毎週火曜日・金曜日更新予定。理事長ブログ

Monthly Archives: 6月 2018

6月17日に高松市内で、香川県保険医協会第37回定期総会が開催されました。総会で採択された「決議」を紹介します。

4月の診療報酬改定は全体としてマイナス改定であり、本体部分の「プラス改定」も医療経営を改善させるには程遠いものであった。現在策定中の「骨太方針2018」ではさらなる社会保障費の削減を狙っている。

非正規労働者が2000万人を超え、いわゆる「アベノミクス」により大企業の経営は改善しているが、多くの国民の給与所得額は減少、こどもの6人に1人が貧困の状態にあり、貧困と格差が広がっている。医療費の負担増をこれ以上押し付けるなら、受診抑制と患者の重症化が懸念される。

安倍政権は、「モリ・カケ」問題や「働き方改革」をはじめ、公文書の改ざんやデータのねつ造、文書の隠ぺいなど、およそ法治国家では考えられない失態を表している。

いまこそ、議会制民主主義、国民主権が輝く政治を求めるものであり、必要な医療・介護が安心して受けられる社会保障の充実を望むものである。

我々は、国民医療の確保のため、直ちに次の事項を実現するよう要求する。

同時に、人命を守る医療者として平和を希求するとともに、解釈改憲による「海外で戦争する国」づくりに反対し、平和と民主主義を守る取り組みを進める。

一 医療・介護等の社会保障の抑制・削減方針を転換し充実させること
一 患者の窓口負担増計画は止めること
一 消費税増税は中止し、医療への消費税課税には「ゼロ税率」を適用すること
一 審査、指導、監査等は、保険医の人権と患者の療養権が確保されるよう改善すること
一 国民生活を守るため、憲法9条・25条を始め日本国憲法を守ること
一 すべての原発を廃炉にし、原発に依存しないエネルギー政策に転換すること
一 憲法違反の「安保法制」「共謀罪」法は廃止すること

6月24日に高松市内で、香川医療生協の第39期第50回通常総代会が開催されました。総代定数250人中246人の出席(実出席164人、書面議決書82人)で、私は代表理事理事長として、開会あいさつを行いました。以下、その大要を紹介します。

2017年度は、「香川医療生協の地域包括ケア」を具体化するために、3つのつくろうチャレンジをすすめてきました。事業所のない小豆島で、空き家を利用した居場所である「どんぐりころころ」が開所し、地域に喜ばれています。全県下に広がっているとはまだ言えませんが、こういった取り組みを広げていきたいと思います。

健康づくりの取組みでは、健康チャレンジが6,000名を超える規模で広がりました。また、フレイル予防に向けた体力測定なども広がっています。今年は、この取り組みをさらに進めていきたいと思います。

6月7日に開かれた、日本医療福祉生活協同組合連合会の総会学習会は、「組合員参加が事業の質を高める」と題して行われました。私たちの組織の最大の特徴は、ともに組合員として生協を担う地域住民と医療や福祉を担う専門職が、それぞれ主体者として協力しあうことにあります。居場所づくりや健康づくりの活動を通じて、あらたな飛躍を作り出しましょう。

昨年秋、臨時国会冒頭解散による突然の総選挙で、与党は改憲発議に必要な3分の2の議席を獲得しました。国会では9条を含めた「憲法改正」に向けた議論が加速しています。

極東アジア地域をはじめとするさまざまな脅威を盾に、安全保障法制やいわゆる「共謀罪法」の採決を強行し、南スーダンやイラクでの日報を「隠し続けた」自衛隊幹部と政府に多くの国民は疑問を感じています。

一方、米朝対話による緊張緩和の流れや、国連での核兵器禁止条約の採択、国際NGO・ICANのノーベル平和賞の受賞など、世界では対話による平和の実現、核兵器廃絶の動きが進み始めています。

「健康をつくる。平和をつくる。いのち輝く社会をつくる。」を理念にもつ医療福祉生協として、一人一人が自分で考え判断できるように学習を進め、日本国憲法の恒久平和主義と立憲主義、国民主権を守り活かす活動をすすめていきましょう

6月8日(金)東京都内で、医療福祉生協連第8回通常総会が開かれました。私は代表理事会長理事として開会あいさつを行いました。今回は、その後半です。

私たちの組織の最大の特徴は、ともに組合員として生協を担う地域住民と医療や福祉を担う専門職が、それぞれ主体者として協力しあうことにあり、その優位性を事業と活動の全ての場面で活かすことを大切にしてきました。そして、医療機関・介護事業所などを所有・運営し、地域のよりどころとしての居場所も増やすことを通じて、その特徴を最大限に生かしあらたな飛躍を作り出したいと思います。

