2020年4月23日の予定です。

会場の様子です

11月1日に開催された財政制度等審議会財政制度分科会について、増田寛也分科会会長代理(東京大学公共政策大学院客員教授元・岩手県知事・総務大臣)は、記者会見で委員の意見を公表しました。(m3.com より引用)

  • 受診時定額負担には賛成。
  • 後期高齢者の窓口負担は能力に応じた負担とすることが必要。
  • 新たに75歳になる人の自己負担割合を2割で維持することは、2022年から団塊の世代が後期高齢者になることを踏まえると、先送りはできない。
  • 全世代型社会保障の改革ということで議論が進められているが、若い世代の負担の抑制が鍵になるのではないか。新たに75歳になる患者の2割負担を維持することと、現役並み所得の判断基準の見直しは重要性が高く、早期に実行するべきだ。
  • 高額医療の在り方について、費用対効果をよく見て選定していく必要がある。
  • 保険制度のリスクをカバーしていくためのものとして、受診時定額負担をぜひ導入するべきだ。診療報酬は本体部分の抑制に手をつけるべきだ。
  • 薬剤の保険給付範囲の見直しは、給付の中身を適正化する観点から進めるべきだ。

など、負担増の議論になっています。議論はこれからですから、現場の声を出していく必要があります。

10月20日に開催された、第12回APHCO(アジア太平洋地域保健協同組合協議会)総会の日本からの報告(大要)を紹介します。報告者は髙橋淳APHCO理事(医療福祉生協連代表理事会長理事)です。

日本では7月に参議院選挙が行われた。安倍政権は憲法9条に自衛隊を明記する改正案を発議しようとしているが、改正に賛成する議員の議席を3分の2以上獲得することができなかった。医療福祉生協連は憲法改正により自衛隊の無制限な海外の武力行使につながることに反対の立場を表明してきた。あらゆる武力行使に反対する立場に変わりはない。

医療福祉生協連は2030年のありたい姿、ビジョンを作成中である。テーマは「誰もが健康でくらせるまちへの挑戦」である。提案は4つの項目にまとめられている。

1番目は「地域に人と人のつながる場があふれ、誰もが人生を明るく、楽しく生きるための健康づくり、まちづくりをすすめています」

2番目は「安全・安心で満足できる事業を地域の組合員と職員の協同で創り出し、多くの人が利用しています」

3番目は「組合員や地域の健康とくらしを支えるために必要な利益をうみだす経営を実現しています。人がつどい、ともに学びあい、発展し続ける組織を目指します」

4番目は「人権・信条・ジェンダー・世代・社会的経済的背景の異なる人々が、互いに尊重し合う平和な社会をつくるため、積極的な役割をはたしています」

日本は世界で最もすすんだ高齢社会と少子化に直面している。認知症や障がいをもつ人の比率がどんどん上昇している。社会経済的な格差が拡大し、貧困の世代間連鎖が将来の国の基盤をゆるがしている。

医療福祉生協連は日本国憲法の精神にもとづき、政府や自治体が適切な税収と所得再分配政策を採用すべきと考えている。同時に住民が主体となりまちづくりをしていくこともきわめて重要であり、私たちの活動が日本社会に大きく貢献することを望んでいる。

11月1日に開催された財政制度等審議会財政制度分科会で、財務省は「過去10年間で国民医療費は平均2.4%/年のペースで増加。このうち、高齢化等の要因による増加は平均1.1%/年であり、残りの半分程度は人口増減や高齢化の影響とは関係のない要素によるもの。高齢化等の要因による増加の範囲に収めるためには、診療報酬改定において2年間で2%半ば以上のマイナス改定とする必要がある」としました。

日本医師会の横倉会長は「診療報酬本体は基本的には医療に携わる方の給与費であり、本体の引き下げは、『給与費を下げなさい』ということ。社会は今、給与を上げる風潮にある。それに反することになれば、それはとんでもない話。約200万人の医療関係の仕事をしている人だけを置いてきぼりにするのか。本体は常に、賃金の動向に応じた引き上げが必要」と反論しました。

消費税増税による打撃、医療・介護職の人手不足など、医療機関の経営は大変です。病院病床の削減政策も行われようとしています。

皆保険制度を守り、安心して治療を受ける環境を整えるためにも、医療報酬本体の引き下げを行うべきではありません。