第950回:小児への抗生物質の使用に関する診療報酬改定について

安易な抗生物質(抗菌薬)の使用により薬剤耐性菌が増加し、その対策は国際的にも重要な課題となっています。今回の改定で、この問題が取り上げられました。

「外来診療における抗菌薬の適正使用に関する患者・家族の理解向上のため」として、小児科外来診療料(※)等において、抗菌薬の適正使用に資する加算が新設されました。

「急性上気道感染症又は急性下痢症により受診した小児で、初診の場合に限り、抗菌薬投与の必要性が認められず抗菌薬を使用しないものに対して、抗菌薬の使用が必要でない説明など療養上必要な指導を行った場合に算定する」 とされます。

不要な抗生物質を投与しないようにするのはよいことだと思いますが、それを点数化するというのは少し違うのではないかと思います。

先日ある会合でお話しした開業医の先生も、点数化するのは少し筋違いではないかという意見をおもちでした。

医療費を使ってこういう制度を導入するより、国民を「教育」するキャンペーンにお金を使うべきではないでしょうか。

※小児科外来診療料とは、時間外加算や往診などを除いて、投薬、検査等が包括化された点数。