戦後、憲法・平和をめぐって今ほど緊迫した情勢はありません。

極東アジア地域をはじめとするさまざまな脅威を盾に、安全保障法制やいわゆる「共謀罪法」の採決を強行し、南スーダンやイラクでの日報を「隠し続けた」自衛隊幹部と政府に多くの国民は疑問を感じています。

会場の風景です

会場の風景です

2017年10月、突然の臨時国会冒頭解散による第48回衆議院選挙で、与党は改憲発議に必要な3分の2の議席を獲得しました。国会では9条を含めた「憲法改正」に向けた議論が加速しています。立憲主義、平和主義、国民主権は、今、大変な危機に立たされています。一方、世界では、核兵器廃絶を求める声が、大きく広がっています。一人ひとりが主権者としてしっかり判断できるよう学び、対話を広げることがこれまで以上に重要になっています。

発災から7年を迎えた東日本大震災と東京電力福島第1原子力発電所事故では、震災関連死を含め2万2000人以上が犠牲になり、津波や東京電力福島第1原発事故の被害などで、いまなお約7万3000人が避難生活を余儀なくされています。

しかし、まるで何事も無かったかのように原発の再稼働が予定され、被災地への支援が打ち切られていく状況は、私たちの願いとは遠くかけ離れたものとなっています。

被災地の人たちの苦しみと悲しみに寄り添い、ひきつづき支援に力を尽くす決意を申し上げます。

6月8日(金)東京都内で、医療福祉生協連第8回通常総会が開かれました。

私は代表理事会長理事として開会あいさつを行いました。今回は、その前半です。

2017年度、私たち医療福祉生協連は、全国の組合員の力で2018年の3月に、300万組合員を達成することができました。全国の医療福祉生協で活動を見せる化し、共感をひろげ、新たなつながりを積極的に加入に結びつけてきた結果です。目標の達成をともに喜びあうとともに、新たな峰である400万組合員の実現に向けて足を踏み出したいと思います。

会長あいさつです

会長あいさつです

2017年度を通して、私たちは「医療福祉生協の地域包括ケア」の実践を着実につみ重ね、力を蓄えてきました。必要な人が必要なサービスを受けられるように制度の充実を求めながら、制度がカバーできない幅広い生活要求に対しては、地域のさまざまな組織・住民の「ともに」の助け合いによって、地域に安心のネットワークを作ってきました。

私たちは、まちづくりの将来設計図を描くために、「3つの戦略」づくりをすすめてきました。また、3つの「つくろうチャレンジ」のとりくみを通じて、多くの医療福祉生協が「健康チャレンジ」「すこしお生活」「フレイル予防」にとりくみ、多世代型の健康づくりとして新たな広がりをつくってきました。そして、地域組合員と職員組合員の連携の仕組みづくりがすすみ、在宅カンファアレンスや退院患者訪問等への地域組合員参加や、「私と地域の困った」へのとりくみなど、「くらしを支える視点」での広範な実践が全国の医療福祉生協で取り組まれました。

社会保障と税の一体改革がすすめられ、国や自治体の公的責任が後退しています。社会保障すべての分野で給付が制限され、国民の負担が増加し、国民の健康度に影響を及ぼすと心配されます。2017年度上半期経営概況調査では、会員生協の過半数が赤字であり、この4月より実施されている医療・介護の制度改訂と、診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬の改定は、会員生協の経営に深刻に影響を及ぼします。

6月7日(木)東京都内で、医療福祉生協連第8回通常総会方針学習会が開かれ、200人近い参加がありました。

今回の学習会のテーマは「組合員参加が事業の質を高める―医療福祉生協の総合力を活かす―」で、大阪大学大学院人間科学研究科の斉藤弥生教授に講演をしていただきました。各地の報告として、名古屋市の南医療生協の川津副理事長が、「おたがいさまの家いっぷく」づくりから「住民主体型サポート事業所ちゃっと」づくりへ、と題した報告が、高知医療生協の高橋組織部長が、住民団体としての連携がつくりだす活動の変化と題する報告が行われました。

