3月29日(日)に開催された「介護報酬検討会」の報告の続きです。今回の介護報酬改定の特徴と問題点で、第712回(3月31日)の続きです。
3.リハビリテーションの評価を引き上げ、必要なリハビリテーションを受けられるようすべきです。
通所リハビリテーション(デイケア)の引上げが行われる一方、「個別リハビリテーション加算」が包括されるため実質引き下げになります。訪問リハビリとデイケアに「社会参加支援加算」が新設されました。他の通所サービス等に利用者が移行できた場合に算定するものですが、報酬の低い制度を利用すれば算定できるわけで、要支援者の介護保険外しと合わせ、介護報酬の削減を目的とするもので、必要なリハビリテーションを受けられるようにすべきです。
4.医療系介護報酬は、区分支給限度額から外すべきです。
区分支給限度額は、介護保険で認定された介護度に合わせて利用額を制限するものですが、本来医療保険で賄われるべきものが含まれています。医療保険から介護保険に適用が変われば、必要であっても利用できない(保険給付されない)のは間違っていますから、支給限度額からは外すべきです。
5.医師・歯科医師の居宅療養管理指導における同一建物居住者減算を廃止し、訪問看護の同一建物居住者減算の対象拡大を撤回すべきです。
「居宅療養管理指導」とは、医師・歯科医師などが介護事業者等に患者・利用者等の情報を提供することに対する評価です。「同一建物居住者」とは、サービス付き高齢者住宅(サ高住)や有料老人ホームなどに住んでいる方のことです。
同じ建物の中の複数の患者を往診する時には診療費を大幅に引き下げる、という医療保険の改定に連動した形で、同一建物居住者に対する居宅療養指導管理費を減額するというものです。個人に関する情報を他の事業者に提供するのに、自宅にいる方と集合住宅等に住んでいる方で差をつけるというのは、これはどう考えてもおかしな話ですから撤回すべきだと思います。
6.認知症対応型共同生活介護、認知症対応型通所介護を引き上げ、認知症対応強化をすべきです。
認知症への対応は強化が求められている分野です。しかし、今回の改定で「認知症対応型共同生活介護」「認知症対応型通所介護」は、大きく引き下げられました。これはむしろ引き上げるべきです。
(この項、続く)