第1072回:第12回APHCO総会がWEB会議で開催されました(その3)日本からの報告

10月20日に開催された、第12回APHCO(アジア太平洋地域保健協同組合協議会)総会の日本からの報告(大要)を紹介します。報告者は髙橋淳APHCO理事(医療福祉生協連代表理事会長理事)です。

日本では7月に参議院選挙が行われた。安倍政権は憲法9条に自衛隊を明記する改正案を発議しようとしているが、改正に賛成する議員の議席を3分の2以上獲得することができなかった。医療福祉生協連は憲法改正により自衛隊の無制限な海外の武力行使につながることに反対の立場を表明してきた。あらゆる武力行使に反対する立場に変わりはない。

医療福祉生協連は2030年のありたい姿、ビジョンを作成中である。テーマは「誰もが健康でくらせるまちへの挑戦」である。提案は4つの項目にまとめられている。

1番目は「地域に人と人のつながる場があふれ、誰もが人生を明るく、楽しく生きるための健康づくり、まちづくりをすすめています」

2番目は「安全・安心で満足できる事業を地域の組合員と職員の協同で創り出し、多くの人が利用しています」

3番目は「組合員や地域の健康とくらしを支えるために必要な利益をうみだす経営を実現しています。人がつどい、ともに学びあい、発展し続ける組織を目指します」

4番目は「人権・信条・ジェンダー・世代・社会的経済的背景の異なる人々が、互いに尊重し合う平和な社会をつくるため、積極的な役割をはたしています」

日本は世界で最もすすんだ高齢社会と少子化に直面している。認知症や障がいをもつ人の比率がどんどん上昇している。社会経済的な格差が拡大し、貧困の世代間連鎖が将来の国の基盤をゆるがしている。

医療福祉生協連は日本国憲法の精神にもとづき、政府や自治体が適切な税収と所得再分配政策を採用すべきと考えている。同時に住民が主体となりまちづくりをしていくこともきわめて重要であり、私たちの活動が日本社会に大きく貢献することを望んでいる。