3月29日(日)午前、高松市内で、香川県保険医協会主催の「介護報酬検討会」が開催され、42人の参加で開催されました。司会は私が担当し、西山副理事長の開会挨拶ののち、私と田中眞治理事(高松協同病院院長)、蓮井宏樹理事(高松平和病院院長)が講師として、改定のポイントを説明しました。
今回の改定は4月1日から実施されるにも関わらず、告示(案)・通知(案)が3月3日に開催された「全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議」で示されたあと、正式な単位数告示は3月19日に、施設基準告示は3月23日に発出されました。さらに細かな解釈などを示す通知は、27日の金曜の夜に出されたため、正式のテキスト印刷が4月にずれ込むため、仮綴じ本を使って説明することになりました。
改定直前になりやっと改定内容が明らかになるという、厚生労働省の対応には強く抗議をしたいと思います。
全国保険医団体連合会(保団連)テキストの「発刊にあたって」を参考にして今回の介護報酬改定の特徴と問題点をまとめると、以下のようになります。
1.介護崩壊を食い止めるため、介護報酬のプラス改定が必要です
今回の改定は、本体部分でマイナス4.48%、介護職員の処遇改善部分を加算してもマイナス2.27%です。処遇改善と言っても介護職員の給与は介護報酬全体で賄うため、本体部分がマイナスなら処遇改善が十分なものになるかどうかは疑問です。「処遇改善」できなければ収入は激減しますから、ますます処遇が悪くなり、悪循環から介護崩壊が加速することになります。
介護担当者の労働条件を改善するために、介護報酬のプラス改定が求められます。
2.施設サービス費を引上げ、介護療養病床の廃止を撤回すべきです。
介護療養病床に、新たな要件を満たす療養機能強化型の報酬が設定されましたが、この要件を満たしたとしても、従来型の個室や多床室では7~33単位(※)の引下げで、機能強化型でなければ22~69単位の引下げです。介護老人保健施設(老健)も特別養護老人ホーム(特養)も引下げです。特養はさらに8月からは多床室にも部屋代にも自己負担が導入されるためさらに引き下げとなります。
(この項、続く)
※注:医療報酬は全国統一で1点10円ですが、介護報酬は地域により差があります。1単位は通常10円ですが、人件費の高い都市部では上乗せがあります。上乗せ割合が20%と最も高いのが1級地で東京都23区、上乗せ割合が16%の2級地が東京都多摩市、狛江市、神奈川県横浜市、川崎市、大阪府大阪市です。