6月17日に高松市内で、香川アスベスト被害者を守る友の会の第6回総会が開催されました。
記念講演として、大阪から公害をなくす会・伊藤泰司事務局次長(大阪アスベスト対策センター幹事)の「人のいのちを重くするたたかい ― これからのアスベスト対策を考える」が行われ、20人余りが参加しました。
「いのちを重くする」というのは、アスベスト被害による、がんや中皮腫などは、比較的若くして発症することも多く、仕事を失う、生活も破壊されるなど、いのちが「軽く扱われる」ことになる。早期診断を行い治療に結び付け、労災補償や国や企業の責任による補償を認めさせることは、軽く扱われているいのちに、重みをもたせる、という意味です。
府立金岡高校事件(注1)や、堺市市有建物の煙突ハツリ事件(注2)などを例に挙げ、大震災はもちろん、既存建物の改修・解体などでアスベストが飛散する可能性は高く、法律改正など国を挙げての対策が必要であると強調しました。
建物の解体時には図面の評価だけではだめで、現場に専門家の目が必要。また、業者が除去作業をした後の「完了検査」の制度がない。英国では1週間かけて行っている。
(次回に続く)
注1:大阪府立金岡高校で、2012年10月耐震工事が行われた際、庇の天井板を剥がしたところ、発がん性の高い青石綿が吹き付けられていたが、施工業者は気付かず、3週間むき出しになっていた事件。さらに、2013年5月、撤去されたはずの石綿含有の廃材が校内で発見された。
注2:2016年6月、堺市の北部地域整備事務所の別棟倉庫屋上にあった煙突を市の委託を受けた業者が解体したさい、隣接する私立保育園の庭にがれきが飛び散りアスベストが飛散した事件。煙突は通常、熱に強いアスベスト製品をコンクリートで覆われているもので、アスベストを除去してから解体するのが大原則。