第1173回:3次補正予算の問題点を考える

1月28日に19兆円規模の第3次補正予算が成立しました。一般会計への追加歳出は21.8兆円、追加対策が19.2兆円で、マスメディアの報道では「感染・経済対策に21兆円」と報じています。

しかし、実態は、本来いま必要な感染対策関連は4.4兆円で、補正予算の4分の1程度になっています。「地方創生臨時交付金」の追加や医療機関向けの「緊急包括支援交付金」の拡充が盛り込まれていますが、いま必要とする医療機関への減収補填はなく、PCR検査の拡充に必要な全額国庫負担の予算は含まれていません。

PCR検査を増やしていくためには公費負担が必要ですが、今の仕組みでは国が2分の1、地方が2分の1になっているため、地方に予算がなければ公費負担になりにくいという問題があります。また、地方創生臨時交付金は、行政検査によるPCR検査の費用には「充てられない」という通知が出されています。国は、法定率事業の地方負担分(先述の地方2分の1の負担分)に直接充てられないが、自治体が独自に行う事業(単独事業)には充てられるとしています。

検査・医療にかかわる自治体独自の取り組みに臨時交付金を充て、浮いた地方財源を行政検査の費用(地方負担分)にまわすという迂回路をとおれば、結果として、検査費用を国が出したのと同じになる、というのが国の言い分のようですが、ここは最初から検査費用は国がを持つとすればよい話です。

速やかに医療機関への直接支援、必要な検査などへ国が支援するべきです。