5月25日付の続きです。
医療機関の経営問題は、5月28日に行われた医団連(※)が行った「SOS 新型コロナで、医療も介護も未曽有の経営危機に 医科、歯科、介護、保険薬局、鍼灸院などへの経済支援を求める緊急会見」が反響を呼び、メディアも大きく取り上げるようになっています。
往診をしていても、病院が大変なんですね、患者さんは減っているんですかと、患者さんやご家族から声をかけられるようになりました。医療福祉生協連加盟の院所でも、マスコミ報道があっただけでも、4月単月で1億円の赤字(関東地方)、1.2億円の赤字(九州・沖縄地方)、5千万円の赤字(近畿地方)など、大変な状態になっています。これほど巨額でなくても、ほとんどの病院・診療所で、検診の中止、外来減、デイケアの減などで大きな影響を受けています。医療・介護・福祉事業は営利事業ではありません(介護は営利企業が参入していますが、撤退をしている企業もありますから、儲けは少ないということです)。水や空気、道路のような公共性をもった「社会的共通資本」(※2)です。これを守るためには、あれこれの施策だけではなく、直接経営を支援する取り組みが必要です。
※医団連:医療団体連絡会議
全国保険医団体連合会(保団連)・全日本民主医療機関連合会(民医連)・日本医療福祉生活協同組合連合会(医療福祉生協連)・新日本医師協会(新医協)・日本医療労働組合連合会(医労連)
※2:「社会的共通資本」とは、故・宇沢弘文さんが提唱した言葉。岩波新書に詳しい。