第841回:総合支援事業は「適切な単価」で行うべきです

10月27日に厚労省老健局振興課は、介護保険最新情報Vol.568として、「介護予防・日常生活支援総合事業の円滑な施行について」という文書を発出しました。

2015年4月の介護保険改定で、要支援と判定されると、訪問介護と通所介護の利用ができなくなり、市町村の「新しい介護予防・日常生活支援総合事業」(新しい総合事業)で対応することになります。この件は、第713回(2015年4月7日)で詳しく触れています。

この当時から、「従来の施設基準・人員基準等は廃止され、自治体により対象やサービス内容が異なることになる。このサービス事業には予算上限が定められますから、余力がなければサービス内容は不十分になる」と指摘しておきましたが、現実的に各地で「安上がりサービス」が横行することになりました。

そこで、今回厚労省は「地域の実情に応じ、ふさわしい単価を定める必要がある」としました。また、「サービス事業者の採算に影響を与えることから、関係機関と十分な協議を重ねるよう」求めました。同時に「地域において必要と見込まれる事業量の確保に努めること」としています。

安上がりの単価設定では事業者が事業そのものを廃止する可能性を厚労省が自ら認めたことになります(まあ、最初から分かっていたことですが)。

いずれにしても、現実的な価格設定で、必要なサービスが提供できる仕組み作りが大事だということになります。もっと言えば、介護保険外しをやめて、元に戻せばよいと思います。