第1109回:「コロナ・バッシング」を考える(その1)

新型コロナ感染症は猛威をふるい、香川県でも4月13日現在で8名の感染者が確認されています。

一方、医療機関で職員の中に感染者が認められた場合、自ら公表した場合、職員が「コロナ・バッシング」ともいうべき、いわれのない差別扱いを受けることが報告されています。

熊本県で最初の感染者となった職員の勤務する病院の例です。西日本新聞記事を参考にして書きます。

病院名公表は「安心につながる」として、「感染者が出た」と公表、すぐに外来診療や面会中止を決定し、夕食等を共にした病院職員11人に自宅待機を命じました。パートを含む約420人の職員について、感染した場合に立ち寄り先を確認できるよう、行動の把握を開始。8割が高齢者という約130人の入院患者の巡回を増やし、体調の変化を細かく記録しました。

該当職員と接触した同僚11人がウイルス検査で陰性と確認され、一時体調を崩した職員や入院患者も回復し、通常診療の再開にこぎつけました。
しかし、職員たちを悩ませたのはウイルスの恐怖だけではありませんでした。

「子どもを通わせてもいいですか」。ある職員が、幼稚園に電話確認すると園側から「困ります。いったん自宅待機を」と登園を断られる。職員の配偶者が勤務先に出勤停止を命じられたケース。安全確認期間中、職員の家族が自宅待機や出勤停止となった件数は約50件に上るといいます。

影響は、外来やリハビリ通院の約650人にも広がり、リハビリに通う子どもが小児医院で診療を拒否されたケースがあったほか、院内感染の疑い払拭後も「(該当病院の患者は)受診前に必ず電話を」と掲示した医療機関もありました。

残念ながら、これが日本社会の現実です。

この問題、しばらく取り上げようと思います。