第853回:新年のごあいさつ

新年あけましておめでとうございます。医療福祉生協連の代表理事会長理事としての挨拶を紹介します。

協同の力で、いのち輝く社会をつくる

日本医療福祉生活協同組合連合会
代表理事会長理事 藤原 高明

あけましておめでとうございます。謹んで新年のお慶びを申し上げます。

私たちは「医療福祉生協の地域包括ケア」を具体化するために3つの「つくろうチャレンジ(つながりマップづくり・居場所づくり・日常生活圏域での支部づくり)」を提起し、2016年度はそのステップアップにとりくんできました。つながりマップづくり、居場所づくりは全国の組合員に歓迎され、まちのあちこちで笑顔あふれるとりくみが開始され、広がりました。また、「すこしの塩分で、すこやかな生活」をめざす「すこしお生活」の普及を呼びかけ、味噌汁塩分チェックやスプレー式の醤油掛けを使いくらしに役立つ生活習慣の改善に努めてきました。

昨年は、4月の熊本地震、10月の鳥取地震を始め、全国で自然災害が多く発生した年でした。被害に遭われた皆様には重ねてお見舞い申し上げます。

熊本地震ではコープくまもとと連携し、九州・沖縄ブロックの医療福祉生協職員・組合員が店舗での健康チェックや福祉施設の訪問にとりくみ、鳥取地震では鳥取医療生協の呼びかけに応えて全国の医療福祉生協が被災地訪問行動に参加しました。東日本大震災への継続的な支援と合わせ、災害支援での医療福祉生協の全国連帯・協同の力強さを示すものでした。

英国のEU離脱や米大統領選挙の結果は日本の安全保障や経済政策に大きな影響を及ぼすものとなりました。平和憲法をもつ日本の役割は世界の平和と安定に寄与することですが、政府は2015年に憲法違反の平和安全法制し、昨年は南スーダンPKOに武器使用要件を緩和した任務を与えた自衛隊を派遣するなど、期待から大きくは外れる結果となりました。私たちは一人ひとりが「自分のこと」として平和国家の役割に向き合いその役割発揮のために行動することが求められています。

2017年は全国の医療福祉生協の事業と経営を守る大きな変革と決断が求められる年です。2018年の報酬同時改定と2025年に向けた諸制度の変更、高齢者を中心に負担増と給付抑制を内容とする制度後退が検討されていることに対してはその改善や撤回を求めつつ、地域社会での役割を見定め事業構造の変革、財務強化にとりくむことが必要です。

医療福祉生協連では、「医療福祉生協の2020年ビジョン」実現をめざし第3次3か年事業計画を策定中です。経営的に厳しさを増す会員生協の事業資源の充実や、コスト削減に役立つ事業によって、会員生協の経営改善の支援や、購買生協との連携によって始まった通販型検診等の普及等にもとりくみます。

医療福祉生協に対する皆さまの一層のご理解と、更なるご指導・ご鞭撻をお願い申し上げるとともに、本年が皆さまにとって幸せな一年となりますよう心から祈念申し上げます。