河野太郎防衛相は15日、山口県と秋田県で進めていた地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」(地上イージス)の配備計画を停止すると発表しました。地上イージスから発射される改良型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」は、発射後分離する推進エンジンを周辺住宅などに落下させないためには大幅改修が必要と判明したため、と説明しています。
要するに北朝鮮から発射されたミサイルを打ち落とそうとしたら、地上イージスが発射したミサイルの部品がどこにおちるかわからない、ということです。この計画に賛成の立場ではありませんが、どこに落ちてもいいように周辺に人家や重要施設がないところに作れば、多少ずれても心配ないはずです。
ルーマニアにも地上イージスが配置されています、約900ヘクタールの面積を持つルーマニア陸軍基地内の米軍基地。基地の周囲には原野や農地が広がり、最も近い人口約3200人の村までは約4キロの距離があります。
一方の秋田県の新屋(あらや)演習場は、演習場の至近から住宅地が切れ間なく広がり、フェンスから500メートル圏内に勝平小学校、勝平中学校、秋田商業高校があります。そもそも、南北2キロ、東西800メートルと限られた土地しかないところに作るのは無理な話です。
ではなぜ秋田なのか。元秋田大准教授の福留高明さんが作成し、フェイスブックに投稿した地図では、「北朝鮮からハワイ、グアムへの最短経路が直線で描かれる図法を用いた。地上イージスの配備候補地とされる秋田市と山口県北部が直線とほぼ重なっていることが分かる」とされています。
そうでなくても、新型コロナ感染症対策で、赤字国債を大量に発行しながら対策が必要な状態です。不要・不急な予算措置は速やかに中止すべきです。
※イージス・アショアについては、秋田魁(さきがけ)新報の連載が役立ちます。会員登録すると、毎日1本ずつ記事を読むことができます。お勧めですね。
https://www.sakigake.jp/special/2019/aegis_shield/