第11回APHCO(アジア太平洋地域保健協同組合協議会)総会の報告です。
初めに、シュシュリュシャ市民協同組合病院会長の、Subhash Dandekar さんの歓迎挨拶がありました。
シュシュリュシャ市民協同組合は2.5万人の組合員を擁し、病院を運営し、最新で高度な医療を提供し市民から信頼されている。現在、新たに120床の新しい病院をムンバイ市郊外に建設中であると紹介しました。また、加藤昭治先生(故人。注参照)との出会いで、多くの刺激を受けた、と日本の活動から多くのことを学んだと指摘しました。
続いて、ホスト国として十分な準備をしていただいた、APHCO理事のデシュムク先生から歓迎の挨拶がありました。
医療の営利化が進む中で様々な困難が生じているが、医療専門職の根本的かつ普遍的な価値と原則を再確認することがいま必要である。医療の基本的な考え方が営利本位の医療とは対照的なものであり、医師と患者の関係は、市場原理や社会の圧力や行政上の理由で妥協すべきではない。患者の福祉に向けて個人的に取り組むだけでなく、社会の福祉に向けてヘルスケアシステムを改善するために共同で取り組む必要がある、と発言しました。
注:医療福祉生協連の前身である日本生協連医療部会の国際活動、90年ころから盛んになり、世界の保健協同組合の組織作りに大きな役割を果たしてきました。ICA(国際協同組合同盟)の保健部門の専門機構として、96年11月にコスタリカでIHCO(国際保健協同組合協議会)が設立、97年8月にはネパールで、APHCOが設立されました。
APHCOの会長は、歴代の医療部会運営委員長である、加藤昭治氏(みなと医療生協)、髙橋泰行氏(医療生協かわちの)が担ってきました(本欄第455回、2011/10/18付)。