第726回:医療福祉生協連第5回通常総会の会長挨拶を紹介します

 6月5日、医療福祉生協連の第5回通常総会が、東京都内で開催されました。代議員200名(実出席152名・委任出席7名・書面議決41名)と、役員・事務局・傍聴者・報道等65名の合計265名の参加がありました。
 私は会長理事として、開会挨拶を行ったので紹介します(大要)。

 2014年度を通して私たちは「医療福祉生協の地域包括ケア」について論議を重ね、その姿を明らかにしてきました。必要な人が必要なサービスを受けられるように制度の充実を求めながら、制度がカバーできない幅広い生活要求に対しては、住民の助け合いによって地域の高齢者を支えていく。医療福祉生協は、購買生協を含む多くの団体や人々と連携しつつ、地域の中でくらし続けられることができるよう「医療福祉生協の地域包括ケア」の実現にむけた実践に力を注いで行きたいと考えております。

 昨年は、介護保険制度見直しへの対応を日本生協連と一緒にすすめ、具体的な行動を行ったという点でも意義のある一年となりました。
両連合会で要望をとりまとめ、連名での「2015年度介護報酬改定に対する『生協の主張』」を発表することができ、会員生協が購買生協と一緒にとりくんだ「介護保険制度改定に向けた市町村訪問活動」では、昨年末までに28都府県150自治体を訪問しました。
 こうした連携は、“生協の介護”を広く知らせる役割を果たしました。こうしたとりくみは今年度もさらに大きく広げてまいります。

 昨日の学習会では、今年度健康づくりの重点課題としてとりくむ「医療福祉生協の減塩生活」に関して、様々な学びがありました。私どもは、「医療福祉生協の減塩生活」を「すこしお生活」と名付け、普及を図って参りたいと考えております。
 昨日も減塩ヌードルの試食をしていただきましたが、「すこしお生活」では、こうした体験から入る学びも重視し、24時間蓄尿塩分調査を成功させてその成果を発信すること、全国で10万人が参加する健康チャレンジを成功させること等、組合員の主体的な健康づくりで飛躍を作り出したいと思います。

 5月27日に、参考人質疑を除き、衆・参両院合わせて37時間の審議で「医療保険制度改革関連法」が成立しました。
入院時食事療養費の負担増で入院がしにくい状況が生まれるのではないか。患者申出療養制度が、6週間で新しい薬剤や治療法が行われることについて、安全性や有効性を確認できるのか、など不安や疑問が投げかけられています。医療の現場からの声を、大いに発信していく必要があるのではないでしょうか。

 日本国憲法の恒久平和主義を脅かす「平和安全法制関連法案」が国会で審議されています。集団的自衛権行使を具体化する一連の法案は、平和国家としての日本に対する国際的な信頼を傷つけ、日本が、海外で戦争する国になってしまうのではないかという深刻な懸念を引き起こしています。
 日本国憲法前文が掲げる「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないように」との決意が、私たち一人一人に求められています。
 医療福祉生協連は、理念に「健康をつくる、平和をつくる、いのち輝く社会をつくる」を掲げ、その実現にむけ事業と活動を行なっています。
 いのちを守る医療・福祉に携わるものとして、いのちをもっとも粗末にする戦争は、許すことができません。国のかたちを変えてしまう「平和安全法制関連法案」には反対の立場を表明するとともに、ご参加の皆さんには様々な形で世論を喚起する活動を広げていただくことを呼びかけます。

 最後になりますが、被災4年を迎えた東日本大震災と東京電力福島第1原子力発電所事故で被災された医療福祉生協の仲間に、一層の連帯を申し上げます。まるで何事も無かったかのように原発の再稼働が予定され、被災地への支援が打ち切られていく状況に、怒りを新たにするものです。
 理事会では、被災5年となる来年9月のトップセミナーを、福島県で開催することを決めました。
 被災地の仲間の苦悩と悲しみを忘れず、今後も継続的な支援に力を尽くす決意を申し上げます。