第904回:「経済・財政再生計画」にみる患者利用者負担増(その4)

地方政治新聞「民主香川」に、「社会保障はどうなるか」というタイトルで、社会保障改悪の内容の連載をしています。2017年4月16日号(第1740号)に掲載した、「経済・財政再生計画」にみる患者利用者負担増(2)、の後半を再掲します。

(承前)

入院時の「居住費」(光熱水費)の負担増も行われます。

医療療養病床について、これまでは「入院医療の必要性の高い医療区分Ⅱ・Ⅲの者については、居住費負担を求めない」としてきました。医療区分Ⅱとは、難病など神経筋肉疾患や、悪性腫瘍やリハビリテーションが必要などの患者透析患者、気管切開や気管挿管、頻回の喀痰吸引を必要とする患者など、かなり重篤な患者については除外されてきました。17年10月からは難病患者を除き、1日200円、18年4月からは370円の新たな負担増となります。

75歳以上の後期高齢者医療保険料の「特例軽減」が縮小されます。「特例」措置とは、後期高齢者医療保険制度が始まったとき、子供や孫の医療保険の被扶養者として保険料を支払わなくてもよかった人が、75歳になった日から保険料を請求されることになり、問題になりました。その激変緩和措置として決められたのが「特例措置」です。

これを、「世代間の公平」の名のもとに引き上げるものです。保険料は、所得に応じた部分と定額部分がありますが、所得に応じた部分の軽減幅を、17年4月からは現行の5割から2割に、18年4月からは廃止されます。年収211万円なら保険料は月4,090円から6,290円に1.53倍になりますから、8万100円+7300円=8万7430円、ということになります。