地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2020年11月15日付(第1866号)に掲載した、「オンライン診療の問題点」(その2)の後半です。
20年3月19日には事務連絡「新型コロナウイルスの感染拡大防止策としての電話や情報通信機器を用いた診療等の臨時的・特例的な取扱いについて」を発出し、その中で、「「視診」や「問診」だけでは正確な診断や重症度の評価が困難」「初診から電話や情報通信機器を用いて診療を行った場合、重症化のおそれや他の疾患を見逃すおそれもある」と、初診で電話や情報通信機器を用いた診療を行うことは認められず、「直接の対面による診療を行うこと」としました。
4月7日に、政府は、特別措置法に基づき、東京など7都府県を対象に緊急事態宣言を発令しました。
同日、閣議決定された「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」の決定に伴い、新たな事務連絡として「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて」を発出しました。
「新型コロナウイルス感染症が急激に拡大している状況の中で、院内感染を含む感染防止のため、非常時の対応として、オンライン・電話による診療、オンライン・電話による服薬指導が希望する患者によって活用されるよう直ちに制度」を見直すこととなりました。
「医師の責任の下で医学的に可能であると判断した範囲において、初診から電話や情報通信機器を用いた診療により診断や処方をして差し支えない」「ただし、麻薬及び向精神薬の処方をしてはならない」としました。
また、オンライン診療を実施する医師は、厚生労働省が定める研修を受講しないといけませんが、当面は研修未受講でも「時限的・特例的な取扱いが継続している間は」認めることになりました。
あくまで初診からのオンライン診療は一時的・臨時的な対応であることが前提の制度だということです。