いずれも、医療福祉生協の地域包括ケアを進めるうえで重要な指摘や、先進的な取り組みを報告して頂き、有意義な学習会でした。

国土交通省は6月1日から、バスやトラック、タクシーの運転手を対象に、運行管理者が運転手に対して乗務前に「睡眠不足」のチェックをすることを追加しました。

これまでも「疾病」や「疲労」の状況を確認することが義務付けられていましたが、「睡眠不足」の場合もドライバーを乗務させてはならないとしました。国土交通省の石井大臣は「働き方改革を進める視点からも重要」としています。

ヨーロッパでは(すべての国が同じかどうかは知りませんが)、労働時間規制が厳しく、1日の終わりにホテルまでバスで送ってくれなくて、いったんホテルに寄ってスーツケースを下してから観光地に移動しバス乗車は終了、あとは歩いてホテルに移動ということもあります(まあそれほど長距離ではありませんが)。また、運転手の休憩時間を確保するためにトイレ休憩が45分というのもあります。

今回の国土交通省の対策は、運転手の自主規制、会社まかせの側面が強く、乗客と運転手の安全の確保ができるかどうかは疑問です。「働き方改革」というなら、労働時間の制限、勤務と勤務の間のインターバル時間の確保など、もっと根本的な対策が必要ではないでしょうか

地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイトルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2018年5月20日(第1779号)に掲載した、「入院から在宅へ」の流れを考える(その1)の後半部分です。

これまで、入院した時から「次の病院や施設を早く探しておくように」と言われていたことを考えると(今でもよくありますが)、転院・入所等を促進する仕組みを作ること自体は改善と言えるかもしれません。しかし、問題点も多いと思います。今号から、しばらく、入院医療をめぐる医療制度の流れを歴史的に考えてみます。

1983年2月に老人保健法が施行されました。それに伴い、年齢に関係なく同一であった診療報酬が、「70歳以上の者及び65歳以上の寝たきり老人」のみに適応される「老人診療報酬点数表」が創設され、包括点数(いわゆるマルメ)の導入や在宅医療を推進する「高齢者の心身の特性に着目した評価」が行われるようになりました。

しかし、「年齢により医療費が異なる制度」は世界にも類例がなく、国会でも、差別医療制度と問題になったことがあります。

この問題に対して、08年4月から「高齢者医療制度の創設が予定」されていたこともあり、06年4月の診療報酬改定では、「簡素化の観点から老人診療報酬点数にのみ存在する診療報酬項目や、同一の診療行為に対する評価が老人診療報酬点数表と医科診療報酬点数表で異なる診療報酬の項目については」、基本的に統一されました。

地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイトルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2018年5月20日(第1779号)に掲載した、「入院から在宅へ」の流れを考える(その1)の前半部分です。

厚労省は、医療費削減を目的として「入院から在宅へ」の仕組みづくりに力を入れています。今回の診療報酬改定で、入院日数を短くするための仕組みの「退院支援」を「入退院支援」と変更しました。入院する前から対策をとろうという訳です。その理由と背景について考えてみます。

17年12月8日に開催された第377回中医協(中央社会保険医療協議会)総会に提出された資料によれば、「従来の退院支援については、入院前の外来・在宅~入院中~退院後の外来・在宅まで、切れ目のない支援が重要であることから、『入退院支援』との呼称に改め」る。「入院前の支援の例として、入院生活の説明、持参薬の確認、入院前に利用していたサービス等の確認などが想定される」としています。


在宅医療を推進することを意味する「川上から川下へ」という言葉もよく使われます。

13年8月6日、「社会保障制度改革国民会議報告書」が出され、以下のように、入院医療が取り上げられています。

Ⅱ 医療・介護分野の改革

1 改革が求められる背景と社会保障制度改革国民会議の使命

(3)改革の方向性

② 機能分化とネットワークの構築
の項の中で

・「病院完結型」の医療から「地域完結型」の医療への転換が成功すると、これまで1 つの病院に居続けることのできた患者は、病状に見合った医療施設、介護施設、さらには在宅へと移動を求められることになる。

・居場所の移動を伴いながら利用者のQOLを維持し家族の不安を緩和していくためには、提供側が移動先への紹介を準備するシステムの確立が求められる。ゆえに、高度急性期から在宅介護までの一連の流れ、容態急変時に逆流することさえある流れにおいて、川上に位置する病床の機能分化という政策の展開は、退院患者の受入れ体制の整備という川下の政策と同時に行われるべきものであり、川上から川下までの提供者間のネットワーク化は新しい医療・介護制度の下では必要不可欠となる。

・そして、こうしたネットワークの中で、患者の移動が円滑に行われるよう、医療機関側だけでなく、患者側にもインセンティブが働くシステムとなることが望ましい。