第1115回:国民健康保険制度を考える(その20)

地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイトルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2020年3月15日付(第1842号)に掲載した、「国民健康保険制度を考える」(その10)の後半です。

高松市では20年度予算において、法定外繰入を、約19億円から5億8千万円に減らし、国保料を大幅に引き上げる予定です。

民主市政をきずく高松市連絡会が明らかにした資料から引用します。

高松市の試算

・夫婦ともに66歳
 年金収入が夫240万円、妻40万円で、所得が120万円の場合
  現行:16万8700円
  改定:19万5100円
2万6400円、16%の値上げ。

・夫45歳、妻42歳で専業主婦、子ども2人で、給与収入450万円の場合
  現行:53万6600円
  改定:61万2000円
7万5400円、14%の値上げ

・独身で28歳
 給与収入が280万円、所得が178万円の場合
  現行:21万5700円
  改定:24万8800円
3万3100円、15%の値上げ

これは明らかに「被保険者の負担水準に激変が生じないような時間軸を置」くという厚労省通達に反します。

共産党の調査(「しんぶん赤旗」2月9日付)によれば、都道府県の示す標準保険料率を「給与年収400万円、片働きの30歳代夫妻とこども2人」のモデルで計算したところ、20年度の国保料について、26都府県372市区町村の約8割にあたる674市区町村で値上げになります。

この問題は全国的な課題です。前回も述べましたが、国保は国民皆保険制度を支えるもので、「公共システム」の一部です。この制度を充実させることが社会保障制度の基本です。

 ※国保料・税は国保料と記載しました。