毎週火曜日・金曜日更新予定。理事長ブログ

6月2日に続いて、いわゆる「共謀罪」に関する問題について触れます。

5月18日、ジョセフ・ケナタッチ国連特別報告者(特別報告者については、前回触れました)が安倍首相あてに、プライバシー権や表現の自由を制約するとの懸念を示した書簡を送付しました。

日本政府は同日日付で、国連に抗議し、菅官房長官は22日の記者会見で、「政府外務省は、直接説明する機会を得られることもなく、公開書簡の形で一方的に発出」「強く抗議を行った」などと述べました。

この報告書では、(共謀罪法案が)「別表4」で277種類の犯罪が処罰の対象に加わり、市民や専門家にとって法の適用の実際の範囲を理解することが一層困難であることが懸念される。「組織的犯罪集団」の定義は漠然としており、テロ組織に明らかに限定されているとはいえない。

論理的には、起訴された者に対して、起訴に先立ち相当程度の監視が行われることになると想定される。「組織的犯罪集団」の定義の曖昧さが、例えば国益に反する活動を行っていると考えられるNGOに対する監視などを正当化する口実を作り出す可能性がある。

刑事的責任が法律の明確かつ正確な規定により限定されなければならないことを求め、何が法律で禁止される行為なのかについて合理的に認識できるようにし、不必要に禁止される行為の範囲が広がらないようにする必要がある、と指摘しています。

日本政府は、これは個人的見解に過ぎないといっていますが、北朝鮮の拉致問題などに向けた取り組みに尽力したとして、2010年8月〜2016年7月に同報告者を務めたマルズキ・ダルスマン氏(72)に2017年春に旭日重光章を授与しています。

国際的に問題点を指摘されている、内心の自由に罪を問う「共謀罪」は速やかに廃案にすべきです。