第917回:「負担の公平化」について考える(その2)

地方政治新聞「民主香川」に、「社会保障はどうなるか」というタイトルで、社会保障改悪の内容の連載をしています。2017年7月16日号(第1749号)に掲載した、「負担の公平化」について考える、の後半部分です。

(承前)

さて、こういった「世代間の公平」を理由にして、来月(2017年8月)から、以下のような変更が行われました。

一定所得(※1)のある場合
・外来医療費の自己負担上限が、44,400円から57,600円に引き上げ
・世帯ごとの上限は据え置き
一般の所得(※2)の場合
・外来医療費の自己負担上限が、12,000円から14,000円に引き上げ
(年間上限は、14,4000円)
・世帯ごとのひと月の上限額が44,400円から57,600円に引き上げ
・世帯ごとで、多数回該当の場合は44,400円
(多数回とは、過去12ヵ月以内に3回以上上限額に達した場合)

これ以外にも、「世代内公平」という名目で、介護保険施設に入所(滞在)すると、介護サービス費用の利用者負担分を支払う他に居住費(滞在費)・食費についての変更が行われました。

世帯の全員(世帯分離をしている配偶者を含む)が市民税非課税で、資産要件として、預貯金等が一定額以下(配偶者がいる方は合計で2,000万円以下、配偶者がいない方は1,000万円以下)で、課税年金収入額と非課税年金収入額と合計所得金額の合計額により負担段階が決まります。

今回は、ややこしい内容が多く、わかりにくかったかもしれません。次回から、もう少しわかりやすくまとめたいと思います。

それにしても、医療・介護の仕組みは改定のたびに細かな変更が行われ、途中で様々な変更が追加されるため、説明する側でも混乱しそうな内容なので困ります(グチです)。

※1:年収約370万以上(標準報酬28万円以上、課税所得145万円以上)
※2:年収156万 ~ 薬370万円(標準報酬月額が26万円以下、課税所得が145万円未満)