第876回:介護保険の行く末を考える(その2)

地方政治新聞「民主香川」に、「社会保障はどうなるか」というタイトルで、社会保障改悪の内容の連載をしています。2017年2月19日号(第1731号)に掲載した、医療事故調査制度に関する内容の後半を再掲します。第875回(3月31日付)の続きです。

(承前)

財源論について意見の相違はあるかもしれませんが、2018年の介護保険「改定」や、今後のあり方についての問題点について、意見は一致するところです。

先述の利用者負担の問題については2月7日の閣議で決定された介護保険制度関連法案の中で、今開かれている通常国会に提案されることが決まりました。

18年8月から現役並み所得(一人暮らし、年収が340万円以上)なら、利用者負担が2割から3割に引き上げられ、利用者の3%にあたる12万人が対象とされます。

また、1月号でふれた、40歳から64歳が支払う介護保険料も引き上げられます。17年度からは、健保組合や協会けんぽなどの場合、加入者収入(報酬額)に応じた総報酬制に段階的に移行し、20年度からは全面的に導入することが提案されています。

さらに、これまでたびたび廃止が先伸ばしにされていた、介護療養病床について、医療の必要性に応じて3つのタイプに分けられる「介護医療院」に転換するなどの内容も盛り込まれています。

医療の面ではこれまで、たびたび触れてきた「病床削減」が本格化する、介護保険の利用にも制限がかかる、入院や入所にも制限がある、憲法25条に定められた、国民は「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」、国は「すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」という内容が実現する政治を求めていく必要があります。