第747回:15年度医療福祉生協連トップセミナーで会長あいさつを行いました

2015年度医療福祉生協連トップセミナーが、9月8日から10日の3日間、大阪市内で開催されました。私は、会長理事として開会挨拶を行いました。

その大要を紹介します。

挨拶時の会場の様子です。


挨拶時の会場の様子です。

今年は、戦後70年、被爆70年の節目の年です。8月6日に「平和へのあゆみを止めることなく ~70 年目の8月15日に~」と題する会長談話を出しました。

この談話の基本は「歴史認識」です。戦後70年だけでなく、15年戦争を含む日本の近現代史を念頭に置いて、いま考えておくべきことは何かをまとめたものです。

まず沖縄の問題です。銃剣とブルドーザーで作られた米軍基地をこのままにして、未来に引き継いでよいのでしょうか。「沖縄の土地も海も森も川も、すべて沖縄のひとびとに返」すべきなのです。普天間基地に代わる辺野古への新基地建設には、改めて反対を表明するものです。

次に「核」の問題があります。広島、長崎、福島の教訓を、今こそ世界に発信すべき時です。広島や長崎で被爆した方は高齢化しています。被爆の実相を次世代に伝える活動に力を入れていかなければなりません。そして、核廃絶の課題、すべての原発を廃炉にする課題、これらは日本から声をあげていかなければいけないと思います。

そして「平和安全法制」です。今国会での採決が当然であるかのような報道がなされていますが、国民の声とは大きく離れています。憲法違反であるこの法案は、廃案にすべきであることを強調したいと思います。

そして、平和安全法制に対する反対運動の特徴は、都市部だけではなく地方でも、全国、津々浦々で起きているということです。学生の集団であるSEAILDsを始め、各年代の組織が活動し、子育て世代の母親たちの運動など、すべての地域ですべての年代で声をあげ、動き始めました。

この運動は、日本国憲法が国民の中で根付いていることを示しました。これまで日常生活ではあまり馴染みのなかった「立憲主義」という言葉も、私たちの中によみがえりました。

日本国憲法は、「わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意」した私たち日本国民の間に、しっかり根付いていると思います。

「健康をつくる。平和をつくる。いのち輝く社会をつくる。」という、医療福祉生協の理念を実現するために行動することを、改めて呼びかけるものです。

改正マイナンバー法への対応、新総合支援事業への対応、地域包括ケアへの取り組みをどうすすめるか、医師養成や介護職員の確保の課題など、課題は山積しています。

私たちのあらゆる活動の中に、「医療福祉生協のいのちの章典」をいかしていただき、来年、東と西で開催される「いのちの章典実践交流会」に持ち寄っていただくことを期待します。

なお、この間、皆さまにご協力いただきましたネパール募金のまとめができましたので報告をしておきます。私ども医療福祉生協連に寄せられた募金は、67生協、928万4242円でした。この場を借りまして厚くお礼を申し上げます。10月12日に韓国でAPHCO(アジア・太平洋地域保健協同組合協議会)の総会が開かれます。そのあと、10月15日にネパールに渡りまして、私からフェクトネパールに手渡し、みなさまの熱い思いをお伝えします。