第727回:香川県保険医協会第34回総会で採択された総会決議を紹介します

6月14日に高松市内で、香川県保険医協会第34回定期総会が開催されました。総会で採択された、総会決議を紹介します

昨年成立した「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」(「医療・介護総合法案」)、本年成立した「持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律」(「医療保険制度改革関連法案」)により、日本の社会保障制度は大本から切り崩されようとしている。

地域医療構想の策定による病床削減や、医療から介護、施設から在宅への強制的な誘導など、必要な医療・介護が提供できにくい現状がある。また、「患者申出療養制度」により、事実上の混合診療が導入されようとしている。国保の都道府県統一化により、今でも払いきれない保険料(税)はさらに増え、国民皆保険制度の空洞化が懸念される。

介護の分野では、要支援者の訪問・通所介護を保険給付から外し自治体の総合事業とする。特別養護老人ホームへの新規入所者を、原則要介護度3以上に限定する。一定所得者の利用料を1割から2割へ引き上げる。施設入所者での居住・食費の補助を縮小するなど、「介護保険料あって介護保険なし」の状態となった。

我々は、必要な医療・介護が安心して受けられる社会保障の充実を望むものである。

また、TPP(環太平洋経済連携協定)への参加は、食の安全のみならず、医療の営利化へ道を開くものであり、断じて認めることはできない。

福島原発事故から4年たった今も、政府は科学的根拠のない安全神話に基づき原発の再稼働を行おうとしている。すべての原発の廃炉を行い、原発のない社会をめざすべきである。

我々は、国民医療の確保のため、直ちに次の事項を実現するよう要求する。

同時に、人命を守る医療者として平和を希求するとともに、解釈改憲による「海外で戦争する国」づくりに反対し、平和と民主主義を守る取り組みを進める。

一 患者負担増計画をやめること。
一 就学前児童の乳幼児医療費助成制度を国の制度とし、現物給付を行うこと
一 高すぎる国保料(税)を引き下げ、短期保険証や資格証明書の発行をやめること
一 保険でよい歯科医療を実現するために、保険適適応の範囲を拡大すること
一 消費税の10%増税を中止し、医療への消費税はゼロ税率とすること
一 TPP(環太平洋経済連携協定)交渉から撤退し、混合診療を認めないこと
一 原発の再稼働を行わず、原発に依存しないエネルギー政策に転換すること
一 解釈改憲による集団的自衛権の容認を撤回すること

以上、決議する