第1180回:医療ひっ迫原因は民間医療機関の問題ではありません(その1)

地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2021年2月21日付(第1874号)に掲載した、「医療ひっ迫原因は民間医療機関の問題ではありません」の前半です。

感染症法やコロナ特措法の改正法が成立。問題が多く含まれているため、オンライン診療に関する連載の途中ですが触れておきたいと思います。

いわゆるコロナ特措法の正式名称は「新型インフルエンザ等対策特別措置法」です。もともとは新型インフルエンザに対する法律に、2020年に新型コロナウイルス感染症を追加したものです。

「改正特措法」では、「まん延防止等重点措置」が新たに設置されます。緊急事態宣言発令前の段階でも、都道府県知事は営業時間の変更などの措置が取れます。

「まん延防止等重点措置」では、都道府県が飲食店などの店舗や施設に対し
・従業員への検査勧奨
・発熱者等の入場禁止
・感染防止のための措置を行わない人の入場禁止などができます。

「改正感染症法」では、指定感染症の場合、入院を拒否したり、入院先から逃げたりした感染者に対しては、50万円以下の過料が科されます。刑事罰である罰金刑と異なり、行政罰で前科がつくわけではありませんが、最高50万円の支払いが命じられる厳しい罰です。

しかし、入院希望者がすべて入院できる状況にはありません。

清水忠史衆院議員(共産)は12月27日に発熱、大阪市保健所に連絡したらPCR検査は10日後になると言われ、熱が下がらないため4日後の31日に発熱外来のある医療機関を受診、抗原検査で陽性でした。しかし、保健所から「あなたの症状では入院できない」といわれました(※)。これが現状です。

今回の改正で厚労相や知事が医療機関に必要な協力を求めることができるとし、正当な理由なく応じなかった場合には勧告したうえで従わなかった場合は医療機関名を公表できる規定も盛り込まれました。

※しんぶん赤旗1月24・25日付