この間、集団的自衛権行使を具体化するための平和安全法制2法案(平和安全法制整備法案、国際平和支援法案)を衆議院特別委員会で採決を強行し、衆議院でも採決に踏み切ったことについて、声明を発表し活動してきました。
国民がどう考えているのかを、マスコミの世論調査から見てみました。
まず、日本経済新聞社とテレビ東京が6月26日~28日に行った世論調査です。
集団的自衛権の行使容認などを盛り込んだ安全保障関連法案の今国会成立には、「反対」が57%で「賛成」の25%を大きく上回っています。
内閣支持率は47%で5月の前回調査から3ポイント低下、50%割れは第3次安倍内閣で初めてです。不支持率は4ポイント上昇して40%となり、2012年12月の第2次安倍内閣発足以降で最も高くなりました。集団的自衛権の行使に賛成は26%、反対が56%でした。
読売新聞社は7月3日~5日、全国世論調査を実施しました。
安倍内閣の支持率は49%で、6月初め調査の53%から4ポイント低下。内閣支持率が5割を切ったのは、第3次安倍内閣発足直後(49%)以来で、不支持率は40%(前回36%)でした。
安全保障関連法案については、今国会での成立に「反対」が63%(同59%)に上昇し、「賛成」は25%(同30%)でした。政府・与党が法案の内容を「十分に説明している」は13%(同14%)にとどまり、「そうは思わない」が80%(同80%)に達しています。安全保障法制の整備に「賛成」は36%(同40%)に下がり、「反対」は50%(同48%)でした。
NHKの世論調査(7月13日)によると安倍内閣を「支持しない」と答えた人は43%(先月比9ポイント増)、「支持する」と答えた人は41%(同7ポイント減)となりました。第2次安倍内閣の発足以降、初めて「支持しない」が「支持する」を上回りました。
NNNの世論調査(7月10~12日実施)によれば、内閣支持率(39.7%)を不支持率(41%)が上回りました。
「朝日」の世論調査(7月11、12両日実施)でも、支持率は39%、不支持率は42%となりました。第2次安倍内閣で不支持が支持を上回ったのは、昨年11月に実施した衆院選直前の連続調査以来となりました。
共同通信加盟各紙と「毎日」が7月19日付で報じた戦争法案に関する緊急世論調査によると、双方の調査とも、法案に対する反対の声が増加するとともに、内閣支持率が急落。不支持が支持を大幅に上回りました。
「共同」加盟各紙によると、内閣支持率は37.7%となり、前回6月の47.4%から9.7ポイントの下落となりました。逆に不支持は51.6%(前回43.0%)に達しました。「毎日」では、内閣支持率は35%で、今月上旬調査より7ポイント減に。不支持率は前回比8ポイント増の51%でした。
審議を進めれば進めるほど、安保法制に反対が増え、不支持率が増える状態がよくわかります。安倍政権は「説明が不十分」と言いますが、この法案が憲法違反であり、戦争法案と呼ぶべき内容であることについての国民の理解は、むしろ進んでいると言えます。
速やかに法案の撤回と廃案を求めるものです。