第984回:四国新幹線構想は見直すべきです

「平成30年7月豪雨」の傷跡はまだ癒えていません。JR四国によれば(※)、予讃線の本山・観音寺間の財田川橋梁は、橋脚のずれにより線路がゆがんでおり、列車が通ることができません。

そのため普通列車は本山-観音寺間がバス輸送、特急列車は多度津-観音寺間がバス輸送になっています。もともと、多度津-観音寺間は特急列車なら15分程度しかかかりませんが、バス移動のため1時間以上かかることになります。

いま、四国に新幹線をという人たちがいて、8月26日投票の香川県知事選の重大な争点になっていますが、本州で新幹線に乗り松山へ向かう旅行客が、たくさんの荷物を抱えて途中で乗り換えて(どこで乗り換えるかはわかりませんが)、在来線より1時間以上余分に時間を使って松山駅に降りたつという、率直にいって滑稽な話になりかねません。

そもそも財田川の橋は、大正2年にかけられたもので、四国新幹線構想とは、その古い橋の上を新幹線が走るという計画ですから、真剣に安全性を検討したのかと疑いを持ちます。

何でも新しいものをではなく、人口減少社会に向け、今あるインフラを将来にわたり安全で信頼性のあるものに変えていくという考えが求められていると思います。


※JR四国のHPによれば、まだ回復していない箇所がたくさんあります(7月30日現在)。また、多度津-観音寺間は1時間以上かかります。
http://www.jr-shikoku.co.jp/emc_info/affliction0730.pdf
http://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/20180713.pdf#page=5