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香川県保険医協会報2017年4月号の「主張」欄に、「17予算に見る社会保障改悪」というタイトルで、社会保障改悪の現状を報告しました。その内容を再掲します。一部修正しています。

高齢化に伴い、社会保障費は年間8千億円から1兆円増加します。この「自然増」を、政府は13年度から毎年5千億円程度に圧縮してきました。

17年度は、厚労省の概算要求時点で6400億円に圧縮、予算案では5000億円に圧縮しています。

まず、70歳以上の高額療養費の上限額の引き上げで、220億円の社会保障費の削減になります。

2017年8月から「現役並み所得者(年収370万円以上)」について、69歳以下に合わせて外来医療費の月額負担上限が1万3200円引き上げられ5万7600円になります。住民税課税で年収370万円未満の場合は、外来医療費の月額負担上限が2000円引き上げられ、1万4000円になります。同様に、外来医療費と入院医療費を合算した負担上限も引き上げられ、これらを合わせると、1400万人に影響が及びます。

後期高齢者の保険料の「軽減特例」の縮小・廃止で、190億円の削減です。

後期高齢者保険の保険料は、制度発足前には被扶養者であった方や所得が低い方への軽減措置がありますが、これを「見直す」ものです。年金額が年153万円から211万円の方の場合、所得割部分が5割軽減から2割軽減になります。制度開始前に扶養家族だった方への定額割の9割軽減は7割軽減になります。

年金生活者の家計調査は赤字で、公的年金も削減されますから、とても「公平化」とは言えない、高齢者に負担を押し付けるものになっています。

65歳以上の医療療養病床の居住費(光熱水費)の引き上げで、20億円の削減になります。

居住費は1日320円の負担から370円に引き上げられ、1食460円の食費と合わせると月5万2500円になります。

介護保険の高額サービス費の上限額の引き上げによる削減10億円を加えると、患者・利用者の直接負担は、440億円になります。17年度の当初予算は約97.5兆円ですから、440億円は、わずか0.045%に過ぎません。

高齢者が増えれば、医療・介護の費用が増えるのは当然のことですから、こういった「自然増」の圧縮は、憲法25条に定めた国の責任を放棄することにほかなりません。速やかな撤回を求めるものです。