第1137回:新型コロナ感染症バッシングを考える(その3)

香川県でも、新型コロナ感染症が発生しています。東京や大阪ほどではありませんが、現場で仕事をしているとり少しずつ増加しているという感じです。

一方、感染した患者さんや勤務先の会社等や同僚に対する、いわれのない非難が聞こえてきます。

香川県の浜田知事は、県内で感染者やその家族、それに医療関係者などへのひぼう中傷が確認されているとしたうえで「戦うべき相手は人ではなく、ウイルスです。正しい情報のもとに冷静に一丸となってウイルスと戦っていきたい。差別や偏見、ひぼう中傷は行わないようお願いしたい」と呼びかけました。

全国知事会も、「おもいやり」と「やさしさ」の輪を広げましょう、として以下のような呼びかけを行っています。

私たちが闘う相手は、新型コロナという「ウイルス」であって「人間」ではありません。みんなの隣人を責めてもウイルスは無くなりません。

新型コロナは、あなたご自身も含め誰もが感染しうる病気です。

新型コロナとの闘いを克服していくため、ひとりも取り残されず、みんな人間として、命も健康も、そして平穏な暮らしも、私たちみんなの決意と実践で守り抜いていきましょう。

患者・家族など新型コロナウイルスと闘う方々に対する差別的扱いや誹謗中傷は、絶対に許しません!

医療従事者をはじめ、新型コロナ治療や社会機能維持のため頑張る方々に感謝し、応援します!

都道府県境を越えて来られる方々を非難したり、傷つける行為をせず、お互いに尊重し合います!

奈良県天理市の並河健市長は、自身のフェイスブックで、以下のように呼び掛けています。こういった声を拡げていくことが重要だと思います。

全文は長文ですが、ぜひお読みください。

天理大学ラグビー寮での集団感染の発生に関連し、天理大学学生全般に対する不当な扱いの是正を求めた天理市長として、クラスターが発生した団体に「謝罪」を求めることについての見解を申し上げます。ポイントは以下の3点です。

● 感染の発生について、どう表現するか、当事者以外が口出しすべきでない。

● 風評被害も、不当な扱いも根っこは同じ。社会の「謝罪」圧力が原因。

● 謝罪を求め、傷つけ合い、萎縮する悪循環を見つめ直さない限り、薬やワクチンができても、日本社会は真に「コロナ禍」を克服したことにはならない。