外来では、「かかりつけ医」機能の評価として、「主治医」を明確にする「地域包括診療料」が14年4月の改定で導入されました。
高血圧症、糖尿病、脂質異常症、認知症のうち2つ以上の疾患を有する患者が適応で、再診料や検査、レントゲンなどの画像診断、訪問診療などは包括化(マルメ)される一方、1カ月に約1万5千円の収入になるというものです。
診療所の場合、この点数を算定するには、3人以上の常勤医師が勤務、24時間電話対応が可能、在宅療養支援診療所であることが要件で、かなりハードルが高いものでした。また、主治医を決めるため同じ医療機関であっても他の医師が診察した時には算定できないなどの条件があり、14年7月時点での届け出件数は全国で122施設しかなく、15年7月には93施設に減少してしまいました。四国では、香川県、愛媛県、高知県に各1施設、徳島県ではゼロです。
今回、常勤医師が2名以上に緩和されるなど、若干の変更がなされましたが、医療機関側がどう対応するか注目されるところです。
この「地域包括診療料」の届け出を行っている医療機関で、今回新たに算定が可能になるのが、「認知症地域包括診療料」です。認知症以外に1以上の疾患を持っている、1処方当たりの薬剤が5種類以下などの条件をみたせば、月に1回、約1万5千円の収入になるというものです。他の医療機関が地域包括診療料を算定していても、病名が重複しなければどちらの医療機関でも算定が可能です。
(この項続く)