第827回:トップセミナーでの福島の現状の報告です

9月6日から3日間、福島県内で「日本医療福祉生協連 2016年度トップセミナー」が開催されました。学習講演などについて、紹介していきます。

2日目の9月7日に、「東日本大震災・原発事故 現状と課題」と題して、浜通り医療生協顧問・原発問題住民運動全国連絡センター筆頭代表委員の伊東達也さんが講演を行いました。

2015年国勢調査の結果、福島県の人口減少率が5.7%で全国最高であった。とりわけ4町(富岡町、大熊町、双葉町、浪江町)が人口ゼロであったことが衝撃を与えた。また、9月6日現在で震災関連死が2,079人など、原発事故時には想定できなかったことが起きている。

事故で融解した燃料(デブリ)がどこにあるかもわからない、政府・東電は廃炉完了まで30年から40年としているが、本当に可能なのか、いずれにしても現在60歳以上の人は(筆者もそうですが……)、廃炉完了を見ることはできない。

帰還困難区域は337平方㎞です。伊東さんは地元に帰って近くの町の面積で考えてほしいと訴えました。高松市の面積が375平方kmですから、9割に相当する広さです。わかりやすく言うと、高松市でいうと庵治町と牟礼町は「帰還可能」だが、それ以外は「帰還困難」ということになります。

こういった現状を広く伝える必要があると思います。