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 地方政治新聞「民主香川」に、「史上最悪の社会保障改悪」というタイトルで、医療・福祉の改悪の内容を連載しています。2015年3月15日号(第1665号)に掲載した、「第2回 要支援者の介護保険外し」で、一部修正しています。

 2015年4月から介護保険法が改定されます。また、3年に1度の介護報酬改定も行われます。3月3日に厚労省は、全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議を開催し、15年度の介護報酬改定の概要(案)を示しました。

 介護保険の認定審査会で「要支援」と判定された場合、ホームヘルパー(介護予防訪問介護)やデイサービス(介護予防通所介護、)の利用は、介護保険の「予防給付」としてサービスの給付が行われていました。それぞれ、45万人、50万人が利用しています。

 今後は、要支援と判定されると、介護保険の利用ができなくなり、市町村の「新しい介護予防・日常生活支援総合事業」(新しい総合事業)で対応することになります。

 しかし、実際に「新しい総合事業」への対応ができている市町村は殆どありません。厚生労働省が15年1月に行った調査で、15年度中に事業実施を予定しているのは全体の7.2%、15年4月から実施する考えを持っている市町村は、全体の5%に過ぎません。13府県では、対応可能な自治体はゼロでした。

 その一方で、全体の57.7%にあたる1,069の市町村が、最終実施期限である17年4月まで先送りする方針を示しています。つまり、何の準備も出来ていない中での実施強行ということになります。

 さらに問題なのは、従来の施設基準・人員基準等は廃止され、自治体により対象やサービス内容が異なることになるということです。このサービス事業には予算上限が定められますから、財政等に余力があり、サービスを充実できる自治体では対応可能ですが(どこにあるのか?と言う気がしますが)、そうでなければサービス内容は不十分になります。

 通所介護の場合、今回の改定の人員基準は、「緩和した基準によるサービス」では、利用者が15人以上なら従事者は利用者一人に必要数となっています。あらたに始まる、住民ボランティア・住民主体の自主的活動の場合は、必要数となっています。

 これまで介護職が行ってきたサービスが、専門技量を持たない無資格のボランティアが対応することにもなり、さらにその人員数も「必要数」ですから、「適当に」ということになりかねません。

 中央社保協(中央社会保障推進協議会)は14年9月から11月にかけて、47都道府県の社保協を通じ、アンケート調査を行いました。

 その結果をまとめた、14年「全国市町村介護保険改定に関する緊急調査」報告書では、回答のあった35都道府県の950自治体のうち、「要支援1・2サービスの地域支援事業への移行」について、「見通しがたたない」「できない」と回答したのが74・0%、「できる」としたのは8・9%でした。「ボランティアなど受け皿がなく、移行は困難」という声もありました。

 ホームページに16年度から開始予定と書いてある中讃のある市に聞くと、担当者は「まだ見通しが立たない」と回答しています。

 大半の自治体が困惑している、というのが実際だと思います。自治体に対して、計画を具体的に明らかにさせ、準備状況について情報公開を求めていくことが必要です。そして、「改悪」の撤回を求める運動を広げていく必要があります。