第1007回:マレーシアで開かれた第20回APHCO理事会に参加しました

11月24日マレーシア・クアラルンプール市郊外のホテルで、第20回APHCO(アジア太平洋地域保健協同組合協議会)の理事会が開催され、APHCO会長として参加しました。日本以外の参加は、デシュムクAPHCO副会長(インド・シュシュリュシャ市民協同病院)と、この理事会の準備を周到にしていただいた、マレーシア医師協同組合(KDM)のザイードAPHCO副会長でした。

私は会長として、はじめに、理事会を準備して頂いたマレーシア医師協同組合(Koperasi Doktor Malaysia Berhad :KDM))の皆様への感謝を述べました。

そして、ケララ州をはじめとしたインド各地で発生した大規模な豪雨、7月の西日本豪雨、9月初めの北海道胆振地方の地震、インドネシアでの9月下旬の地震と津波による被害に対し、黙とうを行いました。

その後、あいさつをおこないました。

昨年11月17日のICA総会はここクアラルンプール・サンウェイリゾートホテルで開かれました。新しい会長にはアルゼンチンのアリエル・グアルコ氏が選任されました。

総会テーマは「開発の中心に人々をおく」でした。グローバル経済の影響から世界中で所得の格差が拡大しています。また、所得格差が健康格差に関係することが明らかになっています。協同組合はジェンダー・社会・政治・宗教の別を問わず無差別に組織の一員として保証される、多様性のある協同組合原則を持っています。ユネスコの無形文化遺産に登録された、「協同組合の思想と実践」は先達が積み重ねてきたかけがえのない財産です。協同組合は地域で平等が保障されるよう、誰も取り残さない社会の実現を通したSDGsの体現を期待されています。

世界で医療保健協同組合の連帯の輪が広がっています。昨年のIHCO総会で、コロンビアの「Cooperativa Médica del Valle, Coomeva」と、フィリピンの「1 -Coop –Health」 の2か国2団体がIHCOに加盟しました。このうちフィリピンの「1- Coop -Health」は、国内で8000人以上の会員にサービスを提供しており、134の病院、189の診療所、53の歯科医院が医療機関として認定されています。なおAPHCOへの加盟についてもご案内をしているところですが、加盟には至っておりません。

連帯のひろがりは、各々の協同組合が各国、各地で事業、事業外を通じ、多くの社会的役割を担い果たしていることでもあります。理事会でもこの間の各国、各協同組合での活動振り返りと次の総会までの活動とともに、各協同組合がどのような社会的役割を発揮しているか、また地域で社会的役割を発揮するためにどのようなことを実践すべきか、意見交換を行いたいと思います。