第915回:18改定の中央社会保険医療協議会での議論について(外来篇 その2)

香川県保険医協会報の「社保のページ」に、診療報酬に係る内容を連載しています。2017年7月号に掲載した内容です。

2018年4月の医療・介護報酬の同時改定にあたっての、中医協(中央社会保険医療協議会)での議論を紹介します。

外来医療の2回目です。

遠隔診療や遠隔モニタリング等については、診断や在宅における療養指導・助言に加え、慢性疾患の重症化予防や健康指導・管理といった多様なサービス提供モデルが検討されており、その導入が議題に上っています。

外来医療のニーズの変化や多様性も踏まえ、外来患者の特性や病態に応じた評価や、新たなサービス提供のあり方等についても検討が始まっています。

生活習慣病は、生活習慣を改善することで重症化や合併症を予防することが可能なため、総合的な取り組みが検討されています。

特に、糖尿病が強く疑われる者の推計人数は年々増加していますが、「ほとんど治療を受けたことがない」者の割合は、約3割(2012年)で、40歳代では、未治療の割合が高いことがわかっています。

糖尿病の重症化予防の対応等について、かかりつけ医と専門医療機関との間で診療連携パスが構築・活用されています。現在、重症化予防の取組みとして、進行した糖尿病性腎症に対する運動指導の評価や人工透析患者の下肢末梢動脈疾患重症化予防の評価を行っています。

慢性腎疾患の重症化予防に関する介入研究において、かかりつけ医と腎臓専門医とが診療システムを構築し、診療ガイドラインに則った診療に加えて積極的に患者の行動変容を促すための介入を行った群では、BMIやHbA1cを改善する、受診継続率を有意に高くする、診療連携を有意に向上する、腎機能の低下を有意に遅くする等の有効性が示されています。