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6月3日付(第802回)で、高薬価の薬剤の問題について触れましたが、最近の中医協(中央社会保険医療協議会)でも取り上げられています。7月27日に開催された第334回中医協では、「高価な薬剤への対応」が議題になっています。

薬の値段(薬価)は、効果が似たものを基準に決定する「類似薬効方式」を原則とし、比較する薬剤が存在しない時に「原価計算方式」といった、製薬メーカーが提出するデータをもとに決定するのが基本です。「類似薬効」といっても、実際には様々な加算がつき高い薬価になることもありますが、基本的にはとびぬけた薬価にはなりにくい仕組みがあります。

今回問題になったのは、一般名「ニボルマブ」という薬剤で、「根治切除不能な悪性黒色腫」に効果があり、対象患者数が年間数百名と見込まれたため、100mg1瓶が約73万円という破格の薬価がつきました。年間医療費が3,500万円と見込まれおり、この金額自体もどうかと思いますが、今回問題になったのは、他の疾病にも効果があるとして、「効能の拡大」が行われることになったためです。「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」が適応になったため対象患者が数万人に拡大、今月には腎臓がんの一部、さらに血液のがんにも拡大する予定となりました。

そのため、患者5万人がこの薬剤を1年間使用すると、薬価引き下げがなければ、薬剤費だけで年間1兆7500億円になるという試算もあります。このままだと、年間5兆円の防衛費どころではなく、医療保険制度そのものが崩壊することになります。

薬価のありかたを根本的に見直すべきではないでしょうか。