第1169回:新型コロナウイルス感染症が蔓延する中での病床削減には反対です

香川県では25日、新型コロナウイルス検査の陽性患者が久しぶりにゼロになりました。どのタイミングで受診するか、検査するかで一定のずれが生じますが、とりあえず少しほっとする気持ちはあると思います。

全国的に医療体制がひっ迫する中で、関東地方の公的な病院で勤務している知人の内科医によれば、病状が安定した新型コロナウイルス感染症患者に転院してもらい、夜間の救急車受け入れの準備をするので大変とのことでした。

こういったベッド不足が問題になっているときに、厚労省は昨年11月26日に、医政局長名で各都道府県知事に「令和2年度地域医療構想を推進するための病床削減支援給付金の実施について」という通知を発出しました。25日に西村経済再生担当大臣が記者会見で、「この3週間がまさに正念場であり、勝負だ」と述べた翌日のことです。

12月15日に開催された、「医療計画の見直し等に関する検討会」で、「新型コロナウイルス感染症対応を踏まえた今後の医療提供体制の構築に向けた考え方」が示されました。その中では、「今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、我が国の医療提供体制に多大な影響を及ぼし、局所的な病床・人材不足の発生、感染症対応も含めた医療機関間の役割分担・連携体制の構築、マスク等の感染防護具や人工呼吸器等の医療用物資の確保・備蓄など、地域医療の様々な課題が浮き彫りとなっている」と、これまでの病床削減ありきの政策の問題点にも触れています。

ベッド不足のさなかに、病床削減方針を押し進める菅政権のやり方には反対です。