香川県保険医協会報2020年12月号の「主張」欄に、「高齢者医療費の2割負担案は撤回すべきです」と題する文章を掲載しました。紹介します。

12月14日に、第12回全世代型社会保障検討会議が開催され、「全世代型社会保障改革の方針」(以下、「方針」)を採択し、15日に閣議決定されました。マスメディアは、高齢者の医療費2割負担が決定したかのように報じていますが、国会で関連法案の成立が必要です。国民的な運動で廃案に追い込みましょう。

「方針」では「菅内閣が目指す社会像は、『自助・共助・公助』そして『絆』「まずは自分でやってみる」「家族や地域で互いに支え合う」「最後は国が守ってくれる」としています。結局は、社会保障は「自己責任」だということになります。憲法25条に定めた、社会保障における国の役割を否定するもので認める訳にはいきません。

「方針」の中心は、75歳以上の医療費窓口負担を1割から2割に2倍にすることです。厚労省案の一つは、対象が住民税課税対象の年収155万円で、影響は約605万人(37%)に及ぶ、血も涙もないと言いたくなる提案でした。最終的に本人課税所得28万円以上で本人収入200万円以上に落ち着いていますが、それでも影響は約370万人(23%)で対象の4分の1に及びます。

11月24日に開催された第11回全世代型社会保障検討会議に日本医師会が提出した資料によると、一人当たりの年間収入に対する患者一部負担の比率は、85歳以上では5.7%、80歳~84歳では4.4%、75歳~79歳では3.7%です。一人当たりの医療費の額は高齢化に伴い、急カーブで上昇します。1割負担から2割負担への引き上げは、高齢者の生活を直撃します。

住江保団連会長は、12月10日談話で、「75歳以上の年収に占める患者負担額の比率は、40代の3倍以上」「高齢者の負担割合が1割で、現役世代の3分の1であっても、決して不公平ではない」と指摘しています。新型コロナ感染症に対する不安からすでに受診抑制は起こっています。

新型コロナ感染症対策と同様に、社会保障に適切に予算を投入することを強く求めるものです。

※現役並み区分を除いた後期高齢者人口に対する割合

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