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地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイトルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2018年2月18日(第1770号)に掲載した、「診療報酬の4月改定の問題点をさぐる(その1)」の前半部分です。一部修正しています。

4月から医療保険の診療報酬、介護保険の介護報酬、障害福祉サービス等報酬の改定、いわゆるトリプル改定が行われます。

今回は、まず診療報酬改定から触れます。診療報酬改定は2月7日に開催された第389回中医協(中央社会保険医療協議会)で改定案がまとめられ、加藤厚労相に答申されました。

ただ、細かな解釈については明確でないことも多く、通常3月初旬に出される告示・通知、3月以降に発出される事務連絡、疑義解釈(Q&A)などを待たないといけません。実は2年に1回の改定では3月から4月にかけて、さまざまなやりとりがあり、現場は常に混乱します。4月1日から制度が変わるのに4月1日時点で不明なことや、4月1日付の通達が2日以降に出されることもあります。

さて、今回の改定は、医療技術や診察料や入院料などの基本的部分を評価する「本体」部分を0.55%引き上げる一方、薬の値段や診療材料など「モノ」の価格を示す「薬価・材料」を1.45%(薬価が1.36%、材料価格が0.09%)引き下げました。また、薬価制度の抜本改革で0.29%、大型門前薬局に対する評価の適正化を「別枠」で行うため、全体として1.25%のマイナス改定となります。

今回の改定の中心点は、「地域包括ケアシステムの構築と医療機能の分化・強化、連携の推進」であり、医療従事者の負担軽減、働き方改革の推進、生活習慣病の重症化予防の取り組みなどを重要な課題として掲げています。

個別の課題では、複数医療機関からの訪問診療料の算定を可能にする、ターミナルケアの評価の充実など、高齢化社会に対応した内容が含まれており一定の評価はできます。

外来では、「かかりつけ」算定要件を一部緩和し、関連点数の算定を広げ、地域における患者の受入機能の強化をはかる仕組みが広げられました。地域包括診療料・加算等、在宅時医学総合管理料等(在宅療養支援診療所、在宅療養支援病院に限る)届出等医療機関の初診料に「機能強化加算」が新設されるなど、一部の医療機関を評価する形にはなっていますが、地域医療を守る診療所全体の底上げになるものにはなっていません。