6月26日に開催された、香川医療生活協同組合の総代会で採択された、総代会アピールを紹介します。
公布70年、日本国憲法と立憲主義を取り戻そう
日本国憲法は、70 年前の 11 月3日に公布されました。300 万人以上の日本人を含む数千万人が犠牲となった第2次世界大戦が終結し、日本の戦争犯罪とその責任が問われるもとでの公布でした。日本政府が受諾した「ポツダム宣言」に示された「日本軍隊の無条件降伏」「世界征服に赴かせた権力の永久排除」「言論、宗教、思想の自由及び基本的人権の尊重」「自由意志による平和的かつ責任ある政府の樹立」等の実施と、戦前の軍国主義体制下で抑圧された平和と民主主義の実現を求める、国内外の声を背景に日本国憲法は制定されたのでした。
制定された日本国憲法は、戦争で大切な家族を失い傷ついた国民によって受け入れられ支持されました。国民は、憲法が示す平和主義や基本的人権を大切にし、憲法に違反する法律の改正を政府に求め、「憲法をくらしに活かす」とりくみを重ねてきました。この 70 年間、国民は日本国憲法とともに育ち、立憲主義を育ててきました。
昨年、強行成立した安全保障関連法(安保法)は、国民が 70 年間育ててきた平和主義・立憲主義に真っ向から反するものでした。安保法への怒り・不安はいまだに収まらず、廃止を求める署名は 1,200 万人を超えて集まり続けています。憲法記念日に行われた世論調査でも、9条を含む憲法改正に対しては反対する意見が多数を占めました。世界中でテロが続きアジアでの緊張が高まる情勢のもと、日本国憲法の平和主義、憲法9条の無力が叫ばれ、抑止力の保持が主張される中で迎える憲法公布 70 年の今年、日本国憲法・立憲主義を守り活かせるかが、私たちに改めて問われています。
1947 年8月2日に当時の文部省が、日本国憲法の解説のために中学生向け社会科の教科書として発行した「あたらしい憲法のはなし」は憲法9条について、「決して心ぼそく思うことはありません。日本は正しいことを、ほかの國よりさきに行ったのです。世の中に、正しいことぐらい強いものはありません」と説明しました。私たちは、憲法に反する安保法の廃止を求めること、武器を携えた自衛隊員を紛争地域に向かわせてはいけないことが、「正しいこと」であることを知っています。70年間国民とともに育ってきた日本国憲法の生命力、先進性、国際社会での影響力を知っています。
「正しいことぐらい強いものはない」という確信を持って安保法廃止を求める運動にとりくみましょう。そして、日本国憲法と立憲主義を取り戻すため力を尽くしましょう。
2016年6月26日
香川医療生活協同組合 第37期第48回通常総代会