地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2020年9月20日付(第1860号)に掲載した、「新型コロナ感染症の医療機関への影響」(その4)の前半です。
9月10日、加藤厚労相は、日本医師会など18医療団体とオンライン形式で意見交換を行いました。その中で、医療機関の経営問題に触れ、「新型コロナウイルスに感染した患者への医療を含め、地域の医療提供体制を維持・確保するため、医療機関などの安定的な経営を確保する支援が重要」とし「予備費の活用も含め、必要な対策に取り組んでいく」ことを表明しました。
今回も、医療機関の経営問題について取り上げます。
9月10日に日本病院会は、4~6月の経営結果と合わせ、7月の状況についてアンケートを行い、結果を公表しました。
アンケートは、日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会合同で行っています。8月21日から1週間、3団体加盟の4496病院中、四半期調査に協力した病院から抽出した222病院が対象で、有効回答数は177。
「4月に大幅に減少した病院の外来患者・入院患者数は5月にはさらに悪化、6月に入り入院・外来患者数は回復傾向となり7月も回復傾向の継続か認められた。しかしその回復は小幅にとどまり、依然として対前年では入院・外来患者数とも大幅な減少が続いていた。その結果、医業損益の大幅な赤字の継続が確認された」としています。
地方により状況は異なりますが、「6月に入り回復傾向となったがその回復は小幅にとどまった」というのは大変深刻な事態です。
6月というのは医療機関の経営上重要です。休祝日がないため、診療日数が多い。企業検診が5月の連休明け頃から増えるため、検診受診者数や検診後の精査が増える。学校検診で異常を指摘され検査や治療に訪れる学童などが来院する。自治体によっては、検診(健康診査)が開始されるなどです。
検診などが延期されたりしたことが、大きく影響していると思われます。さらに、7月に入っても新型コロナ感染症が影響している実態が見て取れます。