地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイトルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2019年6月16日付(第1816号)に掲載した、「国民健康保険制度を考える」(その1)の後半です。
2010年3月19日に、宮崎市議会が国会に提出した「国民健康保険財政への国庫負担割合を医療費総額の45%に戻すことを求める意見書」では、こう指摘しています(一部略)。
国保加入者の平均所得は1世帯あたり1991年度の276万5千円から2005年度には168万7千円に、100万円以上低下し、健康保険加入者の年間所得の半分以下である。本来、組合健保や協会けんぽに加入すべき非正規労働者やフリーター等の低賃金の人が国保に加入している。
また、国保税の滞納世帯が急増しており、滞納世帯の資格証明書や短期保険証の発行も増加し、病気になっても医療が受けられず手おくれで死に至る事例も増加している。
根本には、1984年からの国による国庫助成金の引き下げが決定的な要因になっている。国保の総収入に占める国庫支出金の割合は、1984年の49.8%から2005年の30.6%へと激減し、一人当たりの国保税は39,020円から80,353円と倍増した。
国庫負担の削減・住民負担率は増大し続け、「払いたくても払えない」国保税となってきている。国保会計が赤字に陥り、国保税の値上げ、滞納世帯の増加、国保税収納率の低下、国の交付金削減、国保会計赤字の拡大という悪循環に陥り、自治体の国保財政は危機的状況にあり、自治体だけの努力では解決できない状況に追い込まれている。
本来、国保は社会保険であり国が当然責任を持って援助し、国保税が払えず、治療が受けられないような事態が生ずるなどあってはならない。国民皆保険制度を維持するためには、国民健康保険財政への国庫負担割合を段階的に1984年当時の医療費総額の45%に戻すことがどうしても必要である。国民健康保険財政への国庫負担割合を1984年当時の医療費総額の45%に戻すよう要請する。
ここで紹介した宮崎市議会の「意見書」は、2014年12月5日付「飛来峰」第691回でも紹介しています。
下記のアドレスを参照してください。