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Monthly Archives: 11月 2018

11月22日、四国こどもとおとなの医療センターの4Fこもれびホールで、第13回地域連携懇談会(四国こどもとおとなの医療センター、香川医療生協善通寺診療所・訪問看護ステーションほがらか・訪問ヘルパーステーションほがらか共催)が開催され、28の事業所から87名が参加し、熱心な討議が行われました。

今回はこどもとおとなの医療センターからの報告で、梶川愛一郎特命副院長(地域医療連携室長)が、「地域包括ケアシステムにおける急性期病院の役割 ~ 地域との連携の強化 ~ 」と題して、医師体制の弱体化の中で、香川県で最も救急車の受け入れ件数が多い、中讃地域の中核病院の活動内容を報告しました。

急性期の疾患を受け入れても、スムーズに退院先を見つけ適切な療養環境を提供しなければ、「地域包括ケアシステム」が機能しない、そのためにも「システム」だけではなく、「ネットワーク」の構築が重要であると強調しました。

この地域連携懇談会のような、フラットな人間関係、顔の見える関係が重要であると感じました。

懇談会の様子です。
奥にみえるのが講演中の梶川先生です

地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイトルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2018年10月21日付(第1794号)に掲載した、「入院から在宅へ」の流れを考える(その6)の後半です。

また、08年から、後期高齢者や療養病棟・病床に入院中の患者等を対象に、「退院調整加算」が新設されます。退院困難な要因を有する入院中の後期高齢者で在宅での療養を希望するものや、療養病棟等に入院する患者で在宅療養を希望するものが対象とされます。

病院では、入院患者の退院に係る調整・支援に関する部門が設置されており、専従の看護師又は社会福祉士が1名以上配置されていること等が条件で、

(1) 入院早期に、退院に関する支援の必要性の評価を行っていること

(2) 支援の必要性が高い患者について、具体的な支援計画を作成すること

(3) 支援計画に基づいて患者又は家族に支援を行うこと

などが求められます。

また、06年には後期高齢者に対する「総合評価加算」が新設され、「病状の安定が見込まれた後できるだけ早期に、患者の基本的な日常生活能力、認知機能、意欲等について総合的な評価を行った場合に入院中1回に限り」50点を加算するというものです。

総合的な機能評価を踏まえ、退院困難な要因があるとされたものに対して、その要因の解消等を含めた退院支援計画を策定し退院調整を行うことを評価するために、先述の退院調整加算が設定されています。

高齢者の総合評価は、具体的に明記はされていませんが(こういったところが現場に混乱をもたらす原因なのですが)一般的には、「高齢者総合的機能評価(CGA)」が用いられています。

具体的には、以下の通りです。

1)日常生活活動度(歩行、排泄など)

2)家庭での生活手段の自立(料理など)

3)物忘れ、認知症の程度

4)精神行動異常の程度

5)抑うつなど気分障害、意欲

6)家族の介護能力、介護負担

7)在宅環境・社会サービス利用

これらを総合的に評価し、個人の生活や個別性を重視した医療・ケアを選択するという手法です。

地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイトルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2018年10月21日付(第1794号)に掲載した、「入院から在宅へ」の流れを考える(その6)の前半です。

06年改定では医療機関の連携の推進を目的に、地域連携診療計画管理料 地域連携診療計画管理料退院指導料が創設されました。

重複になりますが、06年の改定では、入院から速やかに在宅に移るための仕組みとして、大腿骨頚部骨折患者で骨接合術や人工骨頭置換術等を実施している患者を対象に「地域連携診療計画管理料(入院時)」1500点と、「地域連携診療計画退院時指導料(退院時)」1500点が新設されました。

入院時に算定するための条件は、平均在院日数17日以内の急性期病院で、退院後の連携を持つ病院は複数でないといけない、など限られた特定の医療機関同士での患者のやり取りは認めない、という縛りがあります。つまり、幅広く多くの地域の医療機関との連携をしなさいという訳です。

また、退院時に算定するためには、連携医療機関間で、地域連携パスに係る情報交換ための会合を定期的に開催、診療情報の共有が適切に行われているなどの条件があります。日常的に地域の医療機関同士で連携を持つことが必要だということです。

全国調査でも、該当病院では、大腿頸部骨折で入院した患者の泥亀在院日数は、05年度が38.2 日、06年度は33.0 日と5.2 日短縮されていました。この方式に効果があったということでしょう。08年からは対象疾患として脳卒中が追加されますが、対象患者が大幅に増えると予想されることから、点数は、入院時の計画料が1500点から900点に、退院時の指導料が1500点から600点に、大幅に引き下げられました。

脳卒中が対象に加えられるとともに、医療法第30条の4に基づく「医療計画」に記載されている病院または有床診療所と条件が付けられました。

「医療計画」とは、1985年の第一次医療法改正時に導入されたもので、都道府県が医療提供体制の確保を図るために定める行政計画のことです。この計画制度は、1985年の第一次医療法改正によってはじめて導入されたもので、18年度からは第7次医療計画がスタートしています。

消費税増税をこのまま許すのか、ということが大きな問題となっています。医療は非課税ということになっており、医療機関が医療に係る仕入れ(薬剤など)は、診療報酬で補てんされているということになっています。

これまで、医療機関が負担する消費税が診療報酬で十分補てんされていないのではないかという主張に対して、厚労省は診療報酬で補てんされていると説明してきました。

15年12月2日に開催された第316回中医協(中央社会保険医療協議会)で、「消費税率8%への引上げに伴う 補てん状況の把握結果について」という報告が行われました。内容は

・医療機関等全体で見た補てん差額は+54億円、補てん率は102.07%であった。

・病院、一般診療所、歯科診療所の補てん率は100%を上回った一方で、保険薬局の補てん率は100%を下回った。

・病院全体としての補てん率は100%を上回った一方で、特定機能病院やこども病院の補てん率は100%を下回った。

というものでした。

しかし、18年7月25日に開催された、中医協専門組織の「医療機関等における消費税負担に関する分科会」で、この報告が誤りであったことが明らかとなり、9月26日に開催された第399回中医協総会で報告されました。

誤りの原因は「DPC病院の包括部分の補てん状況の把握に不正確な点があった」「DPCレセプトでは、月跨ぎの入院について、該当月以前の入院日数も記録されるため」入院日数を過剰に計算したため、と説明しました。

その結果、再度調査をしたところ、病院では補てん率は85.0%など、診療報酬では正確には補てんされていないことが明らかとなりました。

消費税を引き上げた際に診療報酬を引き上げることは、患者に負担を強いることになります。消費税増税を中止するとともに、医療機関が被っている過剰な負担を解決すべきです。

安倍首相は10月15日午後の臨時閣議で、19年10月に消費税率を予定通り8%から10%へ引き上げると表明、「あらゆる政策を総動員し、経済に影響を及ぼさないよう全力で対応する」と述べました。駆け込み需要と反動減を抑えるための経済対策をまとめるよう関係閣僚に指示したとされます

クレジットカードや電子マネーを使用したらポイントで還元する、低所得者向けにプレミアム付きの商品券を配布する、などが伝えられていますが、増税分を次々と還元するなら、何のための消費税増税か、ということになります。

消費税増税で「経済対策」が必要になるのなら、消費税増税を中止するのが、最大で最も簡単な方法だと言えます。