第694回:地域包括ケアシステムの中での医療福祉生協の役割を考える~新年のごあいさつ~

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。

税と社会保障の一体改革、医療・福祉総合推進法などの具体化が、徐々に進んでいます。医療費の中で、金額の大きなものは入院医療です。入院ベッドを減らせば、医療費の削減は効果的なものになります。中でも最も医療費の高い「急性期」ベッドを減らせば、より「効果的」です。

昨年10月から病院の性格が徐々に変化してきています。これまでは看護師をより多く配置すれば、より収入が増える制度でしたが、昨年4月からは、手厚い看護師配置を行っていても、入院した患者が速やかに退院しなければ(入院日数が長くなれば)維持できないような仕組みになりました。

そのため、ベッド数が100~200程度の、地域の中核病院が、これまでと同じ体制では成り立たなくなってきました。何がなんでも「在宅」に帰さなければいけないのです。地域の医療機関が、それの受皿になるには少し時間がかかります。

高松平和病院も、これまでの7:1看護から、10:1看護に看護体制を変更することになりました。10月からの変更なので医療内容がこれからどう変わっていくのかわかりませんが、地域の医療要求に応えるものでなければいけないことは言うまでもありません。

これまでも、医療制度の変更に対応して、様々な「対応」を行ってきましたが、これからは、地域のニーズに応える、医療福祉生協らしい入院医療は何か、といった問いに答えられる取り組みが重要だと思います。

診療所でも同じで、高齢化がすすむ、一人暮らしが増える、認知症が増える、地域の持つさまざまな力が低下している、こういった状況の中で、医療制度や介護の制度がどう変わっても、必要とされる取り組みに力を入れていくという、主体的な立場が求められています。

今年も、地域の中で存在感のある医療機関として頑張っていきたいと思います。